「好きな人がバレたら死ぬラブコメ 俺を好きじゃないはずの彼女が全力で惚れさせようとしてくる」設定ガバだけどとにかく好みすぎた
あらすじ
この学園では、異性とイチャイチャしてもらいます。ただし――
幼い頃、お互いに『好き』という想いを胸に秘め、離れ離れになった青山夏海と桜雨春香は『天才の養成機関』覇王学園で運命の再会をはたす。
今度こそ想いを告げようとするも新たに学園の必修科目となった〈恋愛学〉が二人の恋を阻む!
好きな人がバレたら即・退学=死! ただし〈恋愛学〉で一位になれば好きな異性と付き合うことができるとわかり――。
「俺には通じない!!」
「『好きな演技』をされたらドキドキするみたいね」
実は両想いなのに、自分以外の好きな人がいると勘違いした夏海と春香は一位を競い合うことに!?
強制的にイチャイチャさせられる学園で、命懸けの恋愛頭脳戦に挑め!
設定はガバ! まじでガバ! なんだけど、好きな子に自分に惚れてもらおうと全力で頑張るラブコメが大好きなので完全に好みにぶっ刺さった。諸々ツッコミどころはたくさんあるんだけれどもその一点で全部OK。最高。
ちなみに別に好きな人がバレても退学になるだけで生命活動は問題ない。
設定がとにかく好みにぶっ刺さった
これは単純な趣味の問題で、好きな人に惚れてもらおうとするラブコメがめっちゃくちゃに好きなんだよね……。
学校周りの設定から始まって、だいたいの設定はガバ。そんなんあるかーい!って言いたくなるものばかり。不純異性交遊は禁止してるくせに男女で寮の同室にするってどういうこっちゃ!みたいなツッコミどころは無限にある。そもそも『優秀な学校でここに入ればどんな進路も思いのまま。だからこそ学校側が生徒を選別するし、生徒も学校にいるために頑張る』という設定な学校のはずなのに、一体どこが優秀なのかすらわからない描写しかない。
やりたいことはラノベ版かぐや様は告らせたいなんだろうなっていうのは感じるんだけれども、そのために付け足した要素が全部下手くそで、まじで全然うまくいってない。物語の根底である恋愛学自体もどうなってるのかよくわかんないし、天才たちが入れる学校のはずなのにキャラが全員馬鹿っぽい。ギャグ漫画としてならギリギリ行けるラインの雑さ。
そんなガバofガバみたいな話でも、ラブコメ部分が好みだったら全部OKしてしまう。好きな子に惚れてほしくて頑張るのは最高! 好きバレしちゃいけないから好きじゃないというふりをしつつ、あまりにわかりやすく相手にべた惚れなのも最高! 相手の子も主人公にべた惚れだけれどもバレないように頑張ってるの最高!!
好きな子に好きになってもらうために動く物語は最高
好きな子に惚れてもらうために頑張る、努力する、動く、という描写がかなり好き。
主人公が数年ぶりに再会した好きな女の子。彼女と付き合うために交際権を手に入れる必要がある、そのためには恋愛学でトップを取らなければならない。そのためには他の子をドキドキさせる必要がある、という理由で好きな子にアピールしまくる。
互いに初で恋愛経験がほぼ無いからこそ、ともすれば稚拙すぎるぐらいに稚拙で可愛らしい恋愛攻撃を仕掛けまくるのが可愛かった。
好きな子に可愛い言動や行動をされたらときめくし照れてしまう。でも彼女に惚れているのはバレちゃいけない。好きな子を照れさせるような行動やドキドキさせるような行動をして実際にポイントが入っているから彼女は自分にときめいてくれているだろうけれども、でも彼女は好きな相手がいるはずだし、女子はみんなこんな行動にときめくのかもしれない。
そんな疑心暗鬼をしたり照れたり惚れ直したりをしまくる両片想いカップルがとにかく可愛かった。
ラブコメものって両思いだとバレたら物語として一件落着してしまう。相手に惚れてもらうための行動をしたら自分の好意は判明して、相手が自分を選ぶか選ばないかの話になってしまう。でもこの物語は『恋愛学のためにドキドキさせなければいけない』という大義名分を掲げているため、相手が自分に惚れているのか惚れていないのかわからない、というのが最高に可愛くて面白かった。
本当にガバガバすぎるぐらいガバなのに面白く感じてしまったのは、完全に好みだからなんだろうな……。
終盤サブヒロがメインになるものの
お嬢様ヒロインが終盤ほぼメインになっちゃってメインヒロインの出番がかなり減っていたものの、だからこそ彼女が好きなんだ!という描写になっていて、まあ本当に良かったです。
後輩とお嬢様ヒロイン、どちらも魅力的ながらも完全に主人公の眼中外なのが最高。しかもお嬢様ヒロインは主人公の好きな相手も知っているので完全片思いで過ごすこととなる。最高かな。