「オイディプスの檻 犯罪心理分析班 (富士見L文庫) 佐藤 青南」

★★★☆☆,富士見L文庫お仕事,上司部下,現代

あらすじ


新カバーで再登場!新米刑事と天才プロファイラーが迫る女子高生失踪事件!





高級住宅街で女子高生が失踪した。
新米刑事・八木小春は、モデルケースとして捜査に参加したプロファイラーの土岐田と捜査するうちに、これが営利誘拐ではなく連続殺人事件の可能性に気づく。
土岐田のプロファイリングで浮上した多数の容疑者と被害者候補。
彼女たちはなぜ失踪したのか。
捜査本部の応援もない小春らが、孤軍奮闘の末にたどり着いたあまりにも衝撃的な結末、そして土岐田が捜査協力した意外な目的とは?





犯罪心理分析班、始動!
手に汗握る、一気読み必至のどんでん返しミステリー!!


サイコパスと発達障害とサイコパスとともに事件解決

キャラが濃ゆいな!

主人公である警察官がとある女性失踪事件でペアを組まされたのはプロファイラーの男。しかし彼は余計なことを言うやら人の心がわからないやら大変な難物。更に彼と関係があると思われるハッカーなどが現れて、主人公の周囲がどんどんカオスになっていく。

関係者事情聴取の際にプロファイラーがあんまりにも余計なことを言い過ぎて、こいつ今までどうやって生きてきたんだろう?とちょっとイライラしてたんだけど、中盤で発達障害だと言われてやっとなんとなく納得した。

小説だと空気の読めない奇人変人がいたるところから湧いてくるけれど(たいてい奇人とくまされる一般人主人公というペア)、ああいう人達現代ものだとどうやって今まで生きてきたんだろう?と思ってしまうんだよね。それに対して理由がつけられたことで少し納得が出来た気がした。そのシーンまで読みながらプロファイラーの発言にいちいちイライラしていたのだけれども、そこの台詞があったおかげで理由がついたために納得した。
実際に発達障害がある人が皆空気を読めないだとかここまで言って良いことと悪いことを理解できないと思っているわけではなく、理由の説明があることで腑に落ちたというか。それ以降はプロファイラーへのイラつきがなくなった。

とはいえプロファイラーはの空気が読めない設定は、創作人物によくいるガチの空気読めない言って良いことと悪いことがわからない人という以上の特徴はなく、しかもそのおかげでなにか良いイベントが発生するわけでもなく、空気を読まずになにか言ってうまいこと証拠を得るわけでもなく、ひたすら空気が読めないというだけだった。
プロファイラーとしての能力は高いんだけど、別に空気が読めない設定いらないんじゃないのかなこれ。

サイコパス二人はサイコパスなおかげで出番というか見せ場というか、一切躊躇せずに殺人現場と思われる場所に脚を踏み入れたし、主人公を利用して事件を一件解決へと導いた。
サイコパス二人がサイコパスという設定ならではの動きをしたのに対して、プロファイラーはそういった箇所が無かったのが残念。

ただ物語自体はサイコパスできれいにまとまっていて、トリックにも見事引っ掛けられたし面白かった。

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