当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

ダウナー系ギャルの雪河さんが、何故か放課後になると俺の家に通うようになった件。 (GA文庫) 岸本和葉

ダウナー系ギャルの雪河さんが、何故か放課後になると俺の家に通うようになった件。 (GA文庫)      岸本和葉

ダウナー系ギャルの雪河さんが、何故か放課後になると俺の家に通うようになった件。 (GA文庫) 岸本和葉

AmazonBookWalker
あらすじ

「その……今日泊まっちゃだめ?」
高校生離れした超絶美人だけどクールでいつも気だるげなダウナー系ギャルの雪河さん。
住む世界が違いすぎる彼女からある日突然話しかけられてから、いつもの放課後が非日常に変わった。
「シャワーありがと。さっぱりした」
「なんで下穿いてないんだよ!?」
共通の趣味をきっかけに急接近し、泊まりに朝帰り……。連日家に入り浸り学校にはふたり一緒に登校する――。
「永井といると落ち着くんだよね」
超絶美人なダウナー系ギャルの雪河さんに懐かれてドキドキが止まらない青春ラブコメ。

ひょんなことからダウナー系ギャルの雪河さんと同じクソアニメを視聴していたことが判明し、そこから原作を読むために主人公・永井の家に雪河さんが泊まりで漫画を読みに来て距離をどんどん詰めてくるようになるお話。
全体的にストーリーはかなり王道気味なんだけれども、中盤から終盤にかけてのオタク4人ワイワイシーンが楽しすぎて全部の評価がふっとばされました。

また人には言えない趣味モノかいと思わせて、確かにそれはなかなか周囲にいない

そうそうにそのまま永井の家に泊まり込み漫画を読む気概を見せる雪河さんは相当の距離なしヤバ女スタイルではあるものの、主人公である永井が雪河さんと楽しくお喋り出来るコミュ強なのでそこらへんはあまり違和感なく読めたかも。いや雪河さんはかなりの距離なしヤバ女ではあるけれども。いやいや、なんとなく話が盛り上がった男子の家にそのまま上がり込み、そのまま泊まり込むなという話ではあるけれども。それはギャル云々というより単純にガチ目の距離なしヤバ女仕草である。

そこらへんのヤバ女過ぎっぷりは置いといて、二人が仲良くなるきっかけが古めのクソアニメなのは笑ってしまった。
きょうびアニメや漫画が好きぐらいはそこらへんにいくらでもいるけれども、深夜にやってたクソアニメ(しかも作中で出てくる描写的にマジモンのクソアニメっぽい)はあんまり話出来る人いないもんなー。おまけに「◯話の◯のシーン」といってすぐ出てくる人もなかなかいない。そんな人と出会えたら仲良くしたいしおしゃべりしたくなるのもわかる。

そこから、様々な漫画がおかれている永井の家にいついて漫画喫茶扱いでずーっと家にいたり、一緒にメイト行って漫画の新刊買ってみたり、前々から興味はあったものの一人では行きづらいコスショップを覗いて見て仲を深めていく二人が可愛らしかった。
特にコスショップ、確かにこういう場所って慣れてないと一人で行くのって気後れするもんね。仲良くなってなおかつオタク仲間の主人公がいると行ける! っていう雪河さんの気持ちがわかる。

永井と遊びたいし永井の家という満喫に通いたいけれども、クラス内のグループの力関係やグループの形成のためにそっちにも顔を出さなきゃいけない、でもオタクとして気軽にいられる永井の家にずっといたい……という雪河さんの気持ちもわかるし、スクールカーストに真面目だなあという印象。
ダウナー系とタイトルにある割に雪河さんってそこまでダウナーでもなく、結構真面目だよね。あとギャルとはあるけれども服装以外にそんなギャル感はない。これはちょい前に読んだラノベも俺も好きなギャルがギャルみが強いからなのもあるかも。

オタク4人でワイワイするのがかわいいんだよな~~~~~

中盤から話が一気に不思議な方向に加速していく。
雪河さんと同じ一軍グループの女子・ハルとコスプレショップで遭遇し、彼女もレイヤーだと判明。初心者二人ではうまくいくのかわからないコスプレ服作成に、めっちゃ協力な仲間が現れる。

そして二人と同じく一軍のイケメン高身長男子・鬼島もオタクと判明。漫画家志望で、なおかつ永井らと同じアニメを愛好し、空気を読まずにオタクとして生きている。あとクラス内カーストとかよくわかってない。

この4人が揃ってからオタクとしてワイワイやってるシーンが、THE オタクの青春って感じで良かった~! みんなが永井の家の漫画やラノベ棚に大興奮し大喜びし、会話のノリがテンション高いオタクになるあたりが面白い。
鬼島、馬鹿でアホなんだけど雰囲気あるのでごまかしきれているアホでいいな。

「訊きたいことって……何だ?」
「ああ。あのさ、お前、雪河と付き合ってんのか?」
「……へ?」
「仲いいんだろ? 他のやつが話してたぜ」
   (中略)
「じゃあさ、どうして噂が本当かどうか訊きに来たんだ?」
「付き合ってんなら、取材させてもらおうと思って」
「……取材?」
「今さ、カップルについて調べてんだ」
 ――調べてる?
 まさかそんな言葉が飛び出してくるとは思っておらず、耳を疑わざるをえなかった。
 カップルについて調べてる? 一体なんのために?
「じょ、冗談だろ、それ。俺をからかってるのか?」
「んなわけねぇだろ。オレさ、漫画家になりたいんだよ。少年漫画を描きたいんだ。でさ、少年漫画を描くためには、やっぱラブコメが必要だろ? だから勉強しねぇと――」
「とんでもない情報をまるで既出みたいな感じで語るな!」

このノリで爆笑した。お前、今まで雰囲気の良さと身長の高さで全てを誤魔化してきただろ! 実は結構な漫画馬鹿でポンコツだろ!!

この4人が揃ってから、キャラは違うが気の合うオタク仲間4人で勉強会したりオタクしたりと好き勝手ワイワイしてるのが本当に読んでて楽しかった~。ジャンルは違えど軽く布教をしたり、全員の共通点が漫画が好きっていうぐらいが雰囲気の良さにも寄与してるんだろうな。

確かに私は昨今の「オタク仲間がいなくて……」系ラノベに対して「今どき漫画もアニメも市民権をかなり得ているので、周囲に話しても拒否されないだろうしいくらでも仲間がいるだろ!」と言いがちですが、一軍に入る男女3人がジャンルが絶妙に違うオタクなのは面白かった。
レイヤー、漫画(描く)オタク、ちょい古アニメオタク。みんな違ってみんな良い。

終盤で一人だけ三軍扱いの永井を他の一軍男子が貶して雪河さんが庇い二人がくっつくという王道展開もありつつ、その後も4人で永井んちに集まってワイワイやるのは変わらないのも読んでてほっとした。
テスト後のジャンル不問オタカラオケ、読んでいて本当に楽しそうで最高~~!! オタク仲間(ジャンル違い)とそういうのやるの、絶対に最高に楽しい。


ラブコメとしての速度感はかなり早くこの巻でくっついちゃっているけれども、雪河さんのレイヤーやりたい! という夢はまだ始まったばかりだし、永井の周囲の人間ともっと関わっていこうと思うと行動をはじめるのも見えてきたので、この先がどうなるかが楽しみ。
とはいえ同時に1冊できれいにまとまりすぎていて続きがあるのか不安すぎる。いや~本当にめっちゃ良かった……。

ダウナー系ギャルの雪河さんが、何故か放課後になると俺の家に通うようになった件。 (GA文庫)      岸本和葉

ダウナー系ギャルの雪河さんが、何故か放課後になると俺の家に通うようになった件。 (GA文庫) 岸本和葉

AmazonBookWalker