前向き暴走女子の結婚狙い「失恋姫の花嫁計画!! 甘い毒薬の作り方 (コバルト文庫) はるおか りの」

★★★☆☆,コバルト文庫ファンタジー,恋愛,片思い

あらすじ

皇妹エルレンシアは素直で憎めない性格ながら、一途すぎる恋心が常時暴走気味。
そして今宵も(49回目の)告白!!→あえなく、即撃沈。
あの手この手で、亡国の王太子であり薬術師でもある初恋の君ディートリヒに接近しようと試みるけど……!? 

めげない失恋姫の次なる奇策は、男装してディートリヒの城へ潜入することで!? 
ときめきのスペシャル番外編3篇も収録。ひたむき・春めき・ラブコメディ。

元気な女子が押せ押せで落とす

ツンデレ(ツン→デレへの変化系)ヒーローと、ヒーロー大好きベタボレヒロインで、ヒロインがヒーローを落とすまでの話。

もうこの時点でぶっ飛んでいるレベルで姫様全力で楽しいです。女子が強い話はやっぱり楽しい。
女の子が恋する相手を落とすために自分から全力で動いていくのは見ていて清々しい物があります。その相手がなびく気配すら見せない時ほど更に楽しい。
ヒロインエルレンシアは、つれないディートリヒに惚れて以来超全力。好きだからという理由で落としたハンカチを拾ってそれをベッドに敷いてディートリヒの香りに包まれて寝るだとか、そういったレベルのことをやらかすぐらいにディートリヒが大好き。しかし相手はつれない。だから男装して弟子になったところで好きになってもらおう! という考えまではわかるけれど、もしその格好で好きになられたら? というメイドに対して、好感度をあげたところで実は女だとばらして私自身に恋してもらうの! みたいな発言しちゃうとこが頭が心配になる感じで可愛いです。
男装も男装の意味あんまりないよね、なんとなくディートリヒも女だとはかんづきつつ、いやいやいやマジであの姫様だったら困るので違うと思おうってやってるからあんまり意味ないよね。

ディートリヒも、気付いているなら突っ込んでやれよ! と思うのですが、こっちもこっちでちょっと頭がお花畑っぽそうというかマジでそうだったら怖いから逃げとこう追求しないでおこうという感じがとても好感度高いです。そういう人好きです。
惜しむらくはツンデレと思わせてツンからデレへ一度切り替わったら全力デレなあたりかなー、ツンデレの配分が良いままツンも残して欲しかった、と思うぐらい圧倒的な変わり具合でした。
まあ、もともと惚れてたからね、それを我慢してただけだからそりゃあ一気にデレるなあとも。

ディートリヒがエルレンシアを追いかけて行くのに偽物あつかいされるシーンは爆笑でした。妄想世界では偽物大量出現中というのはどうかと思いますエルレンシア。そこまで振り切った、周囲からも変態と言われかねないだけ相手のことが好きな女子は大好物なので良いですがw

巻末の、全く違う設定の短編も素敵でした。この二人の話もすごくツボ。プロポーズに指輪というのはあるけれども、やっぱり相手の好きなモノを渡すのが一番なんだろうなあ。本編のヒロインがアレなので、箸休めというか心なごませというか、素敵でした。

全力暴走少女が好きな人にオススメできそうな話でした。楽しかったです。
あとがきを見たところ3部作の3つ目っぽいんですが、同じノリなら他の2つも見てみたいです。

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