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俺の幼馴染がデッッッッかくなりすぎた2 (電撃文庫) 折口 良乃

俺の幼馴染がデッッッッかくなりすぎた2 (電撃文庫)      折口 良乃

俺の幼馴染がデッッッッかくなりすぎた2 (電撃文庫) 折口 良乃

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あらすじ

デッッッッかすぎる胸でも、青春がしたい! ドキドキの文化祭編!

 胸がとんでもない大きさに成長して困っていた幼馴染・美濃りりさのボディガードを務めることになってから時は経ち、新学期。文化祭も近づいてきたある日。
「これからりりさのボディガードは、ボクが引き継ぐよ」
 りりさの「幼馴染」を称するイケメン女子・周防通がやってきて、ボディガード交代を迫られて!?
 そして、通もまた、「胸」にまつわるヒミツがあって――。
 なんやかんやでりりさはミスコンに出場することに!
「デッかい胸でも、こんなに人生楽しめるんだぞって見せてやります!」
 デッッッッかすぎる幼馴染と全力で青春を楽しむラブコメ、文化祭編!

シリーズ: 俺の幼馴染がデッッッッかくなりすぎた

デッッかくなりすぎちゃった幼馴染とのラブコメ2巻。
ヒロインの幼馴染を名乗る新キャラが出てきてさあどうなる!? と思いきや速攻で可愛いポンコツキャラに収まり、二人が頑張って青春を送ろう!  とする物語にシフトしていくのは面白い。
1巻から変わらず、胸のでっかい女の子の悩みをしっかり描いていて面白いなあ。

デッッッかい幼馴染と嫉妬が可愛い

※嫉妬するのは主人公のほうです。

一緒に遊んでいたけれども学校は違ったトウジとりりさなので、トウジはりりさの小中学校時代の友達というものを知らない。そんななか、転校してきたのはりりさの小中学校時代の幼馴染。男子みたいな格好をして随分とイケメン仕草をする彼女・周防は、トウジからりりさのボディーガードの座を奪うと宣言し、りりさとイチャイチャしてくっついてくる、ということから始まるお話。

周防の出現により嫉妬しているトウジも可愛いし、そうやってトウジが嫉妬しているのを見て喜んでいるりりさがまあとにかく可愛い。トウジに嫉妬してほしくてあれこれ言うのも可愛い。自分を大事にしてくれている、意識してくれているっていうのがわかるのは嬉しいよね。意図的に嫉妬を狙っているものの、とはいえウザくないラインで描かれているのもすごいな。
恋愛的な嫉妬ではないっていうのも大きいのかも。りりさが『私のこと大好きで気にしてくれてるんだ』っていうのを全面に押し出しているし、トウジの側も『りりさが嫉妬させようとしてきている』と理解しているからこそ、ああ~~~~てぇてぇ……としか言えなくなる絶妙なラインでとてもよろしい。もっとやれ。

トウジは今まで自分がボディーガードをしていたからこそ、周防にその座を奪われると落ち着かない。休み時間も放課後も日中も夏休みだって側にいたからこそ、りりさの側にいない時間に何をしていいかわからないし持て余してしまうというのが、もうお前それってさぁ……! と背中突き飛ばしたくなるぐらい良いよ。

また、りりさが自分の胸を強調したりしてトウジをからかうのが可愛いんだよねえ~~!!
男子として自分の胸に興味あるのはわかる、でも攻撃的なことをしたりりりさの嫌なことはしないだろうという甘えじみたじゃれ合い。エモい。ありがとうございます。安心するための一種の試し行為なんだろうな。

ライバルキャラがかわいいんだなあこれが。

そんなトウジの嫉妬を煽りりりさにベタベタしている新キャラ・周防、最初はまた男装女子か……とかまたセコムが来たぞ……とか、まーた恋愛バトル持ち込みっぽく見せるけれども本格的には敵になりえないキャラが来たぞ……などとめちゃくちゃ腐しながら読み出してたのだけれども、全然違って笑ってしまった。なんだこの可愛いやつ。
他の女子の前ではイケメン面して「子猫ちゃん」なんて言うほどのキザキャラであるけれども、実際は打たれ弱いし突かれるとすぐヘタレる、そして女子にチヤホヤされるの大好きで、女の子がいるとすぐふらふらするのでボディーガードにもならねえダメなポンコツキャラ。あっという間に愛嬌あふれるポンコツくんになってて笑ってしまった。

このポンコツこと周防がりりさの側にどうしてもいたい理由が良い。
自分も胸がでっかいがそれが周囲にバレたくないので、なにかあっても誤魔化してくれるりりさの側にいたいという理由は、下手にセコムやりりさ大好き! よりも納得しやすかったかも。

イケメン男子のように扱ってくれてた周囲の女子たちが、周防の胸がどんどん大きくなるに従って男子ではなく女子として見るようになり、距離を取っていった。あれが嫌なので、今は自分の胸が目立つようなことはしたくない。
これってわかるなあ……というのと、いやそれは周囲の女子が悪いだろ! というのと、でもわかるなあ……が混ざりあった。それは周防の性格(イケメン振る舞いして女の子からきゃーきゃー言われるの大好き!)からしたらめっちゃきつい。
そして実際ぎりぎりありそうな出来事で、あー……となる部分もある。

この周防の成長するに従って胸が大きくなってエピソード以外にも、りりさの周囲から見てくる視線が恥ずかしいみたいな巨乳女子の悩みをしっかり扱ってるのが面白いよな、このシリーズ。
ラノベだと乳がでかいイコール良いことであり悩み部分ってせいぜい「他の女子から嫉妬される」ぐらいであまり描かれないものなのだけれども、1巻も2巻も周囲の人の視線が恥ずかしいといったものが描かれている。着る服がなかなか見つからないだとか(りりさの場合は胸のサイズがサイズなのでそれ以前の問題だが)、異性から胸ばかり見られるだとか。
普通のラノベだと良いじゃん! で済まされそうな部分をそれなりに見てくれているのが好き。

巨乳にまつわる悩みに関してはかなり現実的というか地に足ついた話をしてくるが、その分乳サイズが元気にファンタジーなのは面白い。Sカップのりりさとか。Jカップがさらしで男子並にまで押さえつけられている周防とか。
りりさの胸は服を弾けさせるレベルなのはわかるが、Jカップをさらしだけで男女わからないレベルまで潰すのは無理じゃないですかねえ!? 今回のあまりにファンタジーすぎるファンタジーポイントだ……。せめてナベシャツを着ろと言いたいがナベシャツにも荷が重すぎるかな……。

自分の身体がどんなだって青春は楽しみたい

周防にも、胸の大きい自らの身体そのままで青春を楽しんでもらおう! 自分の身体をもっと好きでいようよ! というラスト、今まで胸で悩みつつもこの身体自体は好きだというりりさの感情が溢れていてすごく良かったね……となりました。

胸がでっかいけれども青春を楽しみたい、そりゃあそうだよ。乳のサイズとか身長とか、そういうもので青春が楽しめたり楽しめなかったりするもんじゃないよな。
自分の身体だけれども他人の目を集めるのが辛い・恥ずかしいというのをかなり書いてきた話だったので、ラストで「巨乳は良いことばかりではない」を押し出して「それでも青春を楽しみたい!」で決着つけるりりさの発言が女子の支持を集めたのすごく納得できた。
今まで徹底して「胸が大きいのは大変」「男子の目を引いてしまう」「恥ずかしい」というのを出していたからこそ、「だけど楽しみたい!」の納得感がすごいと言うか……。実際のところ恥ずかしいものではないが、周囲の視線を集めてしまうのは恥ずかしいものでもあり……このあたり表現難しいな……。

もしこの話がりりさの胸についてもっと周囲の女子たちが「良いなー!」と発言していたり、「あいつの乳がでかいせいで男を取られた云々」的な方向を前面に出していたら、このエンドに納得できなかった。
そういう意味でもすごく良かった。

この表紙でこのタイトルなのに、胸が大きいことの大変さについて真面目に向き合ってるの、一体なんなんだこのラノベ。マジで良い話。

俺の幼馴染がデッッッッかくなりすぎた2 (電撃文庫)      折口 良乃

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