「アラフィフ転生~少女漫画の世界で「オモシレー女だな」と言われ求婚されまくりました。」繰り広げられる80年代少女漫画あるある
あらすじ
更年期に悩まされるアラフィフ兼業主婦・森野舞子(48)。
倦怠期の夫と反抗期の娘と暮らす、普通の母親として生きていたけど……。ある日、街角で何かとぶつかり、目が覚めると、少女漫画『マイコと宮廷学園』のヒロインの姿になっていた!! わけもわからず、パニックになる舞子。そこに、手を差し伸べたのはなんと宮廷学園人気NO.1のあのイケメン王子だった。「この胸の高鳴りは更年期? それともト・キ・メ・キ――!?」新感覚異世界ラブコメ開幕!!
笑った。転生じゃなくて精神入り込み成り代わり系じゃねえかとか、しかもちょいちょい現実に戻ってきてるだろとか、アラフィフというけど48でたしかにアラフィフではあるだろ!とか、表紙の絵柄どぎついけど中身は(少女漫画部分はもろにあの頃少女漫画風だけど)全体的にそこまできつくないな!?表紙のインパクトはやばいけどな!?とか言いたいことはたくさんあるけどとにかく笑った。
昔の少女漫画ってこういうのだよねというあるあるネタが繰り広げまくられていて笑う。こないだの難解な腐女子もそうなんだけど、あるあるネタに弱い。こういうの、あるあるネタに対してツッコミを入れてくれる視点があるからこそ面白いんだけど、この話においては精神が転移した主人公がその役目を担っていて、懐かしい!ときめく!こういうことね!と言いまくってくれる。
驚いたときの絵柄やメインヒーロー・サブヒーローの絵柄、悪役令嬢の絵柄もかなりああ~~あるある~~なんだけど、一番笑っちゃったの、モノローグがぶちぶち切れまくるところ。
『貴族クラスの中でも一番高貴な』『ブルジョア王国の第一王位継承者』『お母様が日本人の血を引いていて』『ルーツでもある日本で王子を学校に通わせながら』『あわよくばお妃候補を見つけようとしてるって』の途切れさせまくって別の箱に移動させるあたりが死ぬほどあの頃感がある。わかる。今の少女漫画よりかなりぶちぶち切って別の箱になってたよね。
さらっと読んでたのでメインヒーロー外国人なの見逃してた。てっきりおにいさまへ的な日本人なのに外国人みたいな外見で外国人みたいなあだ名をつけられている人かと思った。サブヒーローがもろにそれなので。
主人公がこの少女漫画世界にツッコミ入れつつ全力で楽しんでるのが良い。こういうときめいている自分を客観的な視線で見れる主人公が面白い。
ときめいているわ私!とちゃんと理解しているんだよね。全然ときめいてなんていないんだからっみたいなのじゃなく、自分が少女漫画のヒーローたちにときめいていて、キスできるものならしたい!と全力で思っている。下手に違う違う言ってるのよりも清々しさがあった。
そして子持ちのおばちゃんなので、悪役令嬢のツンケンした仕草ごときには全くダメージを食らわず、むしろ反抗期の娘と比べたらこのぐらい可愛いものよとなっているのが笑えすぎた。確かに時々文句つけてくるよそのお嬢ちゃんより、四六時中顔を合わせていて身内ならではの理不尽文句もつけてくる実の家族のほうが腹立つよな。
最近はときめきと遠く離れているからこそ、少女漫画世界に入るたびに楽しくなっちゃうし浮かれちゃう主人公がだんだん可愛く見えてきた。まあ、元の世界に戻ると自分の体が重たくて絶望しちゃうしね……。
終盤で国王からおもしれー女認定されて求婚されそうな雰囲気になってたのに一番笑ってしまったかもしれん。年齢的にもまあそこらへんにも刺さるやろなそりゃあな。笑う。