講談社ラノベ文庫

幼馴染ラブコメ×ホラー ツンデレの幼馴染が言うことを主人公が全て言葉通りにとってしまい、なおかつ理性も強いために進まない幼馴染ラブコメ。ツンデレで金髪で主人公大好きで暴力はふるわない幼馴染ヒロインが好きな人にはとってもおすすめ。 おすすめなんだけど、物語には二人の関係の起爆剤として転校生の少女が出てくる。彼女は主人公に対し幼馴染との恋を協力すると告げ、相談にも乗ってくれる。乗ってくれるんだけどこの転校生が何考えてんのかわからず、ホラーを読んでいるときのような不安感がずっとあった。 「紳士的になるって、具体的にはどうすればいいんだ？」 「褒め上手になりましょう」 「それって、たとえば萌々花の前で、麗奈の服装とか髪型を褒めればいいのか？」「はい。すると桜木さんは思うはずです。『悠馬って女の子を喜ばせるのが上手なのね。あたしもデートしてみたいわ』と」 思わねえよ。 幼馴染から主人公への恋心を転校生も認識できていないとはいえ、思わねえよ。良くて主人公は転校生が好きなのかな……だよ。大丈夫か。大丈夫じゃない……。 何が怖いって、最初っから最後まで転校生はほぼずっとこのノリを続けてるのが怖い。主人公目線と幼馴染目線はあるから二人が互いに大好きなのはわかるけど、この転校生目線はないので彼女は二人を本当にくっつけようとしているのかそれとも本当は相談を受けつつ主人公を奪うつもりなのかなにもわからん。こわい。ホラーの何が起きるかわからない怖さそのまんま。彼女が何を考えているかわからないからものすごく怖い。いつ豹変して幼馴染に舌を出すかと恐怖しながら読んでいた。出さなかった……良かった……。 主人公と幼馴染の関係性はすごく良くて、幼馴染が主人公に可愛いって言ってほしくて童貞を殺すセーターを着て現れたときも、ここでエロい目で見たら絶対に嫌がられる！と主人公は必死で煩悩を殺し、幼馴染はこんな格好してるのに全然そういう目で見てくれないってことは異性として見てくれないの！？とショックを受けている。おもに主人公の理性が強靭がゆえに、また互いに嫌われたくないと思うが故にギリギリの一歩に踏み切れないというじれったさがすっごく良かった。 幼馴染のツンデレすぎる発言も、主人公が必死でスルーしてなきゃもうお前とっくにｴﾝﾀﾞｰｰｰｰｰだぞ！？と言いたくなるような空気であーーーーもう甘酸っぱい！ かわいい！だからこそ何を考えているかわからない転校生の動きで、もしかして二人のこの関係が崩れるのでは？と恐怖していた。 なんなんだろうこれ……ホラーじゃないんだよね……？

講談社ラノベ文庫

「幼なじみは負けフラグって本当ですか?2 (講談社ラノベ文庫)」

「幼なじみは負けフラグって本当ですか? (講談社ラノベ文庫)