「嘘と詐欺と異能学園2」詐欺とハッタリで乗り切る話、面白くないわけがない

★★★★★,電撃文庫バディ,ファンタジー,学園,戦闘,男女バディ

あらすじ

無能力の最強詐欺師がエリート異能学園で成り上がる。 知略バトル第2弾!

緻密に張り巡らせた嘘と策略によって、無能力者でありながら異能学園で勝利を重ねるジンとニーナ。
ある日、ニーナに入学試験免除のエリート異能力者・キャスパーとカレンがそれぞれ同盟を持ち掛けてくる。
彼らは対立しており、ニーナの力を借りて相手を潰す計画を立てていたのだ。
これを好機と捉えたジン達は両者と同時に同盟を組むが、命を狙ってくる謎の刺客や、複雑に絡み合う思惑によって、事態は思わぬ方向へ加速していく――!
嘘がバレたら即終了! 怪物達を相手に、ハイリスクハイリターンの信用詐欺が幕を開ける。

シリーズ

前の巻以上に面白くしてくんのなに!?めっちゃ面白かったヤバかった。

エマに完全に引っかかった

前の巻のラストで口に棒付きキャンディ咥えた女というあたりでエマか? でもこの作者そんなストレートにやってくるか? と思わせて、2巻冒頭で完全にエマであると確信させてくるのうわー面白すぎる。天真爛漫、騙されやすくて可愛くて素直で誰もに真っ直ぐなエマが、学園長の手下たる学園の犬か? でもそんなことある? と思いながら話に引きずり込まれた。

詐欺ラノベだから当然にしても、読み手の想像の穴を突いてくるのがめちゃくちゃにうまいんだよなー! 確かにこれだけニーナとジンに信頼されていて1巻ラストでは作戦にも組み込まれたエマがそんな立場なわけがないと思いたい、でも……? という思いからのこの流れ、面白すぎる。今回の巻が主に信用詐欺を取り扱っている部分があるんだが、完全に読者宛の信用詐欺を食らった。

エマ(二重人格・裏)も、ある意味孤独なまま異能力者たちと戦ってた一人。前の巻のジンとニーナの協力関係がスムーズに出来上がったと同じく、目的と立場が同じ人間は組みやすいだろうな。

ニーナ、もう完全に化け物に片足突っ込んでる

ケイトという架空の人物状態になっているところも、生身でジンのめちゃくちゃな作戦に組み込まれているのもそうなんだけど、完全に気配を消し去ってみたりジンに教え込まれた詐欺の方法を使うのがうまくなっていったりとやってることがどんどん人外じみている。

でも一番『ああこの子完全にジンに引き込まれたな』と思ったの、自分の命すらかかっているような作戦を聞きながら彼女が微笑んでいたときかもしれない。

作中の描き方、特に今回の信用詐欺がそうだなと思わされたんだけれども、詐欺って本来の自分とは別の存在を演じて相手を信頼させた上で何かをだまし取るもの。なので、最高の脚本家であるジンの描いた脚本に乗っかって女優としてのニーナが演技するの、最高に輝ける舞台なんだろうな。

詐術を手に入れてジン以上の演技力を持つニーナは、最終的には詐欺師としてジンを越えられるかもしれない。最後の最後でジンの前にニーナが立ちはだかったらめちゃくちゃ面白いだろうな。自分の弟子に越えられる、と思わせてこのシリーズだったらジンが勝つんだろうけれども、今まで同じ土台にすら立たず事前の策で相手を倒していたジンを、ニーナが同じような方法でぎりぎりまで追い詰めるのを見たい。

疑っている人が複数人。このなかで敵はたった一人。なら残りの人たちを裏切っていることになる、というニーナの苦悩は重たかった。

今回もジンの詐欺と騙しがめちゃくちゃ

今回は前回以上に敵陣営も頭脳戦を仕掛けてきているので、頭脳vs頭脳となるので面白かった。香水の条件付のくだりが特に。瓶の穴は結構意図的に残したな? カレンがかなり頭が良いんだろうなというのは道場のシーンで既に出していたので、彼女との戦闘がどうなるのかめっちゃ期待だった。

様々な要素を組み込み仕込んでいくのは面白い。そんで最終的にただの物語的なブラフとしかおもってなかったキャスパーまで絡んでくるの面白すぎか!? メイドさんは予想がついていたけれども、そうやって追い込むのか! と。

最後の最後でニーナの兄登場であからさまな波乱の予感。めっちゃ楽しみ。

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