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令嬢トリアは跪かない 死に戻り皇帝と夜の国 (角川ビーンズ文庫)青田 かずみ

令嬢トリアは跪かない 死に戻り皇帝と夜の国 (角川ビーンズ文庫)青田 かずみ

令嬢トリアは跪かない 死に戻り皇帝と夜の国 (角川ビーンズ文庫)青田 かずみ

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あらすじ

令嬢をやめたら「死に戻り皇帝」の婚約者!? この求婚は予想外です……!

騎士の名家に生まれた令嬢ヴィットーリアは、晩餐会で婚約破棄された瞬間、気がついた。
ようやく父からも、嫌みだらけの第二王子からも解放されたと。
すべてを捨て、ただの「トリア」として騎士になって生きていくことを宣言! 
だがそこに、隣国の「死に戻り皇帝」ラウを狙う刺客が現れ、咄嗟に彼を救ったトリア。
「どうかこの私、ラウ・ランメルト・キールストラと結婚して欲しい」
なぜかラウに結婚を申し込まれて……!?

やっぱ一本芯が通っていて誰かのために戦える主人公は最高なんだよ!というのを改めて実感した。つよつよで矜持があって芯を曲げずにまっすぐ駆け抜けていく主人公、最高!!

しかし、イラストがかなり脳内イメージと違っているせいで、挿絵があるたびに「なんだこれは」になっていた。ラノベときどきあるある。

ベタから始まり、な、なんか違うぞ……?

本来は剣を持って戦いたい性格ながら親の采配によって王子の婚約者にされ、しかしその王子を欲しがり妹に取られた令嬢・ヴィットーリア。彼女が王子の顔面に靴をぶつけてぶん殴り、自分はただの一般人・トリアになると宣言し、偶然そこにいた隣国の皇帝・ラウに見初められて――という100万回見たような流れから始まる物語。
そこまでは割とあるあるだし、ラウが突然トリアを溺愛し始めて嫁にしたいと言い出して若干無理矢理自国に連れ帰ろうとするのもあり得る。トリアが道中いた山賊やらなんやらをそこを治める貴族らと協力してボコボコにしつつ王都に向かうのもあり……あり得る! 見たことある!

でもそこからがどんどんと面白い。トリアが騎士としての矜持を抱いている、というのが彼女のなかで一本芯が通っているのが格好良い。ラウに騎士として仕えると簡易的な儀式をし、実際彼になにかあったら身を挺してでも助ける。とはいえトリア自身がめちゃくちゃ強くて飛んでくる矢を手で掴み取るタイプの騎士なので、あんまり身を挺さず助けてるんだけど、それはともかく格好いい。
そのラウを助けるという行為が、ラウを好きだからというものじゃなく、ラウの騎士だから、騎士たるもの仕えると決めた主君を守るのは当然だからというのが良い。
彼女にとって騎士というのは、今まで婚約者のせいで貫き通せなかった自分の芯。それをラウの下で貫き通そうとする姿が格好良かった。

「言うのが遅くなってしまったが、その格好、君によく似合っている」
「ありがとう、だいぶ汚れているけれどね」
「その汚れは勲章のようなものだろう。恥じるものじゃない」
   (中略)
「私的には最初に出会ったときのドレス姿よりも、君に似合っていると思う」
   (中略)
 恥ずかしさを誤魔化すため、突然皇帝の姿に戻った挙げ句に歯が浮くような台詞を吐かないでよね、と立ち去る背中へと小声で悪態を吐く。
 数秒とはいえ胸が高鳴ってしまったのは、完全なる不意打ちだったからだ。
(きれいなドレスよりも、汚れた姿のほうが似合っている、なんて)
 普通の令嬢ならば、間違いなく侮辱だと重るだろう。だが、トリアは違う。
(嬉しい、とか、そんなこと思うはずない、絶対に)

ここめちゃくちゃ好き。令嬢であれと押し付けられていた彼女の騎士としての姿を似合っていると告げてくるの、そんなん好きになるよ!!
ラウが死なない呪をかけられているという事実を知らされても、それでも「ラウに死んでほしくない」と身を呈してでも助け、庇い、騎士として剣となり盾となるトリアの強さと矜持が最後まで良かった。

そして、そんなラウを守ろうとするトリアに、さほど女慣れしていないし他人に生きてほしいと願われたことがあまりないラウがぐらっと来てるの、わかる。
そりゃあぐらっと来てしまう。最初は利用とか体質的に彼女なら使えそうという理由から結婚の申込みをしたはずだったラウが徐々にトリアに本気になってしまう様が納得しかない。こんな人いたら惚れますよ。

そして彼女が騎士だからこその終盤シーンがほんっとうに格好良かった……。

守られるだけのご令嬢よりも、なにか芯が通っていて守るために戦う主人公とそんな姿に誰かが惚れる瞬間がいいんですよ。この話はラウがトリアに惚れる瞬間とトリアがラウに惚れる瞬間の2種類が読めて本当に最高。ありがとうございます。こういうの大好きです。

それにしても、テンプレ的に入る冒頭の婚約破棄シーンは強引というか話にあってない感じがあった。婚約破棄、欲しがり妹、このあたり別に無くてもいいじゃんね。そういうテンプレが流行ってると言えばそうなんだけれども。

叔母様!ツンデレ叔母様、可愛いですわ!!

こういうツンデレ親族大好き!! 具体的には没落令嬢の異国結婚録のお義母さんとか! ちょっとずれるけれども幽霊伯爵の花嫁のお義母さんとか!

没落令嬢の異国結婚録2 (ビーズログ文庫) 江本 マシメサ

前の巻はこちら。 没落令嬢の異国結婚録 江本 マシメサ | 日々放置プレイ お茶…
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こちらのツンデレ叔母様ことセシリナ様は、階段から落ちかけたところをトリアに抱きとめられて一転デレに転じつつもツンをきっちり残したツンデレで大変可愛らしかった。
トリアが好きそうなお菓子を手に入れてお茶会に誘っては「貰い物のお菓子」と言い張りトリアがうまくやっているか確認し、トリアが髪を切られてしまったら人気の理髪師に自ら頭を下げて順番待ちの割り込みをして髪を整えてもらう。でも口調はツンデレ。あまりに可愛らしすぎる。こういうのに弱いんだよ!!

ツンケンしている先の相手が、そのツンをまるで意に介していないのが好きなんだよね。刺々しい態度で相手が負の感情を抱かないのがすきっていうか。年カノのウラと指宿もかなりその枠か。
おかげで叔母様が出てくるたびに「可愛い!可愛いですわ叔母様!」とわたしのテンションが無駄に上がりまくっていた。好き。

令嬢トリアは跪かない 死に戻り皇帝と夜の国 (角川ビーンズ文庫)青田 かずみ

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