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ラノベも俺も好きなギャル (ファンタジア文庫)川田 戯曲

ラノベも俺も好きなギャル (ファンタジア文庫)川田 戯曲

ラノベも俺も好きなギャル (ファンタジア文庫)川田 戯曲

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あらすじ

ラノベを愛する男子高校生・夜田涼介。SNSでつながったラノベ読みとのオフ会に参加したら――そこにはクラスの美人ギャル・妻川澪奈がいたうえ、告白されて!?平凡な青春が、ラノベがつなぐ関係で色づいていく!

可愛かったー! 会話のテンポがずっと良く、掛け合いがずっと面白かった。
ギャルが自分の好きなものに一直線! と、真っすぐで最高だった。こういう子大好き。
まっすぐで強くて元気なギャル・澪奈が可愛すぎて最後まで引っ張られるように読まされた。

「あんま三次元にビビんなよ、オタクくん。ギャルがオタクに優しいなんて、そんなのは幻想だけど──そういう理由がある澪奈だけは、あんたに優しくしてあげるから。あたしに優しくされることを怖がってんじゃねーよ」

このセリフ、あまりに良すぎるだろ。

ラノベのオフで会いましょーで現れたのがツイートとそぐわぬギャルでも、口から出るのがいつもの長文語りツイートなら間違いなく本人

ツイッターでよく絡んでいるラノベ好きとオフで会ってサイン会に行こうと約束して向かったところ、いたのはクラスメイトの陽キャギャルの澪奈だったということから始まるお話。
女性に苦手意識を持つ主人公・夜田がビビったり怯えたりしようとも、夜田が仲の良いフォロワーとわかった澪奈は「これで学校でも喋れるじゃーん!」とグイグイ来るのがとにかく可愛い。

待ち合わせ場所にいたのがクラスの陽キャギャルの澪奈でビビリ怯え本当にフォロワーなのかと若干疑っている夜田が、澪奈の長文語りで一気に「あ、こいつフォロワーだ」と認識するところに笑ってしまった。それ知ってる! イベント会場やオフ会に行ったらいつも下ネタばかり話しているフォロワーを名乗るまともそうな人がいて怯えるも、口を開いたら出てくるのがいつもと同じ下ネタで安心するやつ!!

「……というかあなたって、マジで『みなちょ』さんなんですか?」
「信じてない系だ?」
「まあ、うん……あなたみたいな陽キャギャルが、ラノベ読みとしてツイッターに生息して、俺みたいなオタクと交流してるとは思わないだろ……」
 (中略)
「ぶっちゃけ、超楽しい娯楽って、この世にいっぱいあるじゃん? カラオケにボウリング、BBQにショッピング――映画とか漫画、アニメだって超楽しいし? だからわざわざ文章を読まなきゃいけないラノベって、どっちかっつーと消費カロリーの高い、消費する側がちゃんと向き合わないといけない、めんどい娯楽だと思うんだけど……なんでかな。あたしはこれが、一番好きなんだよね」
「…………」
「なんでそんな好きなの? って聞かれたら、すぱっと気持ちいい答えを持ってる訳じゃないんだけど……たぶん、この世にある娯楽で、一番自由だからかも。実際にはそうじゃないのかもしんないけど、あたし――読者からしたら、ライトノベルってめっちゃ自由な気がしてて。作者さんの想像力さえあればどこまでも行ける感じが、読んでてマジでワクワクすんだよね! ただ、何でもありなぶん、良い作品悪い作品が玉石混淆なんだけど、だからこそ色んな作品を掘って掘って掘りまくった結果、あたしだけの名作ラノベを見つけた時には、ガチでダイヤを見つけた時くらい嬉しいっていうか――つかあたし、一人で喋りすぎてね?」
 気持ちよく喋っていたと思ったら、妻川さんは唐突にそう言って、続けていた言葉を切る。一方、彼女のギャルらしからぬ発言に面食らった俺は、ぽつりとこう零した。
「いつもみなちょさんが長文ツイートしてるようなことを、いま俺の目の前にいるギャルが口にしてたんだけど……もしかしてこの子、マジでみなちょさんなのでは……?」

あまりに知っている光景過ぎて笑った。あるある。
澪奈として口から出てくる言葉が全力ギャルトークなのに、オタクとして喋りだす瞬間はかなりツイッターによくいるオタクになりすぎていて笑う。

今までクラスメイトなのに夜田の存在すら認識していなかった澪奈が、あっという間にグイグイくるのが見てて可愛い。いや~ラノベ大量に持って来るギャルは陰キャの自認で過ごしている男子には対処に困りすぎるものがある……。とはいえ澪奈としては仲良くしてたフォロワーに読ませたい本リアルで貸せる! ってめちゃくちゃ嬉しいものあるよなー。わかるわかる。夜田が嫌がる理由を知ってもなお、それでも友達になろ! と来れるメンタルの強さがすごい。
好きなものに全力一直線ながらも他の友人たちとも仲良くしており、ギャルとしてもモデルやって元気で、このギャルバイタリティがありすぎる。

女性不信の理由はしょうもないが、このぐらいだから良いのかも

わりとかなりしょーもない理由で女性不信な夜田に、友達になろーぜい! と全力でぶつかってくる澪奈、むしろこんな子に惚れないほうが無理だろ……。

この夜田の女性不信理由があまりにしょーもないんだけど、逆にそれがいい気がしてきた。
というか、恋愛禁止グループのアイドルが「アイドル卒業して結婚します!」つったのに今度は別の女性アーティスト推して、そのモテない売りしてたアーティストが不倫して再度ショックを受けて女性不信って、あまりにしょーもなさすぎて笑える。でもここでマジの重たい理由が出てくるよりは、この先の澪奈との恋愛のフラグが立ちそうで良いのかもしれない。
夜田のそういうところ、性格的にクソ面倒くさくはあるんだけれども、そこまで嫌な感じにこじらせているわけでもなく会話全拒否陰キャなわけでもなく、ちょうどよい感じで良かった。

二人が会話したりじゃれ合ったりテンポ良い会話をしたりしていくうちに次第に恋愛感情を抱いていくのがめっちゃよかったし、澪奈のミニモン(ポケモン的なアレ)のエピソードが本当に良くてニヤニヤしてしまった。ミニモンに夜田の名前を付けてたのが本人に見られるのがなんとなく小っ恥ずかしかったっていうのも可愛いし、しかもなんとなく恥ずかしかったんだけど説明してみたら別にこれ恥ずかしいことじゃなくね? なんで恥ずかしくなっちゃったんだろ? って本人が混乱してるのあまりに可愛いしかない。無自覚の恋って良いですね……。

最後の最後、告白……するか! というところで終わってしまったのは、続刊を出したいラノベ的にまあそうなるやろな! ではあるけれども、どうなるの??? という感情がすごい。どうなるんですかこれ。


出て来るラノベが新旧入り混じっているので、そのラノベ知ってる! が多いのも面白かった。読んでて本当にずっと面白かったー!

ラノベも俺も好きなギャル (ファンタジア文庫)川田 戯曲

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