スリル・ミーを3ペア見たので比較込の感想
スリル・ミーを4/14の1日かけて3ペア見てきた。
3ペア全体の感想と、それぞれの比較。
見てきた人
- スリル・ミーは過去に2014年公演(伊礼万里生ペア・松下小西ペア)と2018年公演(松下柿澤ペア・成河福士ペア)を見ている
- 最初に見たものを親と思う理論では親ルミーはまつこにペア
- でも2014の記憶が強いのは伊礼彼の横顔
- 怖いのは2018成河私
各ペアの感想
新納万里生ペア
伝説の初演ペア!と楽しみにして行ったら、メンタルの上げ下げがやばくてすぐ泣くし彼に触られるとすぐ恍惚の表情になる私と、私の親ルミーであるまつこにに近い、前半はロボットじみていてスリルを感じたときしか人の表情を見せないが殺人がバレてからどんどん人間味を持っていく彼というペアが見れた。
私のメンタル不安定っぷりがすごくて、こんなにも情緒不安定な私がいるの!?とびっくりしてしまった。事あるごとに泣いてない? 大丈夫?
やばいわんこの飼い主と思い込んでいたのに手を噛まれて首輪に繋がれた彼、今後因果応報ということでしっかりと一緒にいてほしい。
彼が一番私のことを愛していなさそうなイメージがある。便利で自分のいうことを聞くから使っていた彼。スタイルが良い。中二病が一番きつい。
バードウォッチング中の私に近づくときにあんまり抜き足差し足忍び足しないんだよね。気付かれないと思ってる。自分は超人だから。わかってる!のあたりのキスが一番優しくない。腰に手をやったりなどがあまりない。
留置所?だっけ?拘置所だっけ?につれてこられて私と面会させられた時も耳をなめて懐柔しようとしたりと、私が自分を性的に愛していてこういうことをすればいくらでも言うことを聞くんだろうなと思いこんでいたように思えた。
後半にかけての人間に落ちていくさまが一番あからさま。前述の通り私の親ルミーである小西彼に雰囲気が近いんだよな、このロボットが人間になっていくところが。
他ペアの彼たちがもともとロボットではなく人間に見えたからこそ、スリル感じて(上から荷物どーんのシーンで大喜びしながら笑いながら走ってるところなど)る時以外は本当に感情のないと思いこんでいる強めの中二病に見えた。だからこそ泣きわめいて死にたくないと叫ぶところが良い。映える。マジで死にたくないし、なんでこうなってるのかわからない。
死体が見つかってからの電話のシーンで、電話を受けるときに電話機を握る手がわなわなとずっと震えていた。本気で自分を超人だと思っていたからバレるなんて思っていなかったんだろうね。
「君を認めよう」は悔し紛れの色があった。
対して私はそれを込で自分を利用する彼であろうと愛していたし絶対に自分のものにしてやりたかったんだろうなと。護送車での「まだわからないの?」から人間味が失せて淡々とし始める。あそこがなんかすごく演技臭く見えて鼻についちゃった。
ひたすら感情の上下がすごい。よくなく。とてもよく泣く。ヒステリー起こしたのか?というぐらいでよく泣く。見ていてちょっと怖い。不安になる。
感情の上下が激しいので、子供を殺した直後のシーンでリュックサックを速攻でおろして自分から遠ざけるのがすごくよく分かる。怖いんだよな。
きっとこの私はメガネを落としたのは意図的だけれども、最後の最後まで彼を巻き込んでの自白をするかは悩んでた。自分だけ捕まってやる気すらあったかもしれない。
私の歌の伸びが異常。すごい綺麗に声が伸びるの。
最後に言われた「じ……ゆ、う?」の言い方からして、彼のいない自分に自由って存在するのか?ぐらいに思っている。首がぐぐーっと曲がっていくのが怖かった。護送車に載ったあたりからこの私は人間味が薄れている。
2014年の伊礼万里生ペアのときは幼馴染の二人が言い合いをしつつ道を間違えてしまった感じだったけれど、今回は小中学あたりで一緒になって、私が彼に一方的にやばい愛情を抱いたという印象があった。
松岡山崎ペア
新ペア! チケットすげえ余ってるな! と思ったら一番好みだったのでチケットをたそうとしたところもう残っていない。そうだよな。もう始まって2週間経ってるもんな。舐めててごめん。一番好き。
歌唱力や演技力はたしかんい他ペアと比べたらまだ弱いかもしれない。でも見ていて微笑ましかったし可愛かったし一番好き!と思えたというか彼がツボってしまった。こんな彼ありなの!?
私が彼をどう思っているかわからないんだけど、立ち姿的に自分を卑屈に見せようとしているように思えた。首から上を前に出すし上目遣い(これは身長が15センチ違うのもあるかも)。
彼は彼で、今までスリル・ミーを見ていて始めて『もしかして彼は私を本気で愛していたし、助けようと思っていたのかもしれない』と思った。
普段はどのスリル・ミーも私を見ているタイプのわたしが初めてほぼずっと彼を見てしまった。この彼かわいいよ! この彼初めて見るタイプの可愛さだ! なんだこれ!
バードウォッチングしている私に近づくときに抜き足差し足忍び足しつつにこにこしている。バレたって良いぐらいに思っているかもしれない。後ろから抱きつくときも嬉しそう。キスシーンでも腰に手をやったりと甘く優しい。建物を燃やした時も後ろから抱きついて頬ずりしそうな空気。接触が多いかつ優しい。この彼は私を愛している!
小屋を燃やしたときに「高校の頃みたい~」みたいな会話のあたり、きっと『私と一緒に燃やした』という思い出を持っていると思う。他の彼みたいに『燃やした』だけじゃなくて『私と一緒に』がついてるタイプの彼。なんなら殺人の道具をチェックしているときだって、頼んだものをちゃんと取ってきてくれる! ロープちょっと細いじゃんか(じゃれ合い)ぐらいの雰囲気があった。この彼は可愛い。とても可愛い。
他の彼たちと比べて感情が表に出やすく、感情の上下が大きい。にこにこしている。よく笑う。この彼は友達が多そうだし、私との関係は結構周囲に知られていそう。本当に初めて『彼は私を愛している』と思ったし、本気で自分が弁護して助けるつもりだった。この彼はすべて本気だった。
「超人の俺はおやすみ」のあとの起き上がるところで腹筋だけでぬるっと起き上がるので面白いよ。
「君を認めよう」はマジで認める気だ。嬉しい。喜んでる。
対して私の印象がちょっと薄くて……。身長差が大きかったのと、万里生私と比べて感情の上下がないのはわかるんだけど、いやあそこまで感情上下するやつはそうそういない。
あんまり私が彼を好きなのかどうかわからなかった。泣いたりしたりはするんだけど、直前に見た万里生私の愛がおもすぎたのが悪いのか、この私ってどのぐらい彼を愛してるんだろう?と何度も思った。好きだとは思うんだけど……。
すごい卑屈さがあるように見えるのは立ち姿の関係か。立っているときに首から上を前に出すようにして立つ。そのせいで妙な卑屈さが見える。きっと彼を持ち上げている。
なんとなく2018松下私を連想したのはなんでだろうな。松下私は全然卑屈さなんかないのに。
どのタイミングで犯行を思いついたのか全くわからん。
たぶんこの彼と私は幼い頃から本当に一緒にいたタイプ。
成河福士ペア
なんというか、2018年のクソやば破壊力の成河私を想像して挑んだら、全然別物が出てきてしまってあれー?という気分。事あるごとに彼の見えないところでにやにやして自分の手元に落ちてくるのを待っていた恐怖の私はどこへ行ったというのだ。化け物が人間になってしまった。
とはいえ、ちょっとした動きが結構わかりやすくて、初心者に見てほしいスリルミーって思った。私はもし自由にチケット取れる状態で初めてスリル・ミー見る人におすすめするなら成河福士ペアをおすすめする。
「嫌なら来なくてもいい」のところで私が渡したマッチを彼が振っていて、ああこれもしかして『お前が来なければお前が渡したこのマッチを使って証拠を残すぞ』の脅しも含まれているのか?と思った。
また、致した後の殺人を思いついたところで彼がネクタイを私の首に巻きつけて絞殺するぞと見せていて、ああこのペアわかりやすいな!?と。
他にも指を切った後に私が彼にハンカチを差し出していたり、服を脱ぐタイミングが他ペアと違っていたり(ここは2018年から継続のタイミングだと思う)、致した後は他の私たちはご機嫌なのに成河私だけはあまりご機嫌ではなくいままでの気分ニュートラルぐらいになっていたりと、ちょっとした違いが面白いペア。
彼は私のことを友情よりちょっと上ぐらいで愛していたんじゃないのかな。2018成河私は彼への愛が執着だったけど、今回の私は執着よりも理性で欲しがっていたのかもしれない。
ちょうど新納彼と山崎彼の中間地点の人間具合の福士彼、なにかあっても割となんとかしてくれそう。自分は超人だと思っていたけれども同時に成河私の超人具合も理解していそう。多分この彼は私と彼の二人なら本当に殺人を偽装出来ると思っていたし、あそこまでバレたあとでもどうにかなると思っていた。その程度には本気で私も超人だと思っていた。
バードウォッチングのとこで抜き足差し足忍び足はしてるけど笑顔ではないのでバレたくないという意志はあった。「どけ」で彼の右肩に触れてたのはこの彼だけ。
福士彼のいう「お前はまるで、弁護士だ」にホントだねーー! そのとおりだよ! と思った。妙な説得力。
成河私、前回のあのくそやば怖さが消えてちゃんと人間になってしまった……という悲しさとともに、恐ろしいぐらいの演技力で殴りつけてくる。
34年後(審議委員会)のシーンでの年を重ねた演技がめちゃくちゃにうまいんだよ。彼を思い出すときが嬉しげに楽しげにくすくす笑うの。ただ懐かしいものを思い出すのではなく、過去と割り切っていそうに見えた。そう思ったのは仮釈放後の「待ってたよ」のシーンで唯一10代に戻ってしまうのではなく34年後のままだったかもしれないし、階段に縋らなかったからかもしれない。彼を過去としている。
護送車のシーンですとんと別人になる。これは成河さんの演技力の高さと演じられる人の幅の多さがすごく生きているからと思うんだけど、あの瞬間に演技臭さがなくなおかつ別人になった。今までのそこそこ泣いたり笑ったり彼にすがったりするのは全部演技だったんだな、今見せているこの姿こそが本物なんだなと思ったし、もう彼に縋らないのだろうと思った。「俺のこと見直したか?それとも怖くなった?」が、他の私は『見直した(低めの護送車以降のトーン)』と『怖くなった(甘えるように高めのトーン)』で変えてきているのに、成河私だけは護送車に乗ってからのトーンのまま喋る。雰囲気の変質と一人称が「僕」から「俺」になったことにより、今までの「私」は演技だったのだと思わされる。なにかあるたびに口がずっとわなわなと震えていた私は演技でしか無い。
相変わらず護送車の中で座ったまま迫ってくる私が恐怖だよ。そうか、2018の恐怖の私をこの一瞬だけに凝縮しているのか。
思い出してみると、殺人後の荷物を最も冷静に見ていたような気もするし、赤く染まった布をじっと見ていた。泣いたり笑ったりも感情の起伏は比較的理性で制御しているようにも見えた(万里生私がやべえとか言わない)。あれが全部私の演技だったのかもしれない。
メガネを落とそうと思ったのも今まで演技して彼を手に入れようとしていた行為のひとつでしかなく、今までいくつも現場にものを落としたりしていたのかもしれない。盗んだものを全部しまっていた、というのがなんとなくではなく全部計算ずくでなんだろうと一番思えた私。
成河さん自体の演技力がやばすぎるので、53歳シーンで本当に一瞬で年をとったように見えるんだよね……こわい……。声があの私がそのまま老けて、なおかつ昔のことを懐かしく思うかのように笑いながら喋るのがマジで怖い。正しく老けたというか。まるで昨日のことのように思い出し続ける他の私とは違い、昔話としてあの話をしている。
いやでも、彼の死にたくないーーーをにやにやきいてたお前はどこに行ったんだよ!!!!!と思ってしまった……。2018年版の成河私はわたしのなかで間違いなく恐怖の大魔王だったよ。
カテコ
ホリプロ会員回のせいか、ド平日にも関わらず4回カテコかつ3回目からスタオベ。とはいえ2回めにピアニストさんに拍手のターンがあるので2回めまでは規定内か。
実際スリル・ミー見たらスタオベもしたくなる。好きー!っていう感情なんて手を叩かないと発散できないし伝わらないし。もう1回目から手痛くなるぐらい叩きながらスタオベしたいわ。この感動とありがとうを伝えさせてくれ。最高! 楽しかった!
成福ペアで4回目?のときに前屈してたの可愛かった。成河さんのが体やわらかいのかな? 指の付け根あたりまでついてた。
1日で3ペア見た感想
12時開始、19時50分終了(カテコ・時差退場時間含む)。舞台自体は100分、合計300分。
いけるか無理かで言えば結構行ける。東京芸術劇場の椅子がそこそこ良いので腰も案外痛くない。流石に日生劇場ほど腰に優しいわけではないけれど(わたしは日生劇場と相性が良いので長時間観劇が結構楽)、連続着席時間が1時間40分なのでぎりぎり行ける。2時間だったら尻が割れてた。
列はCから。EXまでは同じ高さでそこから段差がつく。毎回恒例、入りは左側の通路を使用。
合間の食事は70分の休みの間に近くのサイゼリアなどに走って速攻食べるか、もしくは劇場と同じ建物内2階のイタリアンレストランに行くか。マッハで食え。観劇中に腹が鳴ると恥ずかしい。スリル・ミー見ると腹が空く(個人の体験談です)。
イタリアンレストランは出てくるまでゆったりしているので、食べ切れる量と時間を見極めたほうがいい。コース食いたいなら朝来な。
トイレは劇場内も回転が早い。ただ和式があるので苦手な人は注意。
劇場外の同フロアのトイレは数が少ないので中のほうがまだましかな……もしくは2階に行くとか。
雑な感想おまけ
松山ペアもう一回みたい……と思ったところでもう一枚チケットがあるので次も楽しんでくる。
スリル・ミーは既存キャストも楽しいし、俺だけの最強のスリル・ミーペアを妄想しよう!してるときも楽しい。
今は2018成河私vs新納彼の最強頂上決定戦をしてほしい気持ちでいっぱい。ぜひバトってほしいし、後半徐々に落ちていく新納彼にとても楽しげな成河私の図が見たすぎる。
また、フランケンですごく良かったので小西私柿澤彼とか、和樹私中川彼も見たすぎる。えーいろんな組み合わせが見たい……。
初代ペアの新納万里生ペアも復活したし、2018では松下柿澤ペアも復活したし、これはもう2012がラストの良知小西ペアも出てきてほしい。見てないんだけどすごく良かったって話だけ聞いてるんだよ。