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「経学少女伝 ~試験地獄の男装令嬢~ (MF文庫J)小林 湖底」光と影の百合が良すぎる

経学少女伝 ~試験地獄の男装令嬢~ (MF文庫J)小林 湖底

経学少女伝 ~試験地獄の男装令嬢~ (MF文庫J)小林 湖底

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あらすじ

世界最難関で男性のみ受験可能な試験・科挙。少女は性別を偽り運命へ挑む。

世界最難関・男性のみ受験可能な試験――科挙。
雷雪蓮(らい・せつれん)は、少女でありながら男装して科挙合格を目指す受験生。
自分以外にそんなやつはいないと思っていたが、試験会場でどう見ても女の子な受験生・耿梨玉(こう・りぎょく)を発見してしまう。
「世界を変えるのに性別も地位も関係ないよ! も、もちろん私は男だけど!」
「(試験の前に落ちそう……)」
仲良くなった二人は悪徳官僚に支配された世界を正すため、手を取り合い試験地獄へ挑むことに。
性別バレは即・失格なうえ、試験問題も超ハード。さらには殺人事件やカンニングの横行など様々なトラブルが発生して……!?
二人の男装令嬢が逆境に挑む中華試験譚。始め!

光と影の百合(?)にやられた話

めちゃくちゃ面白かった! 男装少女と、戸籍だけ男のほぼ女の子が、中国のヤバい試験「科挙」に挑む話なんだけど、主人公の「影」とヒロイン(?)の「光」の対比が最高にエモくて、オタクは絶対好きだと思う。

男装少女と「戸籍だけ男」の女の子、真逆すぎる二人組が科挙に挑む

まず設定が面白かった。
主人公・雪蓮は男装してるけど正真正銘の女の子。国を変えるっていうデカい野望のために、女を捨てて男として科挙に挑む。やり方も結構エグくて、邪魔者は排除、場合によっては殺すことも厭わないっていう、なかなかの黒さ。

そしてもう一人のキーパーソン兼ヒロイン枠である梨玉。本人は「女装少年」って言ってるらしいけど、亡くなった姉の服を着ていてどう見ても女の子。戸籍は男になってるらしいけど、見た目も行動も言動も完全に女の子。この子が主人公とは真逆で、正々堂々、どんな敵対相手とも和解しようとする、超まっすぐな「光」属性。

この二人が、合格っていう同じ目標に向かって、全く違うやり方で突き進むのがまず面白い。主人公が「影」なら、彼女は「光」。この対比が物語の核になってる。
目的を遂行するためなら汚い手も厭わないダークヒーロー的な主人公と、戦いはだめ、正しい方法で目的を成し遂げよう、敵対する相手だって話し合えばわかりあえる! 的ヒロイン(なお両方女子)、こんなん良いしかない。

「光」に照らされて、「影」が揺らぐのが最高にエモい

この物語の熱いところは、主人公である雪蓮がこのド光属性の梨玉にどんどん影響されていくところなんだよ。最初のうちはもろに女の格好だし自分が女であることがバレないための囮になるだろう、いい感じに目立て、バカっぽいって思ってたのに、彼女のまっすぐさに触れるうちに、雪蓮も徐々に変わっていく。

本来なら、自分の邪魔になるかもしれない梨玉を助ける義理なんてないはずなのに、梨玉のピンチにとっさに身体が動いて助けようとしてしまう。物理的に距離を縮められると女バレの可能性があるのに完全には拒否れない。自分の秘密を知られているのを知った頃にはもうあんまり警戒もしてないっていう……。そういう徐々にほだされていくのは良いものだ。光に闇が絆されていくのは良いものだ……。王道は良いものだからこそ王道……。

もうね、この「光」に照らされて、雪蓮の影が若干揺らいでいく様が、読んでてめちゃくちゃ熱かった!
女の子同士の友情ってやっぱいいなって思ったし、秘密を共有することで関係性が深まっていく感じもリアルでさ。最初は彼女を利用しようと思ってた雪蓮が、それができなくなっていく過程とかすごくよくわかる。
最終的に梨玉に「女の子の格好して!」とお願いされた時に正体バレにつながるかもしれないのにしちゃう雪蓮、もう完全に絆されてるんだよ。友達として大好きになってるんだよ。本人絶対気づいてないけど。


いやー、本当に面白かった。設定もキャラも魅力的だし、科挙っていう試験を舞台にしてるから、頭脳戦的な面白さもある。
雪蓮のダークヒーロー的な格好良さと、梨玉の正統派まっすぐ戦いはだめだよヒロインっぽさの良さ、本当に良かった。

これは絶対2巻読みたいやつだわ。あの二人がこれからどうなるのか、科挙はどうなるのか、気になりすぎる。早く続き読ませてくれ!

経学少女伝 ~試験地獄の男装令嬢~ (MF文庫J)小林 湖底

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