委員長は××がお好き (ビーズログ文庫アリス) 穂兎 ここあ

★★★☆☆

あらすじ

「お前の上半身に興味はない」少女小説至上No.1? 変態委員長降臨!!

高2の春。ゲーム廃人が故に転校を余儀なくされた渚は、新しい学校も適当に過ごし、ゲーム生活(in家)を謳歌しようとしていた。だが!「美しすぎる」――転校初日から生徒たちの憧れ、風紀委員長の時雨から告白された! って、どんな乙女ゲー展開ですか? そう驚いたのも束の間。この美しくも厳しい風紀委員長は、とんでもない性癖の持ち主で!? 変態風紀委員長に気に入られた引きこもりJKゲーマーの運命は……? 好きをこじらせた青春ラブコメ☆スタート!

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委員長はやばい足フェチ

クラスに馴染めず引きこもりになりゲーム漬けの毎日を送っていた主人公は、ある日父親のすすめにより転校することに。前の学校ではゲームについて好きに語っていたら周囲から距離を置かれたために今度はゲーム好きは隠そうとした主人公だが、ソシャゲの課金カードを買うために廊下ダッシュしたところ風紀委員長に目をつけられ呼び出される。
しかし風紀委員長は実は重度の脚フェチで、主人公の脚に惚れたといい、主人公の脚を口説き、主人公本体はうざいものの主人公の脚に愛をささやき、主人公の太ももよりも上をひたすらないがしろにしだして――というお話。

「ハァ……ずっと俺の目の前に飾って愛したい。俺の視覚も触覚もすべて、あなたに支配してもらえたら……どんなに幸せか。あぁ……っ、興奮が止められない」
 時雨の息遣いは、どんどん荒くなっていく。恍惚のえみを浮かべ、舐めんばかりの勢いで脚に頬を擦り寄られては気持ち悪い。イケメンであっても、それは話が違う。
 とはいえ、機嫌を損ねたら何が起きるかわからない。渚は時雨の感情を逆撫でしないよう、彼の腕から静かにすり抜けようと脚を動かした――のだが、逃げ出そうとした渚の脚は瞬時に時雨の腕に捕まり、代わりに鋭い視線が向けられた。
「……邪魔をするあn。さっき言っただろ? 今、俺が愛しい脚に愛を伝えている最中だ。部外者はおとなしくしていろ」
「ぶ、部外者? ええっと……? 脚は私の一部っていうか、私自身というか……?」
「自分自身、だと? ただ胴体でつながっているだけの分際で。この美しい見事な脚と同じ存在だと言いたいのか?」

見てほしい、この頭のおかしい会話を。

「この脚とは生まれたときからずっと一緒にいる、ので? 同じ存在、みたいな……?」
「なるほど。……俺より、この脚のことを長く知っていると自慢したいわけか」
「いや、あの、そんなの自慢する人いますか?」
「ふっ、まあいい。お前が自慢しようとも、俺はかまわない」

下手な私の説明よりもわかりやすい頭のおかしい会話を。

重度の脚フェチであり、至高の脚に出会えたため普段被っている猫の皮をかなぐり捨てて主人公の脚を口説いてくる風紀委員長のキャラがあまりに強すぎる。ひたすら脚を愛して脚を大事にし、胴体より上には興味が一切無いのがいっそ潔くて良い。
ドン引き気味の主人公がとても気持ちがわかる。読みながら、うんうんそうだね……こいつはやばいね……クレイジーサイコはどうしてたいてい謎の権力を持ってしまっているのだろうね……とこちらも一緒にドン引きしまくっていた。キャラに共感出来る小説がすべて良いモノとは思わないけれど、キャラと突っ込みどころがかぶる小説は間違いなく良いものである。

ただ気になった点がある。
主人公を学校に来させようとする風紀委員長(脚を愛でるため)と行きたくない主人公(こんなのがいて、しかも風紀委員にされたらそりゃ行きたくない)の攻防は見ていて笑う。笑うしかねえ。
笑うしか無いんだけど、その主人公を釣り上げる方法が魔法のカード(アップルカードやグーグルカードのどっちか)というのはいかがなものかと正直思ってしまった。要するに金で釣ってるわけじゃん。現ナマじゃないけど、なんとなくうわあ……と思ってしまった。一応作中で主人公が、金で釣られるって援助交際みたいなものじゃん!と言っているからまだましなんだけど。ここでもまた主人公とツッコミポイントがかぶって良かった~と思った。

魔法のカードの代金は委員長が自力で稼いでいるとはいえ、正直引く。かなり引く。
主人公の脚の盗撮画像を他人から貰っているのも引く。かなり引く。
そういう倫理のちょっとした箇所にちょいちょい引いてた。

三角関係……と思わせ四角関係……と思わせただのダブルカップル

脚をひたすら愛でまくる委員長にドン引きしている主人公の前に現れるのは、今度は主人公の二の腕をひたすら愛してくる理事長の孫かつ生徒会長で俺様アホの子。属性ちょっと盛りすぎー!
主人公の脚を見つめまくる委員長から主人公を横取りし、腕をふにふにふにふにと堪能するタイプ。

主人公を奪い合うこの二人の対照さが面白かった。
同じ役職付きかつ大人気といえど、方や自由奔放で二の腕フェチもみんなに知られている生徒会長、方や真面目で脚フェチを知られていない委員長。どちらもやべえフェチで主人公が被害を被るのには違いがないんだけど、二人のアプローチの仕方が違っていて面白かった。主人公が被害を被るのには違いがないんだけど。

二種類のイケメンに奪われる主人公(本人一秒でも早くクレイジーサイコから逃走したい)、内情を知っていると全く嬉しくないイケメン×2だなと笑ってしまった。

そして生徒会長には以前から慕ってくれているが二の腕が好みではないと断り続けている少女がいて、というのが中盤の話。
彼女がまた可愛いんだ。生徒会長のことを心底大好きだし、主人公にしてくる嫌がらせも黒魔術。下手に物理的な嫌がらせに出ないあたりがまた可愛い。最終的に主人公と和解して仲良しになり、主人公と委員長の恋(主人公は全力否定)を応援してくれるのもまた可愛い。恋に暴走するタイプだ。

相手を好きになってくのが読んでてわかりやすくて可愛い

主人公はゲームが何より好き。引きこもり期間は朝までソシャゲしてたタイプ。
委員長は何より脚が好き。その脚好きレベルは作中でひたすら延々と嫌というほど語られる。

そんな二人の、相手を好きになっていく流れのわかりやすさが読んでいてむずむずするぐらい可愛かったー!

委員長といるときに雨にあたられ、自分の脚よりも自分本体を優先してくれた!?これはもしかして……脚に飽きられた……?と思う主人公、他の話だったら鈍感主人公乙と言いたくなるところだが、この話は今までひたすら委員長の脚フェチっぷりを嫌というほど見せられていたのでなんだか納得してしまった。

主人公も、今まで学校に行く最中すら立ち止まって(歩きスマホはよろしくないからね)プレイしていたソシャゲを止めてひたすら委員長からの返事が無いか待つあたりの可愛さよ。

このどちらも、二人がなにかとても大事なものがあるから、そしてそれに対するヤバいぐらいの執着と情熱が事前に出ているから面白かったしすごく良かった。

倫理には若干疑問が残るものの、脚フェチの元気さと残念さと会話のテンポの良さが面白かった。

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