
「棘の家」転がり転げて地獄へ一直線
面白かった。 中山七里の小説ってラストのどんでん返しがデカく襲いかかるタイプの物語なのかなと思っていたし、実際この小説も『どんでん返しの帝王が~』という文章がアマゾンの紹介にあったからそういった類の物語なのかなと想像していたら全然違った。むしろ家族の裏の顔や、人間の感情を動かすタイプの物語だった。 無責任かつ簡単に掌返しする一般的な人間として出てきたネットの人々やマスコミの存在が面白かった。主人公の娘がいじめで飛び降りたものの、事なかれ主義の学校は詳しい調査もしないし、わかったことも教えてくれない。警察だって頼りにならない。そんな主人公たちのもとへと訪れたのはワイドショー的なマス…