「転生魔王のジュリエット 2」両思い思春期青少年の欲求vs世界の滅亡

★★★★☆,ファンタジア文庫ファンタジー,ロミジュリ,両思い,付き合ってる,恋愛

あらすじ

急接近の修学旅行。呪いも身分違いも「好き」の想いで打ち破れ!

学院の修学旅行先は、世界を懸けた秘密の恋人・イリスの国。多発する旅行中のハプニングに、彼女の婚約者の出現!? でも、そいつの本当に好きな相手は別にいて……「好き」の気持ちの貫き方をハルトが叩き込む!

1巻はこちら

面白かったー!両思いだけれども二人がヤったら魔王が復活という立場+仲良くない組織に所属というロミジュリ状態カップルの物語。
今回はヒロイン側の許嫁(ろくに会ったこともない)が登場。どうなることかと思いきや、そちらもそちらで身分違いで両思いの相手がおり……と恋愛面には問題ないハッピー仕様だった。三角関係など起きず二人はずっといちゃいちゃ、けれども二人の設定的には愛し合えないというポジションが葛藤あって好き。
下手な三角関係が発生して二人の間がぎこちなくなっちゃうよりも、こういう二人の間のラブラブは変わりません!のほうが安心して読めるところがあるんだよね……。

転生婚礼という呪いのようななにかのせいで、さあさあはやくヤれとばかりに事あるごとにラッキースケベは発生し、ヒロインは催眠状態で主人公に迫ってきて、っていうのももう設定的に強いよね。
普段は自分に対して可愛いけれども律していてキリッとした女の子が、催眠モードとはいええっろいところを見せてくるの、普通に負ける。
そうではなく頑張ってギリギリで耐え続ける主人公が強い。

ラッキースケベ呪いたる転生婚礼により偶然露天風呂で遭遇しちゃってイチャイチャしたり、そこに別な少女たちが来てしまったことにより主人公を隠そうとヒロインが頑張ってみたりというあたりがもうめちゃくちゃに可愛かったな。

 イリスのおかげで、ハルトは見つかる危機を脱した。すまん、イリス――とハルトはこころの中で感謝と謝罪をした。
 なにせその代償として、イリスは白いお尻を自分の目の前に晒しているのである。
 本当に行きがかかりそうな距離。
 染み一つないきれいで柔らかそうな肌は、触ってみたい衝動に駆られる。
 って、いかん! 何を考えているんだ! あいつらが乱入して来てくれたおかげで、やっと正気に戻ったんだ! 耐えろ俺!!
 イリスも羞恥に耐えているはず!!
 ――と、ハルトは思っているが、イリスの心持ちは少し違った。
 もうっ! ハルトくんったら、アデリーナさんの裸を見てデレデレしちゃって!
 ハルトくんは他の女の子の裸なんか、見ちゃダメなんだから!
 見たいなら、私の裸を見てればいいじゃないっ!

ラッキースケベイベントではあるものの、ヒロイン側が逆に結構喜んでたり、むしろ自分の体を見せてやる! 好きな人相手だから! となるタイプのは好きになってしまう。
このシリーズは1巻から徹底してヒロイン側も主人公を大好きでたまらなくて、自分が催眠状態で主人公に迫ってしまうのも、魔王が復活してしまったり魔物が現れるからやってはいけないと思っているが、それさえなければ速攻ゴールインしていそうなぐらいのべた惚れっぷりが良い。
ここまで徹底して好きだと、ちょっとぐらい顔面騎乗したところで、双方ともに良かったね……としか思わないので不思議。

敵が今回も頑張って「Hして!Hして!」と二人を煽りまくるのに何度も笑ってしまった。

思春期なんて性欲が猿になっててもおかしくないだろうに、世界が滅亡しないために!と頑張って理性で堪えている主人公すごいよ。間違いなくお前は世界を救う英雄だ。

中盤にあった主人公による集団戦の指示良かったな。
今までは主人公は単体としての圧倒的な強さを見せつけるシーンが多かったのでそういう印象がついていたものの、指揮官としての有能さも出てたのめっちゃ格好良かった。有能さがものすごい伝わる。

今まではてっきり副官のクロードがそういうののためにいたのかな?と思ってたのだけれど、主人公も周囲に目をやりながら必要な場所に必要な作戦を指示するのがめっちゃすごかった。
そりゃ目をやる余裕が無いと単体で強くはあれないけれど、それを指揮官としての才能としても発揮できるのは強いよね。

前半でギリ赤点回避!みたいなことをやって座学はからっきしなのを見せた上での最高指揮官振る舞いだったので、この落差でぐっと株が上がった。

今回登場のヒロインの許嫁側の男と彼の両思いなメイドは、特段隠すこと無くさっさと両思いイチャイチャなのを出していて、身分の差で苦しんでいるもののイチャイチャはしまくっててこちらもこちらでサブカプとして可愛くて良かった。
許嫁を主人公が自分の立場と重ねた上で焚きつけるのも、主人公が既に覚悟済みってのが出ていて格好良かった。

許嫁はいい感じに主人公に好感持っているし、個々人でいけば意外と対立しあっている地域たちも融和出来るんだろうなと思わせてきたのうまいなー。学校単位でいるときは個々人を見るではなく地域ごとの単位で見るから個人がわからない。でも一人一人ならわかりあえる。

物語として面白かったし続きもあるかな!と思ったらなさそうだった。残念。

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