「竜王サマ、この結婚はなかったことにしてください!」周りに『良い人』が誰もいない物語

★★★★☆

あらすじ

交際0日で結婚!? この求愛攻撃やばすぎる! 怒涛の求婚回避ラブコメ

「君に私の白衣を着てほしい」と脱ぎたてほやほやを渡された私――ティナは、幼い頃竜に命を救われた経験がある。
以来幻獣にハマり、その道の第一人者であるヴィルヘルム博士の研究所に入って憧れの人とご対面……と思いきや、なんで白衣!?
しかも「結婚式はいつにする?」と怒涛の求婚攻撃!
博士のことは“尊敬”していても、“恋愛”対象ではないのですが!?

このポストは約 3 分で読めます。

こんな人におすすめ
  • どれだけ邪険にされても頑張る主人公が見たい人
  • 地位の高い人間に寵愛されたとしてもその後の立ち位置がそこまで良くなるわけではない流れが読みたい人
  • 都合の良い『良い人』がいない物語が読みたい人

誰も彼もが自分のことしか考えてない

面白かったー!
本当に、誰も彼もが自分のことしか考えておらず、主人公のためというのをまったくもって考えていない話だった。超面白かった。下手にみんなが主人公を想って私欲をなげうってためになる行動をしてくれるよりも、このぐらいの話のほうが好き。

主人公は幼い頃からの竜の憧れを持って幻獣研究所に就職したものの、周囲からの扱いはなぜか大変悪く、ほとんど下働きのような雑用ばかりを任せられている。隣室に住んでいる友人に時々愚痴ったりしつつ、糖分摂取でなんとか現状をしのいでいる。
そんなある日、憧れの相手である研究所のトップの博士と顔を合わせる。彼はなぜか主人公を幼い頃から知っているらしい。彼の口添えのおかげで周囲の人々も主人公を色眼鏡ではなく彼女自身の頑張りを見るようになってくれたものの、今度は実家の兄(血はつながっていない)から突拍子もない事を言われ――という物語。

この中に出てくる誰一人として主人公の意思を見ていないのが、ここまでくるといっそ清々しいぐらいで面白かった。
友人は自分の好きな相手のことしか見てない。義兄は自分のアクセサリーと求める立場のためのアイテムとしてしか主人公を見ていない。博士は勝手に幼い頃に見出しておいてそのまんま、主人公の結婚したくないという意思に沿っているように見せかけて実は――展開で全然主人公の意思を見ていない。ついでに言えば職場の上司も私欲しか見ていない。
結果的に主人公には不都合な事件ばかりが降り注ぎ、彼女はどんどんと窮地に陥り続ける。主人公が突然のご都合以外での不憫なほうが面白いので読んでいてほんとに面白かった。

話を読んでいてもそこまで酔った文章じゃなくて主人公の可哀想可愛いとかは全然前面に出てこないのに、よくもまあここまで読んでてひでえ人間ばかりが集まるなと面白かった。
憧れの竜とともに空を飛ぶシーンすら苦痛のシーンになるの、いっそすごいでしょ。

頑張るお仕事モノ

主人公は上記の通りあんまり良くない上司についてしまい四苦八苦するんだが、それでも彼女は自分に与えられた仕事はきちんとやる。あれを買ってこい、これを買ってこいという雑用でも、ついでに自分の好きな食べ物を買う。資料をとってこいと言われた場合、普段はそうそう入れない資料室に入れるのだからと探すのに手間取るふりをして自分の読みたかった本を読む。
こういう、仕事しながらもきっちりと自分の好きなこともやる強かさが読んでいて心地よい。

とはいえザマァものでは全然なく、やらかした人のうち数人は今後ものうのうと暮らすんだろう。
でも個人的にはこのぐらいの話が読みやすかった。

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