子供がここまで変貌したらもっと疑問を持て「白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます やしろ」
あらすじ
腐敗した大国・麒凰。
その片隅で暮らす、不仲な両親に見放された肥満児(五歳)――伯爵家長男・鳳蝶(あげは)に生えたのは、日本人としての前世の記憶だった。
そんなある日、腹違いの弟・レグルスに出逢い、成長した彼に爵位継承権を巡り殺されると知ってしまう。
未来を受け入れた鳳蝶は、実母を亡くした幼い弟を放ってもおけず育てることに。
布絵本を手作りしたり、茶わん蒸しを開発したり、前世で得意だった裁縫と料理をフル活用!
キラキラふわふわで純真無垢なレグルスに懐かれ……気づけばすっかり親(兄)バカに!
少しでも豊かな地を譲り渡すため、時に神々をも巻き込みながら、一歩一歩改革を進めていくのだった。
「レグルスくん……お腹、もちもちしないで」「にぃに、だいしゅき!」。
幼き兄弟の領地経営ファンタジー!
子供がここまで変貌したらもっと疑問を持て
兄弟のやわらかな関係性がとてもかわいい。
弟であるレグルスは、兄である主人公にすぐ懐いてお腹をぽよんぽよんして遊んだりととても楽しそう。その好意に主人公も応じ、たっぷりと惜しみなく愛情を注いでいる。
という兄弟のシーンは愛し愛されでとても可愛いんだけど、気になったのは主人公が「熱が出て前世の記憶が戻りその頃の意識と転生後の意識が混ざって現在の人格となった」のあたり。
今まではめちゃくちゃ性格悪くて自分が!自分が!で大暴れしていた子が、突然聞き分けよくてサラリーマンみたいな口調になったら普通もっと驚くだろ!?驚いて受け入れられないだろ!?おかしいと思うだろ!?
周囲の人間がおかしいとは思いつつもそれ以上は深く掘らずに終わっているのが本当に気になるんだよ。子供がここまで変貌したらもっと疑問を持て。
あと主人公が前世能力でチートしすぎ。
5才児が良い年した料理人をうまく誘導して茶碗蒸しを作らせる下りを読んでいて、いや……こんな誘導尋問を5才児がしてきたらものすごく怖いし気味が悪いわ……と思った。
外見は5才児である、と思うとかなり怖いシーンだよ。全体的に。
主人公が努力するのではなく、持っている能力をどう采配するかの物語なので、個人的にはあんまりおもしろくなかった。