「勇者パーティーを追放された精霊術士１ 最強級に覚醒した不遇職、真の仲間と五大ダンジョンを制覇する」自分が追放モノ合わないと再認識させてくれた
あらすじ
ハズレ職から最強へ！ 真の仲間＋精霊術で難関ダンジョンも楽々クリア！！
支援中心で「不遇職」とされる精霊術士。その一人ラーズは貢献を評価されず、幼馴染の勇者クリストフから追放を言い渡される。
そんなラーズの前に現れたのは全精霊を統べる「精霊王」。精霊術士の評価に不満だった王は、ラーズの真の力を覚醒させる。
《燃やし、凍らせ、守り、斬り裂く》。それが真の精霊術。王の力で覚醒したラーズは回復闘士のシンシアとコンビを組み、真の精霊術を駆使して難関ダンジョンを余裕で攻略していく――。 どん底不遇職が最高のスタートを切る「爽快無双譚」、開幕！
ただざまぁされるためだけの存在の雑さ
ここまでただの徹頭徹尾同情もできなければ感情移入も出来ない憎まれ役のクズキャラとして描かれる追放パーティ組と、他者からの評価がマジでなんにも一定して無くてシーンごとに変化する主人公ってなんなんだ。これ面白いの？ 私が追放モノをほとんど読んでないので面白さが理解できないだけなのかな。
舞台装置レベルのキャラクター性しかない追放パーティメンバーへのざまぁがここまで丁寧に描かれる意味はあったのかって考えてしまった。ある？ 今まで主人公がどれだけひどい目にあったのかも冒頭にさらっと書かれただけだから、ざまぁされてよっしゃーとも思えない。ただパーティの人間が傲慢な動きをしようとしてひどい目にあってんなーと思うだけ。シンデレラの姉たちのほうがまだシンデレラに対してどういう酷いことをしたのか描いているよ。
パーティメンバーがただただひどい目にあいつづけるシーンが全体の1/3ぐらいはあって、これ主人公が痛めつけられているシーンがもっとないとカタルシスも何もあったもんじゃねえなと思った。一応性格の悪さや傲慢さは描かれてるし無能さは描かれてるんだけど、ここまで来ると今までこんなパーティにいた主人公が馬鹿なのでは？と主人公の格ががくっと下がる気がする。
起きていることは自業自得の、なんとも思ってないパーティの転落人生を見ているだけってかんじだった。本当に何の感情も乗らない。ざまぁともよっしゃとも何も思えない。上がらないで落ちてくだけの物語が全体の1/3ぐらいのパートある。
主人公の評価のブレかたが謎い
結局主人公は他の冒険者や街の人たちからどう思われてるのかよくわからなかった。
追放パーティメンバーが主人公が抜けた分、他の人をパーティに勧誘するあたり。このあたりで『主人公は人徳者で、それを他の冒険者たちは知っていた』『主人公がいるからこのパーティは何をしても手を出されなかった』と描かれる。けれど、追放パーティのメンバーたちがダンジョンに向かうときには『主人公はなんでいるのと他の冒険者たちから思われている』『弱っちぃ扱いされている』。なのにダンジョンから出てきたときには『主人公は良いやつだと言い合う街の人々』『主人公に惚れていると言い出すモブの女』。評価が秒でコロコロ代わりすぎなんだよ。野球観戦してるおっさんか？
主人公、ひたすら労せず何でもゲット
パーティに追放されて不貞腐れて寝たら、突然精霊王から能力を与えられました！ 今までバフ職だからって能力を正当評価されてない部分もあったけど、これで前衛職としての行動も出来ます！ 一人で街を出ようとしたら気になっていた女の子が追いかけてきてくれて二人でイチャイチャパーティライフ！ もう後衛職じゃないから自分で戦えるぜ！
お前、なに苦労したの？ なんにも労せず他人から与えられた能力でいい感じにうまいことなってるだけじゃん。物語が始まる前には苦労したんです、パーティメンバーにひどい目に遭わされていたので人生の帳尻的にはこれで良いですとでも言うのかもしれないけど、そのひどい目に合わされてたシーンがマジで一瞬しか無い。
そんでもってバフ職をバカにされたからバフ職として最強になるとかではなく、自分が努力するんじゃなくて他人から与えられた能力で弱っちぃダンジョンで無双する。へー……としか思わなかった。
物語って葛藤とかそこらへんがあるとおもしれーとか対立があるとおもしれーとかって小説の書き方本にあるアレ、いやわからんわ……と思ってたけどすごく良くわかった。対立もなく葛藤もなくピンチもなく苦労もなくな話、どこ面白がっていいのかまるでわからん。
前に読んだ追放モノだとこれも合わなかったので、単純に追放ものがめちゃくちゃ合わない可能性がすっごい高い。
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