「お悩み相談室の社内事件簿 ~会社のトラブルすべて解決いたします~ (マイナビ出版ファン文庫)」浅海ユウ
あらすじ
大企業の営業課長としてバリバリ働いていた松坂紫音だったが、部下の裏切りにより転落して社内で最も窓際と言われる「お悩み相談室」に追いやられる。個性的なメンバーとともに社員の悩みを解決していくうちに自分自身も再生し、成長していく―。
痛快お仕事コメディ!
きつい性格の主人公が社内のお悩みごと解決
きつい性格で人の心があるのか若干怪しい部分もある主人公が、部下の裏切りと言えば聞こえが良いが自分のパワハラが原因の部分もあり左遷され、お悩み相談室という人の心がない人間がこなすには少々どころじゃなく合わない仕事をすることになる話。
こう、ある意味一種テンプレ化した「個性的なメンバーと共にお悩み解決の仕事をするうちに主人公も角が取れて次第に自分が悪かったことを反省できるようになる」というアレ。
しかしこれが一歩違うのは、主人公があまりに気が強すぎる、とても気が強すぎる、やばいタイプの気の強さを帰国子女だからで誤魔化しているところ。身近に帰国子女いないけどここまでやべーのが量産されてたらこええなと思う。とりあえず人の心はない。
仕事で部下の出してきた書類に悪いところがあれば「0点」などと書き加えてこんなもの使えないと言い放ち別の部署へと追いやるタイプ。
そういうことが積み重なって左遷されたものの、用事があってその部署にちょっと居座ることになった途端に、新しい課長が「すごく良いけどここだけ直そうか」と丁寧に教えている横から口を出して自己流の上記のやり方を押し付けようとする。
いやマジでこんな上司いたら踏み潰されても元気になるタイプの部下以外は育たないからやめたほうが良いよ……。いや合う場所もあるかもしれないんだけど、少なくとも今は自分の管轄下を離れた相手に対してもまだ自分が課長であるかのように振る舞うのは頭がやばいんじゃないのかな……。
とにかく主人公のそういった不作法さというか自己中心的な部分が鼻について読んでいて不快感がすごかった。
あらすじにある「部下の裏切り」も主人公のパワハラが下人の一部になっているし、成長といっても人の心は手に入れていないし、うーん……という部分が多すぎた。