「死に戻り勇者は魔王を倒せない ~セーブポイントのご利用は計画的に~」謎解き明かし系タイムリープモノ
死に戻り勇者は魔王を倒せない 〜セーブポイントのご利用は計画的に〜(1)
あらすじ
魔王を討つ勇者の仲間、《栄光の戦士》選抜最終試験。試験会場のダンジョンで目覚めたウィルは、共に試験を受ける4人の最終候補と出会う。5人でいざダンジョン攻略……するはずが、試験を受けるのは4人だけだと判明。
この中に試験官が……? もしくは試験を妨害するために誰かが……?
疑心暗鬼に陥りながらもダンジョンを進むウィルだが、あっさりと雑魚死。え、これで物語終わり!? と焦るも、最初のセーブポイントに復活する。
……これって、ダンジョンをクリアするまで永遠に続くやつでは……。
最後まで読めば1ページ目に戻って来たくなる!? 二度読み必至の異世界ダンジョンファンタジー!
繰り返されるループ、明かされていく人間関係
おもしろかったー!! めちゃくちゃおもしろかった!!!
超絶強く、セーブした場所から再開する能力を持つ主人公が、目が覚めたらおかしなダンジョンにいた。手元にある布曰くこの試験の参加者は4人、しかしここにいるのは5人。果たして誰が敵だ? と思ったら推理が終わるまえに主人公が死んでしまい、しかしセーブ能力で復活し――という物語。
ループの回数が進んでいくことに明かされるそれぞれのキャラクターの人間性、性格、立場。
それを元に積み重ねられていく主人公の推理と現状打破の方法、そして主人公からはヒロインへの感情が少しずつ増えていくけれどもリセットされるヒロインはそれを全く知らず次のループへという流れが超おもしろい。
そうだよなーーー、リセットモノって記憶継続側は感情積み重ねられているんだけど継続していない側はなんにも覚えてないんだよね。ゲームでプレイヤーがキャラクターに愛着もつのとおんなじ構造だ。それで恋愛まで感情が発展しちゃったら辛いだろうけれども。
犯人はわかりやすい
ネタバレ。
神官がやられた犯人はぱっと読んですぐわかるというか、他にいないだろうなとループが進むごとに絞り込めてしまうんだよね。
あの状況で神官を傷つけられるのは神官本人しかいないだろうって。
でもそこで物語は終わらず、ならばなんでそんなことをした?と物語で考えなければならない部分が飛ぶのが面白いし、そこから更に進んだ物語は完全に予想外だった。
いやいやいやいやたいていこういう物語の女神って冒頭だけ登場してさくっと出番終了でしょ……。こんな長々と出るもんなのか。
からの、今まで気になっていたが何なのかよくわからなかった頭に靴を載せたへんな人など含めて全部回収されていくのがすっごく面白かった!
たった一人の少女と再度出会うための物語。ものすごく面白かった。
死に戻り勇者は魔王を倒せない 〜セーブポイントのご利用は計画的に〜(1)