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「ヒロインに婚約者を取られるみたいなので、悪役令息(ヤンデレキャラ)を狙います (ビーズログ文庫)宝 小箱」主人公、お前がヒーローだ……。

ヒロインに婚約者を取られるみたいなので、悪役令息(ヤンデレキャラ)を狙います (ビーズログ文庫)宝 小箱

ヒロインに婚約者を取られるみたいなので、悪役令息(ヤンデレキャラ)を狙います (ビーズログ文庫)宝 小箱

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あらすじ

虐げられている? それなら私が愛してさしあげます! 逆溺愛ラブ!!

悪役令嬢シンシアに転生した私。
しかもヒロインは私の婚約者を狙っているらしい。
それならサクッとお別れして新しい婚約者を見つけます!
あら、悪役令息と言われたヤンデレキャラのシライヤ(公爵家の三男)、実はいいのでは? いや、かなりいい!
「私、あなたと結婚がしたい!」
悪役令嬢の愛が悪役令息を救う!? 逆シンデレラストーリー開幕!

面白かったなー! 物語的にはテンプレ&ベタではあるんだけれど、だとしても主人公が好きな子を助けるために自ら動きまくって頑張る話が好きなので楽しかった!
けど、あるあるとはいえこんな乙女ゲーあってたまるかすぎる部分はある。なろう小説世界に存在する乙女ゲー、だいたい狂いまくっててニッチ層狙いが強すぎるので同人ゲーにしてもらったほうがまだそこらへん突っ込まずに済むんですが……。

好きな子のために頑張る話は最高!

突如この世界が前世でプレイしていた乙女ーの世界だと気づき、婚約者は転生者のヒロインに取られそうになっているのでさっさと婚約破棄した主人公・シンシア。そんな彼女が偶然出会った、ゲーム内ではヤンデレ悪役令息であるシライヤ。少しずつ会話していくうちに心通わせた二人は、シンシアの両親にも認められて婚約ということになったが、シライヤの毒親に阻まれる。という物語。

このシライヤが、今までろくに愛情を注がれず生きてたために、初めてまともに存在を認識して会話してくれたシンシアに心開いていき懐いていく流れは王道かつあるあるではあるんだけれども、だからこそそれは好きになっちゃうよね、と理解してしまう。
同時に、馬鹿な婚約者とは婚約破棄されたばっかりだったシンシアが、話していて心地よい相手であるシライヤと出会って嬉しくて距離詰めちゃうのもわかる。
シライヤがシンシアに徐々に懐いていくさまは、人馴れしてない子犬がどこまで人間に近づいて良いのかわかってないみたいで読んでてにやにやしたし、シンシアがほかの雑モブ当て馬に色々言われて庇う様は、ヤンデレっていうより母犬を庇おうとする子犬のようにも見えて微笑ましい。

全体的にシライヤがシンシアを好きなのは、恋愛感情もあるだろうけれども、初めて自分に愛情もって接してくれた人への憧れや執着という印象のほうが強いんだよね。でも、読んでくうちにまあこれはそうなってもしゃあねえなのほうが強くなっていくのが面白い。

物語中盤、シライヤは毒親により実家に監禁されてしまい、シンシアはシライヤの不出来の兄との婚約を進められかける。そんな状況でも伝手とコネを利用しつつ自らの頭脳でシライヤを救出し、自宅へ連れてきて介抱し、虐待されていたシライヤを助け出して親にざまあを食らわせるシンシア。シンシア、もうお前がヒーローだよ。ヒロインはどう見たってシライヤだよ。

ざまぁ物への不満感が出てこない

わたしがざまぁ物好きじゃないのって、ざまぁを主人公以外がやってくれるか、ざまぁ対象がかなりの馬鹿なのに今まで大人しく主人公が虐げられているのって何なの? となる部分なんだよね。そこのあたりが整合性がつかないと「なんで?」となっちゃう。
主人公以外がざまぁを行うと「主人公が機転を利かせ物事を解決しろよ! 主人公が動けよ!」と思ってしまうし、そもそもそんな因果応報攻撃をできるような主人公が今まで大人しく虐げられていたのはなんでだよって突っ込んじゃう。
対してこの話、主人公が機転を利かせてヒーローの親にざまぁしていくパターンだからめっちゃ好き。もともと手持ちの圧倒的暴力とかでもなく、手持ちの武器を組み合わせてパターン。やっぱこういうのよ。やっぱこういうのが良いのよ。

シンシアのおかげで徐々に癒やされていくシライヤも、すごく……お前がヒロインです……になっていて面白くなっちゃった。

ついでに言えば、こういう場合にざまぁ対象になりやすい婚約者とその浮気相手に関しては、シンシアが前世の記憶を思い出したタイミングで「あ、こいつもうどうでもいいや」になっていたのも良かった。
おかげで「なんでこんなやつにいつまでも良いようにされていたわけ?」のツッコミが出てこない。前世を思い出す前と後のシンシアは、婚約者周りに関してはほぼほぼ別人なので。

まあその分、このシンシアって元のシンシアの人格を乗っ取ったんじゃないかというツッコミは発生するものの、この話、人格がかなり融合してるのかなんなのか……そのあたりよくわからない感じに濁してあるのが上手いな。
前世の記憶によると~みたいな語りや前世の思考について長々語られると前世人格にこのキャラの人格が乗っ取られた感が発生しちゃうんだけど、この話は前世人格について語られるのがほぼないため、乗っ取られた感無く物語が進んでいく。

この原作乙女ゲーソシャゲ、制作陣がどっかおかしい

この話、他のラノベの感想でも言ったなー! ラノベをそれなりの形にするためなのはわかるとはいえ、結果的に作中の原作ゲームが商業売上を完全無視して作られたものか、もしくは自分の趣味を叶えるために作られた相当ニッチ向け同人ゲーになってるの、どうかと思う。ソシャゲってことはこのゲームはある程度集金するつもりあったんでしょ? あったの? あったのにこんなシナリオなの?

基本的に物語開始時にルート選択をするため、途中から別ルートに行くことは出来ないし、イベントも発生しない
↑いやそれガチャの集金考えるとかなりの悪手じゃない? ある程度ルートのフラグはありつつ複数キャラを動けるようにしたほうが集金しやすくない?

学力がなければ特定のキャラのルートに入れず、学力が必要なキャラルートに入るためには別ルートのヤンデレキャラから勉強ノートをもらうのが最も早い
↑あれ、別ルートのイベントは発生しないんじゃ?このノートもらうイベントだけは別なのか?

殆どの攻略対象に婚約者などがいて、そいつらが邪魔してくる
↑だからそんな寝取られに興奮するやつしかいないゲーム、どこの誰がやるんだよ。ニッチにも程があるだろうが。はめフラだって実際にゲーム化したらそういうゲームじゃなくなっただろうが。

あとはゲーム内では明かされないだろうがこの作中で明かされた出来事で、王子は婚約者と不仲でそこに現れたヒロインの笑顔に癒やされてヒロインとくっつくシナリオは、実は婚約者は親に王子より学力高くあれと命じられていたから頑張っていて結果的に不仲になってたものの実際は王子は婚約者を愛していて~的なのもあった。
嫌だなーそんな裏設定がある乙女ゲーム。ヒロインのポジション、略奪クソ女。

ラノベとして馬鹿ヒロインにざまぁwwwwwするために都合よくつけられた設定なのはわかるんだけど、だとしても元のゲームが破綻しまくっちゃってるの、気になる。

ヒロインに婚約者を取られるみたいなので、悪役令息(ヤンデレキャラ)を狙います (ビーズログ文庫)宝 小箱

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