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仕事帰り、独身の美人上司に頼まれて (角川スニーカー文庫)望 公太

仕事帰り、独身の美人上司に頼まれて (角川スニーカー文庫)望 公太

仕事帰り、独身の美人上司に頼まれて (角川スニーカー文庫)望 公太

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あらすじ

クールな美人上司から――仕事以外の頼みごと!?

「お願い……。私のこと、抱いてほしい」
若手社員の実沢春彦は、会社で『女帝』と恐れられる厳格な上司・桃生結子から、飲み会帰りホテルへと誘われた。
戸惑う実沢に、彼女は恥じらいながらお願いする――
「私と……子作りだけしてくれないかしら?」
誰にも言えない、恋愛なしの男女の関係が始まる。
「こ、こらっ……。会社では普通にしてなさい!」
女上司が俺にだけ見せる顔。好きになってはならないルール。
それなのに俺達は徐々に惹かれ合い――
美人上司と部下、禁断と背徳の大人ラブコメ開幕!

シリーズ: 仕事帰り、独身の美人上司に頼まれて

尊敬みたいな感情が恋になっていくさまを描いていくのうますぎる~~~望公太先生のラブコメ、本当に良いよ~~好き。そしてまた年上アラサーヒロインがJKコスしてる……。

ちなみに結構攻めたタイトルだし内容はそういう内容ではあるんですが、直接的な行為シーンはまるでないです。最近は挿入もあるラノベもあるので覚悟決めて読んでたけれど、ぬるっと飛ばされて拍子抜けした。

尊敬できる美人の上司は好きですか?

という問いに、恋愛感情で好きとは言えない心理状態のまま、結婚はしたくないが子作りに協力してほしいと頼まれた主人公がそういうことをすることから始まるお話。

主人公が上司を人として尊敬しまくっているのが全力で伝わってくるのがすごく好きなんですよね。他の人が上司について女帝だのなんだのと言っていてもそういう悪口には乗らない。仕事が出来る人だとフォローすることだってある。地の文での感情でも、主人公がことあるごとに彼女の気高さやしごでき感、仕事に対しての真摯な姿勢を尊敬しているさまがわかる。
そんな人が自分の前で女を見せてくるの、そんなん……そんなんキちゃうじゃないですか! わかるよ! 仕事のときはキリッとした人ほどプライベート部分で女を出してきたらキちゃうよ! わかるよ! わかる!

上司が「主人公が拒否ったら他の人に頼む」と告げたときの他の人に行かれたくないという感情を安易に恋としていないところが好き。抱こうとした女がほかの相手にとられる独占欲かもしれない、支配欲かもしれない。まだ恋愛未満の感情として処理していて、恋愛だとは認識してない。
それが最後の最後で恋になった瞬間がもうめっちゃ輝いていてヤバかった。わかる、わかる、わかるよ!!

人間的に尊敬している人が、自分個人を認めてくれていた。自分という人格を認めて選んでくれた。そんなの、尊敬から一気に恋になったっておかしくない。
しかも自分がずっと思い悩んでいる部分を救ってくれた。そんなん絶対恋になりますわ。最高。

ヒロインの格好良さと可愛らしさの塩梅が最高

そしてまたヒロインである上司が、仕事中は女帝と呼ばれるほどキリッとした人なのに、プライベートはちょっと抜けているという適度な可愛さがあるのが本当に良いんだよなあ……。
主人公が家に行ったら人間味がない綺麗さだったけれどもハウスクリーニングのレシートが落ちているとか、友達と喋ってるときはちょい抜けてる雰囲気だとか。
こういうのって仕事中しか知らないと絶対に見ることが出来ない部分じゃないですか。そういう部分を知っていくほどに相手についての知識が深まっていき、結果的に徐々に恋も深まっていく。うーん最高。そういうの大好きです。

ところでこないだ年カノ読んだばっかりなので、上司が落ち込んでいる主人公のためにJKコスプレをしたシーンまたかよって笑っちゃった。
ここで主人公がノってくれればまだ良いのだが、主人公が「うわぁ……アラサーがJKコスプレしてるなぁ……」というノリなのが辛い。まあそこで下手に「すっごく似合う! 全然アラサーに見えない!」と初手で言うよりは誠実……かもしれない……。

辱めを受けるヒロインがなんらかのヘキなんだろうか。自分的にもイケるかも!というノリで着てみたものの、アラサーが無理してJKコスプレしているという事実に相手が若干引いているというシーンが好きなんだろうか。流石にこないだ年カノ読んだばっかりだとそんなこと思っちゃうじゃん!!

実際アラサーが女子高生のコスプレしたところで、そこにいるのはどう頑張っても女子高生コスプレをしたアラサーだもんな。そんなところで現実を見せてくるのをやめてほしい。やめろぉ!

でも年カノと違って年齢差も少ないし(9歳?10歳?差)、どちらも社会人なので若干の安心感はありますね。上司と部下というあたりでいささかのパワハラの匂いは感じないわけじゃない、というか誰かにバレたらこれ上司側からのパワハラと認識される可能性が全然あるんだよな。女帝呼ばわりされているような人だから、そういうことをしかねない人として認識されているだろうし。

アラサーという年齢をうまくつかった物語

ところでこのアラサーというネタは、別にJKコスプレをさせて辱めるために使われているだけじゃない。
アラサー上司は子供がほしい。自分の遺伝子を残したい。けれども35を超すと高齢出産で大変になる可能性があるから、年齢的には32という今から妊活を始めなければならない

これは、あ~わかる……とすごく納得させられてしまった。年齢制限は男女ともにやっぱりあるし、となるとこの年までにっていうリミットがどうしても存在してしまう。完全にそんなもんぶん投げて子供なんていらねえ!とやれるならまだいいが、遺伝子を残したいと明確に思っている人が目の前にリミットが見えてきたら、そりゃあ手を出すかもしれないよなぁ……。

性別が同じだからこそ、年齢制限というものの生々しさと年齢というものへ抗うことが出来ない現実にぐぅ……とうめき声をあげちゃった。

爆発力は低め

ヒロインの設定は年齢的に突飛だけれども、小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎているみたいな最後の爆発力はなかったな、という印象。主人公の心のやわらかいところに刺さったトゲを抜いて大丈夫だよと告げる物語といった感じだったので。

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houchi.work


とはいえ、男性機能が使えなくなる!→トラウマ解消で復活!というのはある意味この話でしか使えないネタかもしんない。そのネタほかにやれそうなのって成人向け小説かなとは思うんだけど、成人向け小説で勃たないのは大問題だしな……。

総じて、この先どうなっていくのかは気になるなって感じの話だった。

仕事帰り、独身の美人上司に頼まれて (角川スニーカー文庫)望 公太

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