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「捨てられ令嬢が憧れの宰相様に勢いで結婚してくださいとお願いしたら逆に求婚されました (角川ビーンズ文庫)永 レン」幼い頃から知ってる20歳差はちょっと無理

捨てられ令嬢が憧れの宰相様に勢いで結婚してくださいとお願いしたら逆に求婚されました (角川ビーンズ文庫)永 レン

捨てられ令嬢が憧れの宰相様に勢いで結婚してくださいとお願いしたら逆に求婚されました (角川ビーンズ文庫)永 レン

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あらすじ

大人な宰相様にたっぷり甘やかされる! 歳の差20歳のむずきゅん溺愛!

伯爵令嬢ステラは10年妃教育を受けたのに、王太子にあっさり婚約破棄された。
そこで自棄 になり、20歳年上で憧れの宰相ルドヴィクに勢いで結婚を申し込むと、逆に求婚されてしまう!
彼には親衛隊がいて、ステラも推しとして彼の絵を描くのが趣味。
そんな彼に甘く大切にされ……
「君を幸せにできるのは、私だけだ」
でも彼は責任で結婚してくれるだけ――。
こっそり推し活中の伯爵令嬢と大人な宰相様の歳の差むずきゅん溺愛!

宰相様、シンプルにキモいな!!

ヒロイン年齢20歳。宰相様年齢40歳。二人の出会いはヒロイン10歳、宰相様30歳。この時点で事案である。
ハーレクイン系やティーンズラブの一定数人気があるジャンルとして年上で手練れのおじさまから愛されるというパターンがあるのは知っているけれども、しかし事案だしキモいなとシンプルに思ってしまった。つまりnot for me
このキモいと感じる原因の一部に、宰相様はヒロインを幼い頃から知っているという部分があるんじゃないのかな。幼い頃から知っている相手を恋愛対象として見られるか?という話。

このあたりは私の感覚の問題で、幼い頃から知っている相手(年の差10以上)を恋愛対象として見るのってキモくね? っていうのがあるんですよね。

 初めてステラに会ったのはボードリエ領で、彼女が十歳の時だ。それからグエナエルの婚約者として王宮に通うようになり、厳しい家庭教師のレッスンを受けていた。周囲の人間は、ステラが優秀でなんでもそつなくこなせると話していたが、彼女が度々薔薇園の隅で隠れてないていたことをルドヴィクは知っていた。
(中略)
 ここ二、三年で、あどけない表情から憂いを帯びた艶のある表情に変わっていく様子は明白で、会話をする機会は減ったが、彼女を見かける度に目で追うようになっていた。
 せめてもっと自分がわかかったなら。
 ステラにあんな悲しい表情はさせないのに。
 胸に覚えた切ない痛みから目を逸らして、彼女の幸せを見守ることを決めた。

このあたりがシンプルの気持ち悪いなと思いました。幼い頃から知っている相手を! 突然告白されて意識したでもなく! 昔からそういう目で! 見るな! 普通にキモい。

年の差がある夫婦が普通なのかと思いきや、一応ヒーローが「こんな年の離れた男からの求婚など、気持ち悪いだけでしょうから」とは言ってるんだよね。その意識がその後続くことはなく、普通にアピールしまくっているけれども。
最近年カノ仕事帰り~のようにそれなりに年齢差があるラブコメを読んだときはこういう部分の違和感や不快感を覚えなかったのはなんでなんだろう。

考えてみたけど、あちらはこれだけ年の差があるのに好意を抱いてしまった自分への嫌悪感や、相手の未来を奪ってしまったという罪悪感、同じぐらいの年の相手と一緒にいるところを見てそのほうがお似合いなのにと悩むところがあるからなのかも。この宰相殿、別にヒロインに対してそういう感情ないでしょ。
また、あちらは「それって犯罪じゃん!」と突っ込んでくれるキャラクターがいるのも大きかった。これは他の話でも言えるんだけど、物語のツッコミどころに対して自分と同じように突っ込んでくれるキャラがいると、それだけですこし溜飲が下がるというか、価値観が同じなんだなと思えるというか。そのキャラの存在がわたしのなかで作中の安全弁として認識される。
そういうのが一切無かったし、そしてなにより幼い頃から知ってる相手なのも結構NGがでっかかった。
あとついでにいうなら宰相殿、一体ヒロインのどこに惚れたんだよ。こんな何もかもが流されて敷かれたレールの上を走るしか出来ないような女のどこがいいんだよ。

要するに私の好みじゃなかったっていう話です。

ただ流されるままに生きてるヒロインも嫌

婚約破棄されて、じゃあどうする? も、意地悪な叔父叔母夫妻によって除名されて平民にされてさあどうする? も、ヒロイン自身は何も考えずなにもせず、全てにおいてヒーローによってどうにかして貰っている。
ヒロインが自主的になにかしたのって偶然通りかかったヒーローに「だったらあなたが結婚してください」と八つ当たり混じりに言っただけで、それ以外の出来事は全てヒーローに与えられたものでしかない。

彼女が自主的に何かをするということなく、全てがトントン拍子に物事が進んでいくんですよね。
例えば新聞によってヒロインがまるで素行がよろしくない人間だから婚約破棄されたかのように書かれたときだって彼女は何もしない。ここで自分の汚名を雪ぐために何かをしたりは絶対にしないし、そういうのはヒーローが全部やってくれる。
街に出る際にもしかしたらあの新聞記事のせいで自分が悪く言われるかもしれない……というのを考える頭はあるのに、その記事を書いた新聞記者にあたって何故普通に広まるよりも早い時間にその情報を得たのかと尋ねることもしない。ヒロインが王宮を出られないのならば人をやるという手段もあるのにそれもしない。

私は自分の未来は自分で切り開く主人公が好きなので、ただなんでもかんでもしてもらっているところを見て、ヘーフーンという感情しか得られなかった。
恋に近い憧れを抱いているはずの、しかもピンチのときに自分を助けてくれた宰相様の手助けになることをしよう!というような思考もなく、ただ囲われてちやほやよしよしされているだけのヒロイン、どこが良いのかまるでわからない。宰相様、このヒロインのどこに惚れたの?
そして彼女の人間としての良さがまるでわからないために、物語としてヒロインが可愛い~とか思えなくてまるでノリきれなかった。

たぶんわたしが物語において求めている主人公って、ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシュガーアップル・フェアリーテイルの傾向のような、自分の中に芯があって自らの意思で動く主人公な気がする。でもってその傾向って今はオレンジ文庫みたいなライト文芸のお仕事小説のほうに移動しているっていう状態なのかな。
上記2作が古いって言うのならば、ヴィクトリア・ウィナー・オーストウェン王妃は世界で一番偉そうであるもかなり好きなので、やっぱり主人公が自分の意思で状況を切り開いていう物語が好きなんだろう。あとは石田リンネさん作品のヒロインも好きだし、結局のところ流され系主人公が男女問わずにあまり好きじゃないんだろう。

他キャラは舞台装置

みーんな都合の良い舞台装置! 悪役は悪役としてヒロインに都合よく喧嘩を売るし、都合よく悪評を広めようとして大失敗! 王様は王様で都合よくヒーローとヒロインを結婚させようとしてくれる! みーんな都合の良い舞台装置だった。人間味がない。
もうこうなったらいっそ元婚約者とその新しい恋人の交際をヒロインが祝ってほしかった。おかげで自分は年齢が倍の憧れの人と結婚できるんだし。互いに真実の愛をみつけて生きていきましょう! ぐらい言ってやれ。そういうこともしない、完璧に良い子ちゃんで悪いことは全部ヒーローにやってもらうようなヒロインなのが嫌なんだな。

捨てられ令嬢が憧れの宰相様に勢いで結婚してくださいとお願いしたら逆に求婚されました (角川ビーンズ文庫)永 レン

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