「ミニチュア緒花は毒がある。」毒舌少女を褒めて褒めて照れさせろ!
あらすじ
とある事件で友達ゼロの俺が入部させられたのは、変人の巣窟「きょうがく部」。こんな部にいたら、さらに友達作りとは無縁になる、と焦る俺だったが――
「好きです、俺と付き合ってください」
「い、いい、いきなりなに言ってんの、会ってすぐ発情とかあんた下半身に脳みそついてるわけ――!?」
目つきも言葉も凶悪な、毒舌美少女、“ミニチュア毒花”こと毒嶋緒花と出会った瞬間、俺は雷に撃たれていた。
愛のささやきVS罵詈雑言。照れさせるか、心をへし折るか――。
これは、一目惚れした毒舌少女を、全身全霊をかけて、照れさせ、恋に落とす戦いの記録である。
毒舌少女が照れまくるのが読みたい人には超おすすめ。いやこれは良い。これは良いラブコメ。
口が悪くて性格もきつい少女が真正面からの口説きにひたすら負け続けるってシチュエーション。
もーほんと可愛いんだわ。相手を罵倒するのが趣味みたいな、どこからその語彙出てくるの? な子が、可愛い可愛い言われるのに照れ倒す。しかも言ってる相手は嫌がらせや照れさせたいから言っているわけじゃない。本心から、心の底から彼女を可愛いと思っているのでひたすら言う。何度だって言う。いくら罵倒されたって今日会える事自体が嬉しい。なんだこの暖簾に腕押し状態バトル。
あの手この手でヒロインを照れさせる主人公が見てて楽しいのね。
次第に照れさせる発言に慣れてきたと思ったら、その慣れてる状況こそが恥ずかしいと他人を巻き込んだ状況で思わせるの、上級テクすぎて唸ってしまった。そんなんありかい。いろんな意味で強すぎるわ。
ラブコメとしても、二人がいちゃいちゃ(片方は全力拒否だけどどう見ても陥落済み)しているのを周囲が面白いものを見るように微笑ましく見守っているのって良いな。かわいい。頑張れ。
それ以外のキャラクターも全体的に魅力的で良かった。
きょうがく部部員のメンバーたちが全員キャラが強くて魅力的だし、主人公の過去に言ってたあれこれが最後に合わさる展開も良かった。
個人的に最後の告白はあんまりノリきれなかったんだけど、これは舞台を見てても最後の最後で自分の感情ぶつけ合い大会は必ず冷めちゃう性格なので単純にnot for meだったという話でしかない。
前半で照れさせラブコメ、後半でシリアス展開の流れも面白くて良かった。
ヒロインが照れて照れて罵倒を投げつけてくるのに、いくら言われても全く気にせえずむしろ前向きに取って笑顔の主人公が強すぎた。