アニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」を見て思った、『カタリナ』という少女の存在

テレビ

はめふらを見た

アニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」以下はめふら。
原作はおそらく数年前に読んだような気がしなくもない。記憶が怪しい。
アニメは今回引っ越しに伴い暇だったので荷物の片付けの時にひたすら流して全話見た。

近年まともに見たアニメがクオリディアとされ竜なので、なるほど絵がすごくきれいだしよく動くなという印象。
原作の記憶はほぼ全くないため、はへーこんな内容だったんだーと思いながら見ていた。

ざっくりとしたあらすじは別にかかない。こんな記事を開く人はだいたいアニメを見た上で他人の感想を求めているタイプだと思うので、書いたところでうざいだろう。うざいよね。○○についての比較的な記事はだいたいそういうとこ飛ばすわ。
その上で諸々の感想。

だいたいマイナスの話をしている。

鈍感主人公、見ていてイライラする

これはラブコメ物ありがち、なおかつそういう作品を読んだ場合に毎回言ってるんだけど、鈍感主人公って見ていてイライラするな。

弟や婚約者が「またたらしこんで」「またライバルが増えた」とやっている横で、カタリナ自身は自分へ向けられる好意を全く気づかず「みんな仲良くなってよかった~」というのを繰り返し、ハーレムの人口が増えていく。
たらしこまれた人間は自覚ありもなしもあるけれども、皆だいたい等しくカタリナへ恋愛感情を向けている。

岡目八目だの周囲から見ているほうがよく見えますよ系の言葉はいくつもあるが、ここまで繰り返されると鈍感主人公うざいなと思える。
もうちょっと他人の感情に気付け。

その際たるものが王子の感情に全く目を向けないということ。

カタリナは、あれだけ「運命を変える」「破滅を回避する」と繰り返しているのだから、最低限自分の行いで周囲や運命が変わることを想定していると思われる。少なくとも死亡ルートの回避を考えているし、このキャラとお近づきになると破滅フラグが近づくという脳内会議もあるのだから、運命を変えることを考えている。
それにしては、王子があれだけわかりやすくカタリナへ好意を見せていても絶対にそれを受け入れない。運命が変わる、カタリナが愛されると微塵も信じていない。
額の傷は消えたから婚約破棄してももう大丈夫だと告げた際に、あれだけ無理矢理すぎる「まだ傷が残っている」発言をされようとも気づかない。

いや、気付けよ。鈍感にも程があるし限度というものもあるだろう。

ゲームでは王子はカタリナを愛さなかった。しかしカタリナがバタフライエフェクトじみた現象を起こしまくって変えまくった世界では愛するかもしれない。
そういった可能性を全く考えていないのだなと思った。

しかし、カタリナは基本的に他人の心情をほぼ全く察しないんだよな。
作中でキャラに惚れられるイベントの大半が、破滅フラグを回避しようとした結果など。その人を慮って行動したのではなく、破滅フラグ回避で出てきた言葉を相手のキャラクターが都合よく解釈してくれた結果である。
故に、彼女が他人の心情を察せず何も考えず行動し愛情を察知しなくとも、それはそれでキャラクターに芯が通っているといえるのかもしれない。

にぶすぎてどうにかしろやと思うけど。
とはいえ、ここで真面目に恋愛されると、カタリナの精神年齢が前世の17歳+現在の年齢という、まあおそらくは攻略キャラたちの倍近い年齢なのでドン引きなんだけど。
でもカタリナ、全然本編年齢で34歳っぽい言動・行動してないね……。

個人的にハーレムはメインが自覚済みでうまく回しているやつが好きなので、私は最終的に『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』あたりに落ち着いてしまう。

運命を変えるということ

終盤、カタリナが運命を変えたためにマリアが攫われてしまい全員が破滅するかもしれないという状況に陥る。カタリナは当然ながら慌てる。
いや、お前この可能性考えなかったんかい。

運命を変えるということは、本来存在していたはずの未来を潰し、変更し、誰かの希望を殴り倒すということだと自覚してなかったんかい。

これは完全なる妄想だけど、義弟が女たらしにならなかったせいで人生変わっちゃった女の子っていたと思うんだよね。
カタリナが変えなかったルートで、義弟にナンパされて彼が気になって彼に見合うような女になりたいと頑張ったものの義弟は全くこっちを向いてくれず、それでも頑張って自分磨きに必死になった少女というのがきっといたはず(妄想)。
その少女の外見を、未来を、カタリナは変えた。
そういう、自分が行ったことで他のなにかが変わった、バタフライエフェクトが発生して様々な未来が変わってしまい、最終的には友人たちも破滅に陥るかもしれないというのを全く考えてなかったのが、カタリナお前なあ……と思う。少なくとも精神年齢はいい年なんだから考えろよ。お前はのじゃロリか。

お前らマリアも探せや

これは作中キャラへのツッコミ。

上記マリアが攫われたシーン、みんな直後に意識無くしたカタリナのことは心配しててもマリア探してくれてないよな!? お前らマリアも探せよ! カタリナのそばにいても何も出来ないんだからせめてマリア探せよ! そっちはまだ行動ができるんだから!!

確かにカタリナは主人公でお前らの好きな相手だけど! マリアを!! 探せ!!!

『カタリナ』という少女の人格・存在

これは悪役令嬢モノなどを読んだ際にどうしても思うこと。
現世から転生した少女○○(名前が作中出てこないので……)の意識が戻る前、転生する前の『カタリナ・クラエス』という少女はどこにいったのだろう。

同じく二人分の人格が植え付けられた生徒会長は、もう片方の記憶は流し込まれたものの彼の人格は残っていなかった。
おそらくカタリナも同じ状況だと思われる。カタリナの記憶がある、現世の少女○○。しかし、ならば、今まで生きてきたカタリナはどこへいった。少女○○に肉体と人格を奪われて消失してしまったのか。
カタリナという少女はどうなってしまったんだ。

例えばこれが、原作ありの二次創作モノで行われたら、そこそこ反感を持たれる内容な気がしなくもない。夢小説だと存在するジャンルだったような気がするんだけど(あんまりそのあたり詳しくないから詳しい人補足があると嬉しい)、本来なら存在したはずの人間の立ち位置を乗っ取って好き勝手して物語を変えてしまうのって、正直かなりどうかと思う。
本来の物語が好きな人からしたら許せないし、本来の『カタリナ』という少女が好きな人からしたら噴飯ものだろう。

作中では、カタリナという少女は傲慢で我儘放題の嫌われ気味の子供で、頭を打って少女○○の人格になってからはやんちゃだけど愛される子になったと表現されている。
カタリナという少女の人格の扱いは、消失してよかったね、変わってしまって良かったねという扱いだ。
あまりにカタリナという本来ならば存在した少女に対して冷酷すぎやしないだろうかと思った。

悪役令嬢カタリナ・クライスは、本来ならば婚約者にも愛されず、義弟にも嫌われる存在だ。
それが少女○○の人格を得たために破滅から逃れられた。
でもそれは、『カタリナ』が逃れたわけではなく、少女○○が逃れただけだ。本来ならば存在した『カタリナ』という少女は抹消されてしまった。

悪役令嬢モノは、本来ならば存在しただろう『彼女』を想像するとぞっとする。
これが主人公の立場になるものならば、元々がプレイヤーが選択肢を握るキャラクターとして存在する以上成り代わっても全く問題ないと思うのだけれどもね。

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