あらすじ
ウザくて可愛い金髪美少女となってアメリカから帰ってきた幼なじみ、星蘭との同居生活は相変わらずの波瀾万丈。そんな踊らされまくりの日々を受け入れつつあった流斗だったが、文化祭のステージ乱入が問題となり停学の危機に。それを回避するため、中学までダンスパートナーであった乃羽とお祭りイベントのステージに参加することになる。イベントに向けた合宿が始まり、部屋割りでドキドキしたり、練習で熱血したり、お風呂でイチャイチャ(女×女)したりと順調?に合宿での日々を送る流斗だったが、そこで問題が発生。大切なパートナーとの絆を取り戻すために、お祭りのステージで流斗が選んだ道は……!?
格好いい!! 誰かを守るためにたとえ自分が犠牲になろうとも頑張る姿は、間違いなくヒーローなんだよなあ……。ことあるごとに友人男子(時々女装)から主人公と評される流斗は、紛れもない主人公だった!
ツン1割デレ9割ヒロインは可愛いに決まってる
一度挫折してダンスを諦めてしまった流斗が星蘭のためにステージに立って踊るまでの1巻。そして2巻はもうひとりのヒロイン(どう見ても負けヒロイン臭が漂っているが頑張ってほしいヒロイン)こと乃羽がメイン。
前回星蘭のステージを台無しにしてしまったために停学処分がくだされそうになった流斗。しかしそれを挽回するためとしてボランティア活動に参加することとなる。そのボランティア活動が地域のお祭り的な場所でのダンス披露と言われ、流斗はもともとダンスのパートナーであった乃羽を誘う、という物語。
幼馴染としてわかりあっている星蘭とは種類は違えど、ダンスのパートナーとしてわかりあっている乃羽。今回はそんな彼女と流斗の絆を描いていくのがメイン。乃羽が流斗を好きなのが会話の端々どころか全体から伝わって来すぎていて微笑ましさが爆発してしまう。バレエを辞めた自分のところに来てダンスをしようと誘ってくれてずっといっしょに踊ってくれた男の子、そんなん好きになるわ。
1巻でも自らの挫折のトラウマを乗り越えて星蘭を助け、王子様のような格好良さを見せてきた流斗。この王子様精神というか誰かを救ってしまう部分は流斗の生来のものだし、だからこそ友達には主人公と揶揄混じりに言われるし、本人は「?」になってるけれども読者としても「わかる~~~!!」となる。
自分が限界なっても誰かのために必死になる人間はやっぱり主人公だよ。最後のシーンで乃羽とのダンスシーンがあえて書かれていないのも、こちらの想像に任せるぜ!って感じで格好良かったな……めちゃ良かったな……。
三角関係だけど女子同士の友情が可愛い
乃羽がツンデレではあるけれどもツン弱めデレ強すぎるツンデレのせいで不快感がないのが良いんですよ……。1巻の初登場時のセリフの「嫁じゃないわよ。せいぜい人生のパートナー」のデレ9割みたいなツンデレセリフがあまりに強すぎる。おまえ、それは自称嫁だというんだぞ。
恋敵と互いに認識している星蘭との仲の良さはともすれば都合の良い女っぽさが出てきてきちゃうものなんだけど、乃羽の性根が良く優しい子っぷりがすごいし星蘭がカラッとしていて敵対心というものがないからこそ、あんまりそういう雰囲気ないんだよね。バチバチしているよりは女子同士がそれなりに仲が良いほうが好きなので助かります……。
このデレ強めのツンデレだったらなんだかんだ言って星蘭と仲良くなれちゃうだろうと。押しに弱くて仲良くなりたいという雰囲気全開で来られたら好きになっちゃうだろうと。そういうところもかわいいよ乃羽。
星蘭と乃羽のやりとりは可愛い。乳揉みシーンたいていあんまり好きじゃないんだけど、この二人だと星蘭がアニメに憧れてやりたいという希望の提示→乃羽との間に同意形成→まず自分のものを差し出す→乃羽が揉まれるという流れなので、ウン! それならヨシ! になる。
オタク、年々そういうどうでもいいことが気になってしまうようになっているし、そういうどうでもいいことの小さなモヤがないとちょっと感動してしまう。
乃羽と星蘭が恋愛的にバチバチしてない理由のひとつとして、流斗が恋愛方面に疎くて彼女ら二人がそれを了解してるって部分があるんだなっていうのを、今回改めて実感した。
星蘭は幼い頃の流斗がダンスに一直線だった時期を知っている。乃羽は自分を誘ってずっとダンスをしていた流斗を知っている。だからこそ、ふたりとも流斗は自分のほうを向かないし、相手のほうも向かないと理解している。
これが恋愛感情を意識しだしたらどうなるんだろうなーとは思うんですが、……うーんこの二人の場合だと相手との恋愛を普通に祝福しそうな気がするんだよな……。おもしれー三角関係。