友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)伊達 康

★★★★★

あらすじ

出会っちまったぜ、俺の理想の主人公に!

俺の友達、火乃森龍牙。高校に入ってできた、気の置けない親友。

龍牙の第一印象は、「アニメとかに出てくる主人公っぽい奴」だった。そしてその思いは、すぐに確信に変わった。
まず、こいつは過去をほとんど話さない。で、よく授業を抜け出す。帰ってきたかと思えば、唇から血を流してたり、制服のあちこちが破けてたりする。

そして龍牙の周りには常に美少女がいる。学園のアイドル、雪宮汐莉。剣の達人であるクールビューティー、蒼ヶ崎怜。謎の転校生、エルミーラ・マッカートニー。こいつらが龍牙の前に現れると、俺は非常に疲れる。それぞれが龍牙と絡むたび、「お、おいリューガ! どうしてお前が雪宮さんと知り合いなんだよ!」とか、「う、麗しの剣士である蒼ヶ崎さんが、わざわざ教室までリューガに会いに!?」とか、「エ、エ、エルミーラさん! リューガなんかのドコがいいんスかぁ!」とか、必死に騒ぎ立てる羽目になるからだ。

……じゃあ何でやるのかって? それは俺、小林一郎が友人のプロだからだ。
主人公の中の主人公、火乃森龍牙を支える親友キャラこそが、俺の生き様だからだ。

――ベストフレンダー小林が贈る名助演ラブコメ、開幕!

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そうだ彼こそが絶対無敵の「モブ」「友人キャラ」

 面白かったー!
 徹底して自分を「友人キャラ」であろうとし、主人公の引き立て役として過ごそうとする少年の物語。

 主人公の友人キャラであるために! といろいろ頑張る主人公・一郎の行動が前半はひたすら面白い。
 友人キャラのために主人公である龍牙の癒やしを担当し、彼を気にしている女子のスリーサイズを調べては教え、日常シーン担当のため戦闘には絶対に関わらず、なぜか突然学校を飛び出していってもそういうものだとして流すなどなど、「友人キャラ」であるためにいろいろ気付いてしまっても気付かないふりをして徹底して友人であろうとする一郎が面白すぎる。
 普通だったら自分も主人公になりたい! と思うところかもしれないが、一郎は違う。徹底して「友人キャラ」になりたい。主人公の活躍を一番近いところで見たい。
 そのためには友達のいないぼっちをナイスアシストして教室内のヒーローにすることもいとわないし、生徒会長に勉強を教えて勉強キャラにだってする、という徹底して黒子役に徹しようとする一郎。こんなん絶対おもしろい。

 この「友人キャラ」でいたいという思考がメタといえばとてもメタ。物語のストーリー的にはこういうものが来るはずだ、という思考すらもとてもメタ、けれども実際それが来ると面白いよな……。
 普通じゃ見れないようなストーリーを一番近くで見れるポジションなんて楽しすぎる。
 友人キャラでいるために、龍牙の戦闘をのぞき見しているのを知られてしまったときですら友人キャラとしてのマイナーチェンジに走ろうとする思考、ある意味間違いすぎて面白すぎた。

 読んでて正直この様子からして龍牙が一郎のことを好きなのでは? 過去に王子降臨をやったガガガ文庫だったら突然そういうのが出てきてもおかしくないのでは? と思ったけれども龍牙が女なのかよ! まあ少年向けレーベルだしね、BLレーベルじゃないしね
 バレてからの龍牙の徹底した可愛さだとか、龍牙視点部分でのそりゃ好きになるよ! そんだけされたら好きになるよ! のあたりがひたすら可愛かった。

 終盤徐々に出されていくけれど、結局一郎何者なんだ。ポジション的にはむしろ「主人公」であるけれど(メタ的にも主人公だけれど)、でもこの物語の主人公は龍を持つ龍牙であるべきで。じゃあ一段上の世界の主人公? この物語の主人公! という終わらせ方ではない気がするけれどもどうなるんだろう。
 続きが気になるので続刊買います、と思ったらガガガ文庫のポイント還元セールが終わっていた。

 読む前は弱キャラ友崎くん系統かな? と思ってたけど全然違うどころかむしろ真逆だった。なdね勘違いしてたんだろう。

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