バカノリハイテンポ男子高生物語
うおーなにこれおもしれえ。読みながらもうノリが馬鹿でめちゃくちゃ笑った。こういう会話が面白くノリ良くテンポよく書ける作者さんて良い。ノリよくテンポよく、高校生ぐらいの時期の超お馬鹿な会話が書かれてて最高。
こういうのって先生はまともなのかなと思いきや、初っ端から校長・教頭含めてどうしようもない馬鹿で楽しすぎる。こういうの弱い。ダメ。
主人公(と愉快な仲間たち)の、ミスコンでどうやったら優勝できるか? 会議がほんとアホでなおかつ面白すぎてだめ。
【Q、人気アイドルに必要な要素は何か? A、容姿、パフォーマンス力、バックボーン】
(中略)
【バックボーン=物語、背景、人となり、箔。
極端だけどたとえば、『歌、ダンスが抜群にうまくて絶世の美少女だけど赤の他人』と『歌、ダンス、容姿はそこそこだけれど知り合いの少女』……応援したくなるのはどっち?】
「ふむ。なるほど。知り合いの女の子のほうを応援したくなるな」とエド。
【アイドルはダンサーではないし、歌手でもないし、美少女を指す言葉ですらない。アイドルとは、何かしらの魅力をもって人を惹きつける存在。そして惹きつけるための武器は何でもよく、最も効果的であると思われるのは、バックボーン】
「フィア! 確かにプロレスも同じだ! 選手にバックボーンがあるからこそ面白い!」
「んー、俺くらいの圧倒的美しさを有していれば、そんな回りくどいことを考えなくてもいいんだけどな……ん哀れ! ブス哀れ!」
【つまり一茶にバックボーンをでっち上げ、それを鈴女内に広めることで支持は得られると思われる】
本気でこういう会議してる時点でめちゃくちゃおもしろいでしょ。
当然一筋縄ではいかず、主人公のミスコン優勝を阻止するために出て来る過去の因縁を持つ女やら、理由あって協力してくる女やらで面白い。
主人公がここまで頑張る理由は単に馬鹿だからかなと思ってたんだけど、徐々にちゃんと理由があったんだよと明かされていく流れも読んでて心地よかった。一応シリアスな理由もあったとしても、馬鹿高のバカ男子たち(褒め言葉)の軽いノリとアホなテンションでなんだか楽しくなってくる。一応ただのコメディじゃなくて、自分の未来を考える、どうやって生きていくか考える、楽しいとは何かというシリアスめなテーマも扱っているのに、馬鹿たちの馬鹿なノリの楽しい会話のおかげで全然シリアスじゃない、それが良い。
読んでて本当に楽しい小説だった。
主人公の愉快な仲間たちが本当に愉快で、最後に良いとこかっさらってったドルオタ・フッティーがすごく好みだったんだけど、美を追求しすぎて方向性がおかしいガガ彦もすごく好きだー。エドはそれまでちょっと影が薄くない? 一応キャラ立ては濃ゆいけど他のキャラに消されちゃってそこまで強い個性はなくない? と思ってたら、ちゃんとラストでいいとこ持ってってくれてカッコよかった。
主人公含めて味方側は良いキャラが多いなーと思う一方、敵として存在する静の性悪さと後味の悪さがなんとも。芽衣に告げたことがもし本当の部分も含まれているのだったらある意味彼女も過去の主人公と近い立場の人間で、そんな彼女に一片の救いもなしで良いのか? とちょっと思ってしまった。しかし事前にやってたことを考えるとざまあwwwwwという気もしてしまうからなあ。人間数人人生狂わしておいてこの程度でとも思うけれども、うーん。
読んでてすごく気が晴れたし特格面白かった。
ていうか今ブログ記事を書いていて気付いたけれど、これ表紙に一応ヒロインである芽衣がいないのかw ドセン主人公(女装バージョン)かw そういうとこ含めてすごいツボった。