私はご都合主義な解決担当の王女である 3 (ビーズログ文庫) まめちょろ

★★★★★

あらすじ

転生腐女子の結婚回避ラブコメ、準舞踏会編クライマックス!

忌々しい過去と向き合い、護衛の騎士クリフォードの制服を涙と鼻水で濡らした私――王女オクタヴィアは、気付けば反王家派の物騒な諍いに巻き込まれていた。
しかも、一緒に訪れていた兄の恋人(男)シル様が行方不明に!!
できれば関わりたくなかった(詳細は2巻で)仮面の男ルストの導きにより、シル様を捜して辿り着いた先には……!? 準舞踏会編完結!

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めっちゃ面白い最高ありがとう

今まで2巻かけて『BL小説の世界を模して構築された世界』の歪さを描いていたこのシリーズ、今度は世界の歪に伴って発生した国の歪さ、そして徐々に近づいてきたクリフォードとの関係性について描かれている。
個人的には今までの巻で一番恋愛要素うめえなと思った。ラストのイラストが最高of最高。

今回の巻、ぶっちゃけ一番読後感が良い。理由としてあげたいのは『話の区切りで終わった』ということ。
今までは1巻も2巻も「何をどう考えたらそこで区切るんだ!?」というぐらいケツの座りが悪すぎる場所で終わっていた。いやあれはないでしょ!? どこをクライマックスだと思ってんの!?
でも今回は違う。今巻は、さらわれたシル様の奪還、国の歪みを暴くといった事件をちゃんと解決し、1冊のうちにクライマックスも全部入ってる。良かったー! 読み終わってもやもやせずに済む!!! やっとだよ!!!

とはいえ国の歪みが暴かれただけで解決は一切してないし、オクタヴィアの婚活も終わってないし、今後がまだまだ期待できる内容なので続きを超待ってる。前回から今回までが1年空いてるっていうのなら1年後ぐらいかな?

世界の歪から国の歪へ

なんとなく読んでる異世界転生系だとスルーしてしまうけど、物語の世界って歪さだよね。冷静に考えたら「こんな国存在すんの無理くない?」みたいな国がBLに限らずたくさんあるわけで、その中でも割とテンプレというか、具体例と出されて「あ~ありそう……」と思うラインを描くのすごいなこの作者さん。
無理にBL世界を模したせいで起きた歪、それをどうにか世界のなかでごまかそうとしたから更に発生した歪たちをどうにかしようと足掻くの、読んでて面白い。

ここまでのおさらいなんだけど、この物語において、男性は城に来るとなんとなく男性を好きになるように性的指向が変化していく。それは構築された世界の元がBL小説だった頃の設定だ。
当然それでは子供は生まれない。どうやったって男性と女性じゃないと人類は増えない。その歪を修正するために、王都を離れると男性は女性を好きになる。そして王都へ行くと男性を好きになる。女性にこの効果は出ていない(BL小説が原作だから)。
原作となっているBL小説の設定上、王子が王位継承権がある。つまりこの世界の王族は男性が男性を好きになる可能性が高いとはいえ、王の息子に王位継承権があり(=血族で王位を継いでいる)、子供が出来る。男系ということはおそらくは初代の王も男性。女性の王は存在しない。
……じゃあ、女性の王様がいたけれども、その存在が抹消されていたら? ということなんだよね。

世界が歪むと国も歪む。そしたら歴史上におかしな箇所も存在する。
このあたりのやり方がもーーーーめちゃくちゃ面白かったね……世界観が面白い。

弟のアレクもウス王の夢を見ているあたりなにか関わりがあるっぽいし、この先どうなるか楽しみすぎる。

今回もハッタリでなんとかする主人公

主人公オクタヴィア、本当に良いキャラしてる。
精神年齢は(享年から成長してないので幼い頃からずっと)17歳前後。幼い頃は精神年齢のほうが高かったら才女扱いだったが、精神年齢が追いついてしまった今となってはそうでもない。だが幼い頃の遺産で割となんとかなってるし、その頃頭が良かったので今やってるあれこれも周囲の人たちがそれなりに良い感じに解釈してくれる。
この設定、本当にうまいわ。

個人的にハッタリ最高賞なのは空の間でハッタリかましたシーン。

「……第一王女。貴女は貴女のいるべき場所に戻るのが賢明だ」
「あなたこそ、わたくしがここにいる意味を考えるべきね。第一王女たるわたくしが、なんの備えもなしに少人数で敵地に乗り込むとでも?」
「…………」
 なんの備えもなしに少人数に乗り込んできたんだけどね!

なんかいい感じに勘違いしてくれそう! よーしこのまま勘違いを押し通しちゃえ! とハッタリ効かせる主人公、あまりに強い。
このシーンが今回の巻でトップに好きかもしれない。

オクタヴィアとクリフォードの関係

今回! めっちゃ! 進んでなかった!?

相変わらずオクタヴィアは全く意識してない感じがあるけれども、クリフォードはオクタヴィアを完全に主と認めて大事にしてるかんじすごくなかった!?

ラストシーンで、クリフォードはオクタヴィアを自らが抱えることを選ぶ。周囲の人間に言われたとおり、その状態だとクリフォードは剣を抜けない。戦闘道具を手放すこととなっても何よりもオクタヴィアを選ぶ。
あーーーーーもう……最高……。しかもその感情にオクタヴィアが全く気付いてないのがもう……。

でも、今巻はシル様誘拐事件に伴う国の歪探索編だったのであんまりオクタヴィアの「男相手に婚活すると男に奪われる!」が出なかったけど、多分オクタヴィアはまだまだそのあたり不安視してるよね。いつかオクタヴィアとクリフォードがくっつく日は来るのか。
けど今回の話の流れ的に、『主』と『従』がくっつくのはあかんくなかった? えっ大丈夫なのこれ。

BL受け主人公シル様

前述の通り今回は話の内容が内容だったのでオクタヴィアの「男相手に婚活すると~」も出なかったしそれに伴って腐女子っぽいネタも出なかったが、シル様はBL小説の受け主人公たる力は見せてくれた。

本人が意識を失うタイミングでの圧倒的強さの発現!! 自我消失暴走!!  血を見るとその状態が解除される!!
うわこいつ最高に主人公ポジだわ。こんなに設定もられたキャラがオクタヴィアと共存するには確かに作品の別視点での主人公というポジじゃないと無理だわ。設定が強いよ。

この大暴走と血を見て戦意消失気絶の流れ、読んでて笑っちゃった。ベタかよ! でもベタだからいいよね、主人公って感じで。

前世では、読んでいてちょっとテンションが落ちたくだりでもあったり。だって、ただセリウスだからって理由のほうがこう、心に刺さったよ!

わかる(わかる)。

はー本当にめちゃめちゃおもしろかったし、世界の解決もしてほしいから早く続きが読みたい。超読みたい。最高。

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