「高嶺の花には逆らえない」こんなんサブヒロイン応援するしかないだろ！！！
あらすじ
ふふっ・・・・・・逃がさないから。
佐原葉は、学校一の美少女・立花あいりに一目惚れをした。イケメンな友人・進藤新に相談をすると、告白のセッティングをしてくれることに。伝えられた場所に行くと、そこにはあいりに告白をする新の姿が。友人に裏切られ、好きな人を目の前で奪われた葉は、ショックでその場を逃げ出してしまう。翌日、教室に入ると新はなぜかスキンヘッドになっていた。さらに、恋人がいるはずのあいりから積極的にアプローチをされるように!? 好きな女の子が、なんだかヤバい! 謎多き高嶺の花と織り成す、ゾクゾク必至の新感覚ラブコメ!
主人公は聖女（聖男？）なので手を汚すのは他人がやってくれますよ的ざまぁと、三角関係ラブコメの合わさったお話。ざまぁ部分はうわぁ……となりつつも、ラブコメ部分が面白くなって読んでた。
この話、ヒロインがもうめちゃくちゃ可愛いのが最高に強い。そう、武田さんが。ポチャ系ヒロイン武田さんが。
暴太郎戦隊ドンブラザーズで最終的に犬塚には夏美なのかソノニなのか論争で一時期言われていたけれども、視聴者/読者（わたし）としては、過去にそういうことがあって惚れていますよよりも今目の前で惚れてしまった瞬間を、そして好意がどんどん増していくところが見たいんだよ。そして好きな人に好きになってもらうために努力している子が見たいんだよ。
そういう意味では、屋上前で弁当を食べる人として偶然出会い、外見を気にしないしあんまり愛想よくないにも関わらず話しかけてくれて、話していて楽しいなんて言ってくれて、他人の前で貶されたときに手を掴んでその場から逃してくれた主人公に惚れる武田さんを応援したくなっちゃうよ。こんなん好きになっちゃっても仕方ないよ。そこから更にダイエットにも協力してくれるような人だよ。ご飯作って喜んでもらえるならいくらでも作っちゃうよ。文句のつけようがないぐらい、武田さんが相手に興味を持つ→好きになる→努力するの流れを描いていて最高すぎた。
初対面でちょっと優しくしてくれたからじゃない、少しずつ好感度があがっていったところで決めの一手を見せられた。こんなん好きになっちゃうだろうしこんなん応援しちゃうだろ。
というかこれ、メインヒロインのはずの立花さんの勝ち目なさすぎない？主人公宅はほぼ全員武田さんに心奪われちゃってるし胃袋も奪われちゃってるんだけど、どうやってここから巻き返すの？3馬身ぐらいリードされちゃってるんだけど。もう完全に家族ぐるみでお嫁においでよモードに入ってて、家に入り浸ってる幼馴染ヒロインぐらいの風格がある。出会ってまだ数ヶ月だけど。
立花さんのリードしてる部分って主人公が立花さんに惚れてることだけなんだけど、この部分は立花さんからさっさと告白しないかぎりもうそれはどうにもならないんだよね……。
ざまぁ部分としては結構えげつないというか、高校生にとってはかなりきっついなこれ……と思われるもの。
手間暇かけたざまぁだし立花さん頑張ってやろうとしてるなあとは思うし、新も主人公に作中現在進行系で行った所業や過去に女の子たちにした事柄を考えるとまぁ仕方ないかもではある。
ただ、二次創作BLにたまによくある、受けに酷いことをしたモブに攻めが過剰制裁を加えましたを連想して、どこにでもこういうのはあるんだなあと思っちゃった。冷静沈着キャラが二次創作で受け溺愛サイコキャラになるやつだ！と面白くなっちゃった。
個人的にツボったのは最後の最後でざまぁ対象兼当て馬の新が本気で立花に惚れたっぽいところ。
物語ラストで新にとって立花さんって、自分がクラス内カースト最下位に落ちても変わらず接してくれた女の子っていう印象じゃん。
実際のところ立花さんは新位を元々豚の餌箱ぐらいにしか思ってなかったし、残飯処理用の弁当箱を突っ込んでただけで、全然いいことをしたんじゃなくてただの見下し続けていただけじゃん。虐げる行為だからこそ何も変わらなかったのに、でも新にとってはそれが変わらずにいてくれたという優しさに見えて本気の恋になるの、あまりに最悪に最高すぎるのでは。しかも新は気付いてない様子なのがまた更にめっちゃ良い。わたしはこれ新と立花さんを推しますよ、立花さんの意思は完全無視になるけど。
Wヒロインな以上どっちかは負けるのがわかってるんだから、ここは新と立花さんをくっつけて主人公は武田さんといいかんじにやってほしい。
というか現状から立花さんが巻き返せるルートが全く見えないので、ヒロインレースするんならもっと立花さんが頑張ってほしいし、当て馬としての新も本気の恋を自覚も理解もできずにから回ってほしい。