「巡る世界の黙示録 少女戦隊ドリーム5 (ビーズログ文庫) 小椋春歌」

★★★★☆,ビーズログ文庫お仕事,恋愛,特撮,現代

あらすじ

これは、美少女戦士(が強制的に僧職系男子と戦わされたり世界を救ったりする予定の)コメディです。

猫耳をつけた怪しい男に「ちょっと世界を救ってみませんか?」と声をかけられたごく普通の女子高生の要。
「冗談じゃない! 」と断るも、強制的に少女戦隊“ドリームピンク"をやるハメに。
ステッキを持たされ、恥ずかしい変身ワードを言わされ、
こうなりゃやけくそで敵を倒してやると覚悟を決めた要の前に現れたのは……へ? お坊さん――!?
ツッコんだら負け! 少女戦隊ヒーロー章(ショー)、ついに解禁!

王道要素も二つぶつけりゃ悪魔合体する

面白かったー!
メンタルド健全な主人公が、魔王(と猫から呼ばれたりしている僧侶)を倒すために戦隊モノのピンク(最終的に2人いる)に変身し戦う物語。ひたすらテンポの良いギャグにテンポの良い会話、王道展開をしているはずなのにどうしてそうなったな流れが面白かった。

主人公が魔法生物(っぽいなにか)に頼まれて戦うことになる。
主人公が悪霊退治をしているイケメンと出会って彼を助けるようになる。
このどちらも割と王道な展開というか、前者は魔法少女モノの一時期のテンプレかと思うぐらいありがちだったし、後者は少女小説だとあるあるだよねと言いたくなるぐらいの王道展開だ。
しかしこれが悪魔合体した結果、「猫耳をつけた男に言われてよくわからないままに少女戦隊(5人いるはずだが残りは少女というカテゴリにあまり含まれない)(しかも最終的にピンクは2人になる)に変身し、僧侶姿の魔王と呼ばれている青年と戦うことになるはずが、女に免疫のない僧侶と最終的には共闘し、魔法ではなく法具で敵をボッコボコにする」という話になっていた。どうしてそうなった。最高に面白かった。

「あなたは魔王と戦う力を持つ選ばれた戦士、ドリーム5の一人なのです」
「もうそっからして胡散臭いけど、“5“って言うからには他の人もいんの?」
「はい、看護師、OL、女子大生、保育士で構成されております」
「少女を選べ!」
  (中略)
「うるさいっ! それよりこんなのとどうやって戦うのよ!! 他のメンバーはいつ来るの!?」
 一人ではどうにも出来ない。逃げ回りながら経験ある先輩方の到着に望みをかけた要に、タマはカッと目を見開いた。
「レッドは急患、ブルーは出張、イエローはレポートの提出期限が迫り、グリーンはお母さんのお迎えが来ない子がいて動けないそうです!」
「実質あたし対魔王じゃないか!! しかもそんな理由で断っていいならあたしだってやるわ!!」

ひでえ。テンポが最高。
ネタ自体はどこまでも王道要素なのに(そして助けられて距離が縮まるというのも王道要素なのに)、どうしてここまで吹っ飛んでた……?というぐらいの面白い流れだった。つかみが最高だった。

主人公が小気味良い

上の会話の通りにツッコミ役としてぽんぽん突っ込んでいく主人公が面白い。読んでてとにかく清々しかった。 超まっすぐ。
ピンチのときも前を向いて、敵を倒すために立ち上がり、きっちりと敵に止めを刺そうとする主人公はとにかく最高だった。
というか、毎回立ち上がるタイミングがひたすら強いんだよ……お前は少年漫画の不屈の主人公か。友達が傷ついたら、攻撃は最大の防御とばかりに打って出る。敵に襲撃されて恐怖を植え付けられた後の戦いで一発ボカッとやらかす。どれもこれもが強すぎる。守られヒロインじゃなくて護りヒロインだ。

魔王(ではない)として現れた光明に対して、人となりを知っていくうちに距離を縮め、誰よりも光明の強さを信じて叱咤激励し、立ち上がらせ、頑張る姿は最高に格好良いヒロイン(女主人公)だった。
光明の覚醒にも一役買っているし、要自身の覚醒というか気合い入れはほぼ個人でやっちゃってるし、本当に強いなこの子……。

光明に片思いする少女である美優もめちゃくちゃに可愛かった。
光明のことが好きなのがシーンの端々から伝わってくる。あんまり三角関係好きじゃないんだけど、彼女だったらなんか良いな。次第に要に対してもデレてきたのが可愛い。ツンデレはそういう部分が最高。

ちょいちょい戦隊モノとして気になる箇所はあった

とはいえ、戦隊モノとしては気になる箇所が多かったなー……。

  • まず光明を魔王(敵)と思う必要なくない?
  • 戦隊モノと言う割にピンク×2しか出てきてないし、戦隊モノじゃなくてもういっそ魔法少女で良くない?
  • 本当に残りの戦士たち実在するの?

このあたりどうなってんだろう? と思った。
少女向けとして魔法少女と戦隊モノどちらが売れるかわからないけど、『戦隊モノ』という複数人いるだろう名称(しかも5とタイトルにも入っている)のに実質2人なのは詐欺じゃないのと思った。
ニチアサの戦隊モノが好きなので、女子5人がわあわあやりあってるとこも見たかったなー。

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