
天然痘のワクチンと反ワクと
まさか中華風物語で反ワクの話が出てくるとは思わなかったぜ。
重くなかった天然痘患者ののかさぶたをワクチンとして使用し、重症化する患者を減らそうとする人々。そしてワクチン自体を否定して接種しないように呼びかける団体。そこに後宮の妃嬪たちが関わってくる物語。
今回登場の妃嬪の、月経が重たいことから気胸に発展する話はまるで知らん話でおもしろかった。そういうのもあるんだな……。そしてお薬が嫌いなので拒否ってしまってこっそり捨てる患者が医者的に大変なのは現代もわかる~~なので笑ってしまった。いますよね、効かないからと自主的に飲むのをやめる人……。
翠珠ら後宮の医者の場合、帝から預けられた後宮の健康を診る立場なのでそんなことして勝手に薬の増減されるのは困るんだが、患者はそんなんわからないもんな~と苦笑してしまった。お疲れ様です……。
1巻では面倒な患者であった呂皇貴妃が、現在では翠珠をお気に入りとして可愛がってくれているのが読んでてほのぼのする~~! とともに、本来はこれだけ優しく心遣いしてくださる人を変えてしまう病ってやっぱり怖いなと思わされた。
痘痕で顔面がひどいことになってずっと後宮のいち区画に引きこもっている姫君の話に、医療の光と闇を考えてしまった。
99.99%の人がワクチンのおかげで重症化を免れようとも、0.01%の確率でババを引いてしまう人がいる。むしろその人ほど、他の人達は大丈夫だったのに何故私がと周囲へ憎しみを向け、医療自体を恨んでしまう。子供が重症化しないようにという親心が裏目に出てあらゆるものへと憎しみを向けてしまうのは、わかるし辛いよなと納得してしまった。
だからといって人民を危険に晒して良いわけではないが、自分だけ人生を奪われた恨みが他の人々の不幸を望んでしまうのはある意味仕方ない。このあたりはめちゃくちゃ考えさせられた。
翠珠が後宮での面倒事を目にして徐々に成長していってるのが良いし、夕宵との、自分の職業倫理において機密情報や個人情報は明かさないが協力はする立場なのが良い。この先二人がどうなっていくのかも楽しみ。