ネットと現実をつなぎ合わせ、異色のホストが事件解決「ブラックスローン インディゴの夜 (集英社文庫)」加藤 実秋

★★★★☆,集英社文庫お仕事,ミステリー,現代

あらすじ

個性的なホストたちが人気を集める渋谷のホストクラブ「club indigo」。常連客の真千子が殺され、指名されていたホスト・DJ本気が疑われる。オーナーの晶とホストたちが事件を追ううち、ネット上に「もう一つのindigo」が存在し、真千子がそこを運営していたことが分かる。ネットとリアルの両方から犯人探しを進める晶たちだが…。大人気シリーズ最新作が文庫オリジナルで登場!

ネットと現実をつなぎ合わせ、異色のホストが事件を解決

あれっ、前は東京創元社から出てなかったっけ。ミステリーフロンティアで出てた記憶があるんだけどいつの間にレーベルどころか出版社も変わってんだ。
東京創元社って集英社の子会社かなにかだっけ? と確認してみたけれども特にそういうことはなく。屍人荘の殺人がジャンプ+で連載してるので出版社同士の仲は特段悪くないんだろうが、何が起きてるんだ。

とかなんとか思いつつ。
多分読むのは10年ぶりぐらい? と読書メーターを確認したら、前の巻であるDカラーバケーションが東京創元社時代に2010/04/23のタイムスタンプで読了してたから9年ぶりだった。そんなに読んでなかったのか。
それだけ読んでなくとも忘れられないぐらいにキャラが濃ゆい。

 

今回メインを務めるホストは、オタク系ホストのDJ本気。本気と書いてマジと読む。
彼についていた客である女性が殺される。それについて調べていくと、今度はネット上にクラブインディゴが出来ていて、という物語。

ネットに強いDJ本気の活躍、地味なところからちまちま始まって読んでいて面白かったー!
どらほー!は絶対どらほーだろとおもっていたらマジでどらほーでウケてしまった。

そういうことに全く疎い晶さんたちなどによる、こんなネット上のアバターに金かけてなんの意味があるのだのが聞いていて耳が痛い。
意味はあるんですよ! 美味しいものを食べても胃袋に消えて排出されるだけだが美味しいという意味があるように! 一瞬の楽しみという意味があるんですよ!(艦これ課金マン)

バーチャルインディゴが作られてるサービスの社長さんがいい味出してる。
こういう人ベンチャー系の社長さんでいるよね。わかるわかる。笑ってしまった。こういう不思議なノリの人いるよね……。

今回はオタク的な内容に関わるのが多く、テニプリパロっぽい卓球の皇子様のコスプレなど読んでいてちょっとくすっと笑ってしまった。

 

ネットからリアルへ、リアルからネットへと情報を受け渡しし、犯人を追い詰めていく流れが面白かった。
最後の最後、ネット上でインディゴをやっていたホストたちの集合最高。ネットだからこそ男女すらわからない状態、そんな中で出会っていた人たちの本当の姿って見たいか見たくないか微妙なとこだけど、これは見れて面白かったパターンかも。ウェブ上憂夜さんがリアルだと元ヅカ男役なの最高です。解釈一致。

 

それにしても懐かしいなー。ドラマも見てたんだよね。その前から原作を知っていて読んでいたのでドラマ化したときは驚いたし、何より中身が全くもって違うのに本当に……本当に驚いた……。空也お前誰だ(アニだよ)。
キャスト的にはすごい好きだけど脚本的にはそれ違うだろ!となる謎ドラマだった。いやホント晶さんのキャラ違いがすごくて未だに受け入れられてないけど特撮的には最高でした。

 


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