幸せ二世帯同居計画 ~妖精さんのお話~ (電撃文庫)五十嵐 雄策
あらすじ
「“妖精さん”はいつでもお前の味方なんだよ!」 同居から始まる物語!
とある事情により家を失って公園でサバイバル生活を送っていた俺たち兄妹は、近所で発見した空き家にこっそり移住することに。でも実はそこには同級生の女の子がたった一人で生活していて!?
「まさか……まさか、“妖精さん”!?」
そしてなぜか彼女から“妖精さん”と勘違いされた俺たちは、彼女から隠れたまま奇妙な同居生活を始めることになったんだ。
やがて一緒に暮らすうちに、彼女が抱える悩みを知った俺は――。
五十嵐雄策が贈る、新しい“家族”のハートフルストーリー開幕!
作者と感覚が合わない本は読むのがきつい
現代ものだろうとファンタジーだろうと、ある程度ここのラインが合わないと読むのはきついなというものがあるのだけれども、まさにそれだった。
兄妹で住んでいたアパートが火事で消失し、全財産も焼け、貯金もほぼ家においていた←まだ理解できる
だから偶然見つけた人の住んでい無さそうな家にこっそりと潜り込む←理解できなくもない
そこに同級生が住んでいた←ラノベだしね
だが、特に何も言わずこっそり住み続ける←普通に無理だし倫理観ないの?
勝手に人の家の珈琲などを飲んだりカップスープなどを作って飲んだりする←倫理観ないの?
夜中にこっそり飲もうと作った珈琲を同級生が見つけ、妖精さんが作ってくれたのだと思って嬉しげに飲む←危機感と常識がないの?
もうツッコミどころ満載で、序盤から読んでいて疲れてしまった。
別にこれはラノベだしフィクションなんだからそんな細かいとこいちいち突っ込まなくていいだろとは思うんだけど、だとしてもここまでだとあまりにガバすぎやしないか。クラスメイトの着替えを見てしまうような環境で、畳の上で寝たいからという理由だけで住み続けるのは倫理観的にやばくないか。大丈夫なのかこれ。
これがもっとそうそうに同級生にバレてからの同居だったらまだ納得できたし理解も出来たんだけど、知らないうちに家に人が数週間もの間住み着いて勝手に飯作って食ってるというのが怖いしキモいし嫌すぎた。ドン引きした。
倫理的にやばいのといえば殺人描写が描かれているラノベだとかもあるだろうに、そういうのよりもこういう若干身近さがあるこちらのほうにドン引きした。
そして、更にもうひとり少女が勝手に住み着いているのを発見し、その子を家主に言わずに勝手に住ませているあたりもう倫理……倫理ってなに……となってしまった。
なんかもうひたすら倫理観と常識とセーフのラインが作者と違うんだなと思ってしまった本だった。