「俺の前では乙女で可愛い姫宮さん」人間性ヤバヒロインだけど結局は割れ鍋に綴じ蓋

★★☆☆☆,Jノベルライトラブコメ,三角関係,両片思い,学園,恋愛,現代

俺の前では乙女で可愛い姫宮さん

俺の前では乙女で可愛い姫宮さん

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あらすじ

大人気ラノベ作家の書き下ろし最新作! 普段はクールでカッコいいヒロインが、なぜか俺の前では乙女…。“イチャ甘ラブコメ”!

乙女ってなんだろうな……と思いながら読んだ。

主人公に勝手に理想を押し付けて落とすためなら痴女行為も厭わないやべーヒロインすぎて、読んでてこいつやべーわ(笑)しか言えなかったけど、最終的に主人公もかなりツッコミどころが多くて割れ鍋に綴じ蓋と思えたのでまあ良かった。

このヒロイン、やばい

学校では王子様みたいなイメージで通っているヒロイン・姫宮さんが実は甘いもの大好きで、ナンパにあっているところを主人公が助けたらまるで王子様のようだったのでつきまとうようになるという物語。割とこの時点でベタの詰め合わせだった。

王子様風の子が実は甘いもの大好きで甘いものを前にしたら可愛くなるっていうの、普通に友達がいたら即バレするような内容だし、姫宮さんが本当にそこそこ人気があったのならばすぐに周囲に広まるんじゃないのかな。彼女がパンケーキを食べに来た喫茶店も普通に主人公・唯斗がバイトできるぐらいの近隣なんだから学内の人間いるかもしれないし、そこから目撃されてても全然おかしくない。彼女が自分のイメージを大事にして甘いものを好きなのを隠しているならばそんな近場の喫茶店に変装もなしに来ないだろうし、普通にいるんだったら学内でも甘いものを食べて緩みきった顔ぐらい晒してそう。

そもそも姫宮、唯斗が自分の理想の王子様っぽい行動をとったからといって、(主人公のバイト先の店長が良いと言ったとは言え)一緒にパンケーキを食べようと誘い、家に送ってもらうのを良いことにそのまま家に連れ込み晩ごはんを一緒に食べ、今日は親がいないんだ♪とアピールし、連絡先も交換し、唯斗が帰宅後はメッセージを連打し返信しないと延々と送り続ける。唯斗が学校で姫宮に近づいて目立つのを嫌がっているのを理解しながらことあるごとに話しかけて昼も一緒に食べる。距離なしのやべえ女じゃねえのかなこいつという印象が強すぎる。

距離の詰め方がエグいし、これ男女逆で想像したら相当やべーやつで、男女逆でやべーならそのままでも本来はやべーのよ。
逆ナンされているところを助けたらこのまま一緒にお茶しよと誘われ、断ろうにもバイト先の店長が良いじゃんいいじゃんと座らせてきて、逆ナンの女の子たちがまだたむろってたらやばいからボディーガード代わりに送っていきなと言われて送っていったらうちで晩ごはん食べてってよ手作りの晩ごはん!と誘われ、親がいないアピールをされ、連絡先交換され、クソメッセを無限に送ってくる男、相当やばくない? 男でやばいならそれは女でもやばい行為だよ。めっちゃ怖いよこの女。地雷女だよ。

終盤に至っては、ご家族公認でのお泊りとはいえ、唯斗のサイズはわからないがコンドー以下略も買って持ってきたり、背中を流しに来たりと、アピールというより痴女行為としか思えない行動が出てきて流石に引いた。その行動は流石に付き合っている相手か痴女ヒロインがするような行動じゃないのかな。

まずこの本ってタイトル的には王子様キャラで通っている子が俺の前では乙女でかわいいという話のはずなんだけど、その学校での王子様キャラの描写がほぼないので読者としてはギャップで可愛いと思うこともなくやべー女シーンしか記憶に残らない。乙女でかわいい子はゴムを買って持ち込まねーし背中を流しにこねーんだわ。
好きな相手がやめてほしいと口で言ってる行動を一切やめるつもりがなくむしろ見せつけていくスタイルなの、嫌われたいのかな。相手を慮るよりも自分のやりたいことを優先する自己中女だよこいつ。

この◯◯な子が俺の前では△△、俺の前でだけ出してくれるギャップが可愛いというのはわかるんだけど、もともとの◯◯部分がろくに出されてないと知らんがなになっちゃう。このあたりは二番目の僕と一番目の彼女でも相当言ったけど。

ラブコメってヒロインが好みじゃないとうわー……と引いてしまう。これはもろに引いてしまうタイプの本だった。

とはいえ主人公もどうかと思うので割れ鍋に綴じ蓋

姫宮はやべー女だけど可愛いので唯斗は憎からず思っていて本気で嫌がっているわけではないというのは読んでいればわかる。正直顔が可愛いだけで行動はガチでやべー女なのでなんでこれが可愛く思えて憎からず思えるのか全くわからないけれど、唯斗がやべー女が好きだからなと思うことはできる。

でも、それならもうさっさと付き合っちゃえよと思うんだよ。この「さっさと付き合っちゃえ」は囃し立ててやーいバカップル!って言ってるんじゃなくて、「お前の優柔不断さ見てるのきっついから良いからさっさと告白して物語を終わらせろ」のほうが近い。

手作りごはんを出してもらえるのは嬉しい。連絡先を交換したのは嬉しい。面倒くさいなーという描写は多いけれども名前で呼ばれることを悪くなく思っている。日本一可愛いとも思っている。泊まりに来られるのも嫌じゃない。可愛いことをされると抱きしめたくなる。そういった恋としか思えない感情を積み重ねておきながら、初恋はまだだからわからないと言い、姫宮にいつまでも告白しようとしない。
いやそれってどう見ても恋だよ、恋じゃないならなんだよ性欲か、かわいい子に特別にされる自分に酔ってるのか、相手が自分を好きなのはわかってるのに宙ぶらりんにしてるのただのキープ扱いじゃん、それってどうなんだよとイライラしてしまった。しかも自分の家族たちにどう思っているのと訊かれ、この期に及んで「好きかどうかはわからない」。普通に人としてサイテーと思ってしまった。

ということで、全体にわたってヒロイン姫宮の好感度が低くて前半は唯斗逃げろーーーという感情が強かったものの、終盤唯斗のクズっぽさがあがってきたため、割れ鍋に綴じ蓋だわ……という感情で終わった。

俺の前では乙女で可愛い姫宮さん

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