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「華は天命を誓う 莉国後宮女医伝 三 小田 菜摘」後宮で働くということ
華は天命を誓う 莉国後宮女医伝 三 小田 菜摘

華は天命を誓う 莉国後宮女医伝 三 小田 菜摘

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あらすじ#

第五皇子の生誕で勢力図に大きな変化が生じた後宮で、女医の李翠珠(りすいしゅ)は日々の診察に励んでいた。特に第五皇子を産み昇格した栄賢妃の診察は一苦労。癇癪持ちでわがまま放題な彼女は、第五皇子に水痘(すいとう)らしき症状が出たことで過剰反応し、さらに次々と騒ぎを起こしていた。そんな中、翠珠は栄賢妃が唯一信頼する女官、蓉茗(ようめい)と思いがけず仲良くなり——。 御史の夕宵(ゆうしょう)との仲にも進展あり!? 変化と恋の中華お仕事ミステリ第3弾!

働くっていつでも大変#

前の巻で水痘騒ぎの次は、我儘妃が癇癪を起こしまくって大騒ぎを起こす巻。はちゃめちゃ我儘妃様が、アレに癇癪を起こして侍女をむち打ちにして、これに癇癪を起こして侍女をまたむち打ちにしと繰り返しているのに元気にドン引きしてしまった。地位が高い人ってめちゃくちゃなことするな……怖……。
そんなやばい妃にそこそこ気に入られ、未だ鞭打ちをされたことがなく、強かに暮らしている女官の蓉茗と出会ってあっという間に仲良くなる。同年代の友達が増えて楽しそうな翠珠がニッコニコで可愛かった。

蓉茗の強かさやしなやかさが読んでいてすごく良かった。翠珠とは違う方向性で、後宮のなかでうまくやっている。気ままで我儘で癇癪持ちな栄賢妃の機嫌を見て、話すべきことと話してはならないことを見極め、空気を読んで後宮がうまく回るように動く。
そんな彼女の最終目標が、女官としての評価を上げて六局のどこかの長になるというものなのが良い。自分が仕える妃の立場が上がっていきますようになどより、自分の立身出世を考えているところがとても強かだった。

今巻、紫霞からの指摘で翠珠がとうとう自分の中にあった夕宵への恋心を自覚する。紫霞は自分が結婚している状態だと働けなかったからこそ翠珠へのアドバイスのつもりだったんだろうが、結果として『時代はもう紫霞の頃から変わっている』『女性が結婚後も働いていてもおかしくない世の中になっている』と翠珠が気付いたのが良かった。
はえー時代の進みがはええーって思いながら読んでたけど、冷静になると現代だって全然そうだよな。10年一昔というけれど、一昔前とは男女の諸々もかなり変わってきた感じある。テレビで使われる言葉でも昔だったら使われていたようなものが現代ではもう使えないってのもたくさんある。10年前のドラマを見るとドン引きするようなシチュエーションもあるし、10年前のラノベを読んで古くささにびっくりしたりもする(別に現代のラノベでも昔の文法やテンプレを利用してるので古くささを感じるのは全然あるが)。そういうのも含めて、時代ってやっぱ変化してるんだな。