「死神令嬢と死にたがりの魔法使い」自分の自己中さや我儘を自覚し、誰もそれを庇い立てしない主人公は良いものだ

★★★☆☆

あらすじ

「令嬢クシェルは婚約者に不幸を運ぶ『死神令嬢』である」三回婚約して、すべて婚約者が別々の理由で死亡してしまったクシェル。結婚をあきらめたその矢先、王宮からの命令で伝説の魔法使いに嫁ぐことに……!?

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こんな人におすすめ
  • 不老不死の人間と中身は普通の少女の恋愛が見たい人

婚約した相手が3人連続ことごとく死んだ少女が、300年生きてる不老不死の死にたがり魔法使いと結婚し、徐々に仲良くなっていくお話。

すごく良いっていうわけじゃないんだけどふわっと面白かった。
主人公は、魔法使いが自分を望んだのは死神扱いされているからだと知っている。魔法使いは彼女のことなんて最初は全く興味もなかったのに、ほんのちょっとのことから徐々に彼女は大事になっていき、最終的には彼女を愛するようになる。
どちらも打算からはじまった恋愛だと言うのに、それを理由にしたすれ違いがほぼ無いのも個人的にものすごく良かった。あれ読んでてだるいよね……。
相手の認識をきちんと確認し、勘違いなどはせずにいるのがすごく良い。

すれ違いを元にした大きな事件もなく、言ってしまえばすごく地味。どちらかが相手に対して楯突いて険悪になってキャンキャン叫ぶこともない。静かでおとなしい恋愛という雰囲気で良かった。

どちらも深く相手に踏み込むたちではなく、けれども相手が悲しんでいたり傷ついていたら気にする。そのぐらいの距離感の二人が、相手の好きなことをやるようにしてみたり、相手が何を喜ぶか考えてみたり、そんな些細なことから近づいていくのがすごく良い。

元はぬいぐるみなマスコットくんもすごく可愛いー! きっとメインカップル2人だけでは非常に気まずくなっただろう序盤を和ませまくってくれていた。
魔法使いもぬいぐるみくんに絵本などを買ってくれていたことや何が好きだかちゃんと理解していたことといい、誰かを愛しているんだよなと端々からわかってほのぼのした。

ていうか面白いと思ったら、前に読んで楽しかったこの本と同じ作者さんなんだね。

納得。雰囲気は全然違うけど、これもラブコメとしてすごく面白かった。

ネタバレ。

主人公が結婚を決めた理由がすごく良かった!!

自分が婚約した相手だから死ぬ、というのは信じていないし偶然だと思っている。けれども大事な大事な義妹になにかあったら絶対に嫌だ。だから彼女にもしものことがあったら嫌だから結婚して家を出たい。
その感情を我儘だと自覚していて、結婚相手をある意味犠牲にすることだと理解していて、それでいて結婚を選ぶ主人公の精神がめっっちゃ好き。
自覚した我儘とか、自覚した自己中とか、その上でなされる行為にすっごく弱いんだよな……。これは最近読んだ本がニコポ以前の同じ屋敷で働いている使用人が全員物語開始時には好感度150%で片っ端からヤンデレてくるのに辟易したのもあるかもしれない。

また、魔法使いの呪いを解くための方法と、それに対しての主人公の返しも最高。
魔術師を生に縛り付ける代わりに、自分が死ぬときにちゃんとその手で殺してもらって一緒に死のう。これもかなりの自己中心的な発言だと思うしやり方だと思う。けれど主人公はそのどれもを理解した上で相手へ提案し、そうしようと懇願している。

そういう理解した上での自己中さがものすごく良い話だった。

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