「非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか?」女子高生と刑事、距離感がめちゃ良い異能モノ
あらすじ
これが、異能の関わる事件ですよ
目が死んでいる以外特段目立つところのない女子高生・佐取燐香には家族にも隠している秘密があった。この世界には人並み外れた“力”を持つ者が存在すること。そして――自身もその一人であるということ。他人の精神に干渉する力をもつ燐香はその力を隠しひっそりと生きていくはずだったのだが……ある日巻き込まれたバスジャック事件で異能犯罪について独り捜査にあたる警察官・神楽坂と出会ったことをきっかけに、次第に異能犯罪の渦に飲み込まれていく――。ときどきポンコツな女子高生と正義にあつい警察官が挑む異能ミステリー、開幕!
女子高生と刑事さんの関係性良すぎない!?
バスジャック事件で出会った、他人の心が読めていくらか精神を操れる少女と、異能があると主張したせいで出世街道から転落し交通課に配置された刑事さん。二人が協力して異能絡みの事件に関わっていくバディもの。
うわーーーこれ女子高生である燐花と刑事である神楽坂さんの関係性めちゃ好き! 超良い! すげー好き!!!
JKと成人男性の組み合わせで安易に憧れからの恋愛関係に行くこともなく完全共闘関係なのすっごい好きだなー!! 本人曰く強くないという異能持ちである燐花は、警戒心が強いのでなかなか神楽坂を信用せず自分の能力を教えたりはしない。そんな彼女に対して、異能の存在を信じている、もし異能を持っているとしても即座にそれを悪としたりしない、自分も探しているものがあるとしても無理に協力してほしいとはしないと言う神楽坂の大人ぶりよ。
実際のところ燐花の持つ能力ってものすごいやばいやつじゃん。他人の心は読める、時間はかかるが精神操作も汚染もできる。そのぐらいやばいところをある程度見た上でも神楽坂が燐花を子供であり被保護対象として扱うのホント好き。どれだけ力があろうと子供を子供として認識して大人は子供を守るものとしている大人が好きなので、本当に神楽坂さんめちゃ好き……となってしまった。終盤、やばい状況でも燐花には大丈夫だから離れていなと言いつつ内心本当はやばいと理解している神楽坂さんのシーンがあったからこそなおさら。この人めっちゃいい大人だ……。
異能持ちJKな燐花が絶妙な陰キャ的というか、ある程度心を開いた人の前ではからかったり茶化したりするような明るさはあるものの学校では友達もおらずほぼボッチという、こう……辛くなるリアルさの陰キャっぷりだな……というあたりがギャップで面白い。そして神楽坂さんが調子乗って大人をからかってくる燐花に対し、それにただ乗っかるのではなく真面目に諭す大人なあたりがこう、また、最高なんだよな。やっぱりわたしはどれだけ強かろうと子供を子どもとして扱う大人がすごい好きなのかもしれん。
戦闘能力としてはぱっと見は低いものの汎用性がめちゃくちゃ高くてやろうと思えばかなりドハデな攻撃もできる燐花はめちゃくちゃ強いものの、でも神楽坂さん自体もかなりの重症を負っても普通に動いているあたりめちゃくちゃ丈夫だぞ。この人もすげーやべえぞ。
本当に面白かったしそのままWeb版も読み始めた。めちゃ面白い。