負けを認めたら、もっと触らせてあげるけど? ざーこ♡ (GA文庫) ちゅるけ

あらすじ
「ざーこ、ざーこ」
「頑張れ、頑張れ」
「プライド無いんですかぁ?」
世間には『メスガキ』という少女がいる。いやらしい格好や言動を駆使して、思わせぶりに男を誘惑してくる小悪魔たち。
俺・紀伊八尋もメスガキに翻弄される一人だ。
クラスメイトには言葉で。幼馴染には足で。そして優等生には乳で責められて――俺の理性は限界寸前!
こいつらに打ち勝つ方法はたった一つ――“わからせる”こと。
「なら来いよ、メスガキ共。お前ら全員、わからせてやる!」
登場ヒロイン、全員メスガキ!? 勝って爽快、負けても快感!
ラノベ史上最も“気持ちがいい”青春ラブコメディ、開幕!!
同級生のメスガキたちに翻弄されて、ひたすら下半身を膨らませまくる主人公の物語。
そもそもメスガキってなんなんだろう。メスガキとは子供ではないのか。確かに高校生は子供だが、しかし主人公が同い年の場合、絶対的には子供であるが相対的には同級生、つまりガキという年齢ではない。
……などと考えたりしつつ、キャラの行動自体はかなり痴女振るまいなんだけれども主人公もそれに対して正しい反応をし続けているので『ならええか』になる不思議なラブコメだった。
メスガキ好きと発射はほぼしてないけどかなりギリギリのねっとりしたエロを求めたい人向け。確かに挿入はしてないが、してないならなにをしたって良いわけじゃないぞ!?
メスガキとは……???
主人公・八尋は、外見ロリじみた同級生の荊木、幼馴染の葉月からメスガキじみた言動で下に見られてあれこれされつつ、隣の席の巨乳美人・教良寺に癒やされる日々。
事あるごとに荊木は八尋にばかり絡み、メスガキ的言動で八尋をからかい、挑発し、行動に出ない八尋を罵ってくる。
ところでこの作品に置けるメスガキの定義は以下である。
世の中には『メスガキ』という少女たちがいる。
若くて、男を見下し、自分より弱いと思っている。格好や言動がいやらしくて、意図的に男の劣情を煽ることを楽しむ、控えめに言って性格の悪い女の子だ。
バカに出来そうな男を発見するや否や遠慮なく近づき、思わせぶりな態度や刺激的な見た目で湯涌しつつ、悪口で冷静さを失わせる。性欲とプライドの板挟みに苦しむ男を嘲笑ったり、陥落した男から金品を搾取したりする。
うーん、そのなかでもガキの部分がなければ、それはクソ女なのでは……?(シンプル感想)
確かに作中に出てくるメスガキたちは、エロ漫画に置けるメスガキ的セリフである「ざーこ♡ざーこ♡」を連呼してくるものの、煽り癖のついたクソ女なのでは……? クソ女のなかにメスガキが含有されるのだとしても、主人公と同い年なのでガキとつけるのはやはりおかしいのでは? つまりメスガキをメスガキたらしめるものとはなんなんだろう。精神性? なんでこんな哲学を考えているんだろう……。
とにかく物語としては、メスガキであるメインヒロイン・荊木に、八尋がとにかく言動で揺さぶられ、時には普通に手も出されて股間を膨らませ続けるラブコメだった。
「耐えて。手を伸ばしたら、雑魚。おっぱいに釣られちゃだめ。揉みたくなっちゃだめ♡ 腕を下ろして♡ お腹を撫でたくても、我慢して♡ 本気の目しないで♡」
口では禁止しておきながら、荊木はへそに指をひっかけ、穴を広げた。
胸元同様、はっきりとは見えない。
けれども位置や大まかな形はわかるし、ささやかな赤みや沈むお腹の質感はストレートに伝わった。地肌じゃなくて命拾いした。
「だめ。耐えて。いいの? 触ったら、私の勝ち。八尋は雑魚。それでも、いいの? 八尋が、理性よわよわで、えっちなことしか頭にないって、証明されちゃう……よ?」
保健室で二人っきりで押し倒されて雑魚雑魚言われながらこんなふうに挑発されたり、他の人と触れ合った手を舐められる。そんなことされたら健全な男子高校生は速攻で下半身元気にさせて陥落してしまう。
八尋、マジでまるで全く堪え性がない。速攻で下半身を元気にさせるし、クラスの女子はエロい目で見ているし、荊木も迷うこと無くエロい行動ばかりをしてくるので、なんかこれはこういう話なんだな……と思えてきちゃうのですごい。
挿入はしていないし発射もさほど丁寧に描かれていないから少ないと思われるんだけれども、挑発と触ってくる描写はどれも濃厚で、十分エッッッだった。
ていうか冷静に考えるとこんなもん時折運悪く見せられてる同じ学校やクラスの皆様のほうが問題。よくこんなもん普段許してくれてんな。通報されたり教師に言われて退学させられてなくて良かったな。普通にどっちもアウトだぞ。やっぱりエロ漫画の世界の学校かもしれん。
そして次々と現れるメスガキたち
そして、メインヒロインからの主に罵倒多めのメスガキ描写に慣れてきた頃に現れる第二第三のメスガキ(同級生)たち。というか幼馴染はずっと金品強請ってるけど、更にまだ現れるとは。多種多様なメスガキ振る舞いが出てきて面白くなっちゃった。もうここまで来るとメスガキのガキとはなにかについて突っ込む気力が失せる。
ただ、最後のメスガキはメスガキっていうよりクソ女って感想のほうが出てきたかも。単純に性格が悪いんだよな。雑魚雑魚は言うけれども、性格が悪い。
また、『荊木にようやく出来た友達を失わせることになるのでは?』と悩んでいたが、判明した彼女の本性が最悪に最悪なので、そういうのは逆に早めに教えたほうが良いのでは? となる。それともそんなクソ女の本性を隠して友人関係続けさせたいのか? あとから彼女が荊木を同じような理由で利用だけしてポイして傷つける可能性があるのに?
荊木と会話するな、もし荊木に現状を伝えたら荊木から教えてもらうからすぐわかるよという脅しも、現状彼女よりも八尋のほうが荊木に信頼されている以上、八尋が口止めしたら言わなそうなんだけどな。
このあたりは物語としての整合性よりもストーリー上の都合を強く感じた。そうはならんやろがい。
ところでこの話、開始時点で主人公の八尋がメスガキの荊木に陥落済みというか、すでに惚れてるんだよね。だからいくらメスガキのくっそムカつく発言をされてもわからせの方向にはいかない、けれども第三の女は別に好感度は地に落ちたので普通にわからせに行くのは面白かった。あ、これ普通にラブコメだったんですね、っていう。
でもそこで荊木のメスガキ振る舞いは養殖というか、元々のものではなくこれが好まれるからで始めたものっていうのが出てきたのは、それはいいんですか!? メスガキ好き的にそれはありなんですか!? メスガキとしてそういうアプローチしか知らないほうが純・メスガキとして良くないですか!? とも考えてしまい、難しい。
天然で煽るし金を巻き上げる幼馴染のほうが、メスガキとしては天然モノでランクが上なのでは? 難しいな……。
第三の彼女はメスガキというか成長したらメスガキではなくいわゆる港区系になるタイプだと思う。メスガキとは進化ルートが違うと思います。
主人公が自らの性欲を隠すことなく認めてればそれはそれでいいんだよ
例えば、あるじゃないですか。主人公が『俺は女が好きじゃない』『女子に苦手意識を持っている』といいながら、女体をジロジロと眺め、描写の際は確実に胸のサイズを出してくるラノベが。『こいつは友達だ』といいながら胸のサイズや形を丁寧に描写してくるラノベが。
ラノベにおいて女子キャラの胸の形やサイズというものはキャラ付けの一環であり、出して当然、身長や髪の長さが描写されるように必ず表現されるものであり、そしてサイズや形はキャラクターの魅力を表現するのに大事だからと執拗に描写されるのって、あるじゃないですか。
でもそれってこう……キショいんすわ……。相手を女として見ていないだの女は苦手だの言いながら、でも乳は見てるんかいっていうの、キャラの認識や描写としてキショいんすわ。
っていうのを時折感じてるので、こういうめっちゃ性欲!! って感じの主人公が、全力でめっちゃ性欲!! って描写をキメてくるのは、なんか逆に一周回って気持ちよくなってくる。下手に草食振る舞いをしての性欲視線より、性欲です! ってしての性欲視点のほうが気持ち良いよ。やっぱり。清々しいよ。
「昔から、男の子にじろじろ見られることはよくあります。自慢ではありませんけれど、他の子より育っているので、珍しいんでしょうね」
さしもの彼女も、一瞬暗い目をした。
欲望の対象にされてることを自覚する女の子って、申し訳ないけどすごくエッチだ。
主人公である八尋の思考がずっとこんな感じで、目の前にいる女の子をエッチだなとか、挑発されて下半身が大暴走! とか、そういうノリが本当にずっと延々と続くので、いくら女子の胸の描写があろうとも手がすべすべの描写があろうとも、こいつはそういうやつなんだもんな! で全部納得できちゃってすごい。
まあ、例えば二次元ドリーム文庫の主人公がヒロインをエッチな目で見てなかったらそれはそれで大問題なんですわ。そういう、彼女を性の対象として見ています! というのが前面に出されたラノベなら、いくら胸だのなんだのを描写しまくっててもなんとも無い。というかそれが正しい。
ついでに言えば私はヒロインの痴女振る舞いが好きじゃないと言うか、オメーのその行動気持ち悪いと思ってしまうことが多いんですが、この話だとそういうのも特に無かった。
途中、ゲーセンでメインヒロインがカーディガンで隠れているからとスカートを脱ぎ、その下にハイていたレギンスを脱ぎ、下着を脱ぐシーンがある。痴女である。ゲーセンという公共の場で、あまりの痴女振る舞いである。でもこの話ってそういう話なので、まあそういうもんだよな! と全然納得してしまった。
痴女振る舞い、まともで正気の女子が主人公くんを意識させるためにする行動としては突拍子もないというか常識がないというか正気がなくてドン引きしてしまうし、主人公くんがそれに対して性欲を抱いてくれないといたたまれなくなってしまうんだけど、これみたいに元々正気ぶっ飛びじみた子がやってて主人公もきっちり下半身を反応させてれば、これはこれでええやん(割れ鍋に綴じ蓋で)という気分になれるんだな。
総じて面白かったんだけど、物語外の部分でメスガキとはなんだろう……と悩んだり、痴女振る舞いの何が嫌で何だったらセーフか考え直したり、養殖と天然に関しても考えたり出来て面白かった。たぶんこれ普通にメスガキを楽しむラノベです。










