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「わたしの百合も、営業だと思った? (電撃文庫)アサクラ ネル」かなりお仕事要素強めの百合
わたしの百合も、営業だと思った? (電撃文庫)アサクラ ネル

わたしの百合も、営業だと思った? (電撃文庫)アサクラ ネル

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面白かった~!
推しがアイドル卒業をしてしまって落ち込んでいた声優のすずね。しかし自分の事務所に新人として入ってきたのは推しアイドルで!? ということから始まるお話。
正直タイトルからもっと営業百合っぽいノリ(ノリばかりが百合だが実際にそれ恋愛感情か? というとそういう雰囲気ではないか、主人公がTSっぽくて中身が男性っぽいノリ)ではないかと思っていたのだけれども、もっとお仕事っぽさがあった。
こちらは男女だけれども推しに熱愛疑惑出たから会社休んだと若干近い、ビジネス恋愛小説っぽい雰囲気で面白かった。

推しがアイドルやめた#

推しアイドルに全力投球しながら声優というお仕事も頑張っている主人公・すずねが、目の前に事務所の新人としてその推しアイドルであるかりんが現れたときの、ファンとしての姿は見せないぞ! と社会人として公私混同せず頑張っている様子や、かりんがグイグイ来るのに戸惑い慌てどうしたらいいのかわからない様子が可愛かった~!
すずねの公私混同せず、先輩声優として振る舞う姿がめっちゃ尊敬できる先輩なんだよ……。ここで「ファンです!」って来られたら相手が困るのをわかっているからこそ、一個人でありかりんをしらないただの先輩として振る舞うところが社会人としてGJすぎる。元々はアイドルやめたのをものすごく悲しがっている様子や、ファンとして貢いでいた姿を事前に出ていたからこそ、そこできちんと公私の線引が出来るすずねを応援したくなってしまう。

そして、そんなすずねの感情を差し置いてぐいぐい後輩として距離を詰めてくるかりん。かりんの思惑はわからないものの懐いてくれるのは嬉しい! と喜んでしまうが公私の境目を考えて悩んだり友達に相談したりするすずね。更には事務所の力関係もありかりんがあれこれ噂をされたりと、お仕事ものとして読んでてわくわくした!

かりんの距離詰め具合も、女性だったら&よく懐いてくる子だったらこのぐらいはあり得るかも? でもよく懐いてくれてるな~と思える範囲内なので、すずねもうん……? と思えない塩梅なのがうまい。憧れの人が純粋に懐いてくれていたら、そりゃあ嬉しいものですヒョ。

百合としては薄め#

百合としては日常ゆるゆるほのぼのコメディとかゆるゆるイチャイチャ系なのでそこまで濃くなくて読みやすかった。主人公がレズビアンだからこその動揺や恋愛感情のゆらぎはあるけれども、それがなければ百合じゃない作品として出されてても違和感なかったかもくらいの接触。
恋愛描写としてはかなり薄く、それより声優で百合営業もある子のお仕事モノとして読むほうが剥いていた。

元々女性声優としてのてぇてぇ百合営業があるなかで、本当にレズビアンだからこそのドキドキとかときめきとかが発生してしまう、というのはお話として面白い。かりんに対しての感情は推しであって恋愛感情ではないはずなのに、百合営業としての行動でどぎまぎしてしまう。膝枕状態になったり耳かきをしたりと百合っぽい行動をし、更にはかりん自身も酔った姿を見せてきたりと無防備で、すずねはどんどんと動揺を続ける。

このあたり読みながら『そうじゃない演技のはずの行動で完全に恋になっていくのてぇてぇ~~~!!』と思うと同時に、これ男女アイドルでやったら確実に炎上するけれども百合で営業とするなら許される現状……とかなんとか少し考えてしまいもした。
でもこのあたり、エンタメとして出されてるものにそんなもん考えるなでもあるんだよな~……難しいね。そんなこといったら男女恋愛同居モノラブコメってありえねえだろ! ではあるからね。