
あらすじ
貧乏なクラスメイトを雇ってみた。このメイド、ちょっぴり怪しい!?
清宮継司は由緒正しい名家の一人息子。だが事情があって家は継げず、別邸で一人暮らしを楽しんでいた。ある日、上流階級の同級生たちすら一目置く優等生・氷坂清耶香がメイド服を着て転がり込んでくる。
「いくら俺でも、同級生を金で雇うほどクズじゃないぞ」
「雇ってくれないなら、メイド服を着た宿なし少女が爆誕するわ」
「断ってもクズになるのかよ!」
「今ならあなたが期待する『ご奉仕』もついてくるわよ?」
「…………」
「あ、ちょっと揺れたわね」
密かに好きだった女子と一つ屋根の下なんて精神がもたない!
けど清耶香は、たまに俺の部屋を漁って何をしてるんだ?
由緒正しき名家の一人息子、ただし庶子という立場の主人公が、家に乗り込んできたメイド志望の奨学金をもらっているクラスメイトに「ここで働かせて」とぐいぐい来られるお話。
ラブコメとしてもあまり刺さらなかったし、ラストの25pで訪れる衝撃の展開というものもそれほど刺さらずだったため、全体的にあまりおもしろく感じられなかった。
好きだった子がメイドにしてくれと家にやってくる
一目惚れして好きだったクラスメイト・清耶香が、母が失踪し、なにかあったらここに行けと言われていたと主人公の住む名家の別邸に転がり込んでくる。メイドにしてもらいたい、ここに置いてほしいと言い、メイド服で家事をする清耶香になんだかんだ思うことはあったり、昔からの友人であり学園内で情報屋をする女子に嗅ぎつけられかけたり、家柄が釣り合うはんなり京都弁どこか黒いところのある同級生に粉かけられたりしつつ、清耶香との関係性を作っていくお話。
前半はかなり明確にラブコメで、好きな子がメイド服姿で家にいて無防備でいることのドキドキや、美少女がメイド服で傅いてくれたりするドキドキ、好きな子をメイドとして雇いたくないという主人公・清宮と、メイドとして置いてほしいという清耶香の攻防が続く。
ただ、清宮が清耶香を好きというのはなんとなく伝わってくるし序盤に出ては来るんだけど、恋愛感情っていうよりも同級生の異性に対する感情っぽさのほうが強く、清耶香だからみたいなのがあんまり感じられなくてラブコメ感があまり感じられなかった。ここは私の好みの問題。
メイドなのに若干上から目線で挑発的な美少女があれこれしてくるというのは好きな人は好きそう。
中盤、学校の奨学生制度が突如今年度から無くなり(今年度から!?!?!)、理事長などの権力者とお話してみてもどうにもならず、清宮が清耶香を守るために覚悟を決めて清耶香を雇うまでの話が始まり、若干雰囲気が変わりハラハラしてくる。
とはいえ、時々出てくる口調変わりすぎ教師のおかげで緩むところはあるかも。
自分の家の立場と地位を使うと覚悟するところは良かった。
からの、ラスト25p。物語の種類がぐるっと変わる。
清宮と清耶香の間に存在していた意外な秘密と関係性。ここでようやくタイトルに絡む『ナニか』が出てくるんだけれども、随分出てくるまで長いな!!
また、それだけのことをするほどの家柄である・家の大きさ・家名の大事さというものをもっと描いてほしかったかも。設定として学園内では『家柄が良いほうが偉い』『家柄が良いのにしょぼい主人公は舐められる』というのは出てくるも、あんまり読んでて実感がなかった。派閥争い的なのがもっと出てきてくれたら良いんだけど。それこそちょうどよく学園内がそういう校風なんだから、もっとわかりやすく出してほしかった。
万里辻が清宮に絡んでくる理由だとかそういうのも家柄に関わってはいるんだけれども、なんというか、うーん……。あんまり読んでて実感が湧いてこないんだよな……。
なんか全体的にノリきれないままラストのでかい問題が出てきて、おー……そうっすか……になった気分。
