「やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中3」それぞれの思惑が動いていくのが面白い

★★★☆☆,ビーンズ文庫ファンタジー,ラブコメ,両思い,家族,恋愛

やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中3

やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中3

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あらすじ

6年前に時が戻った令嬢ジルは"竜の王様"の子育て真っ最中。ある日、ハディスが慕う実兄・ヴィッセルが訪れる。再会に喜ぶハディスだが、ジルの知る未来では彼はハディスを裏切る人物で!? そんな時、開戦のきっかけとなった誘拐事件が起こり竜の王様も行方不明に。スパイだと疑われるジルのピンチに、ついにハディスが立ち上がる……!「僕は君を竜妃にする――本物の、竜妃に」WEB発・最強ヒロイン最高の人生にやり直し!

シリーズ: やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中

ジルとハディスの子育て(してない)

こういう少女小説における疑似子育てって、なにか弱い対象をともに育てることによってキャラの愛が深まるもんじゃないのかよ!!

前の巻で出会った黒竜・レアから頼まれたのは、竜帝たるハディスの心の栄養で育つ黒くて金目の竜であるローを育てること。ということでてっきり子育てが始まるかと思いきや、ローはあまり丁寧な子育てシーンは無く、どっちかっていうと時々ジルのスパルタがある程度だった。いや、ジルのスパルタ子育てというか軍隊式育て方になるのは、それはこの話ならそう……。

今回の巻はどっちかっていうとジルの「本当は自分はハディスに恋をしているのか」がメインだった。
周囲からしたらどう見たって恋してるわ! むしろそれが恋じゃなかったらなんだよ! という態度だというのに、前世(未来)でジェラルドとのことがあるからこそ、自分のこの感情はジェラルドと比較してマシなハディスに傾いているだけでは? と不安になるジル。いやどう見てもめっちゃ惚れてますが? 惚れてなかったらその生命をかけまくってる行動はなんなんだよ!! と突っ込んでしまう。そこから繰り出される無限の惚気は何なんだよ! 無自覚で吐き出されるそれはなんなんだよ! ってなる。本当に最高だった。こういうぐるぐるもだもだ考えてしまうの、恋愛ものとしてやっぱり最高だよ。

そして最後の最後に拳でぶち抜いてこれは恋!!と勝利するところがさすがジルだなと思った。

ジルの「強くて自由なところが好き」だからこそのハディスの愛よ

そんなジルが悩んだり自覚したり意識しちゃったりしてぐるぐるしてるときに、ハディスはハディスでジルの強くて自由なところが好き!って惚れ直しちゃってるところがこちらも最高だった。会議室に飛び込んできたジル、それによって予定していた策がいくつか使えなくなるとしても、それでもジルのこういうところが好きなんだよなってときめいちゃってるハディス、本当にめちゃくちゃ惚れている。
でも今まで一人ぼっちな感じだったところにこんなに「守ってやる」「幸せにする」「子供は10人作ろう」と言ってくれる子が現れたらそりゃベタ惚れしかないよな、と思えるような積み重ねがあるからこそだよ。

ハディスはジルの全肯定甘やかしbotじゃなく、なんでもかんでもスーパー権力で押しのけてジルの路を作るわけでもなく、ジルが動きやすいようにした上で自分も何かしら行動をするところがすごく格好いい。今回はパン屋だけど。

ところで小舅呼ばわりされているヴィッセルに止められて寝室分けられかけたりしてるけれども、11歳と19歳だとむしろ寝室分けるほうがまずい気がするというか、寝室一緒のほうがまだ下心ありません面できるけれども分けてしまったらそういう間違いがある可能性がありますって周囲に喧伝しているような気もするんですけど、このあたりどうなんでしょうね。一緒でも下衆の勘繰り発生するし、一緒だったのが分けられてもゲスが発生するし、このあたり難しいねと笑ってしまった。

それぞれ個々人が思惑を持って動いているのがおもしれー

このシリーズ1巻からそうなんだけど、個々人が対立や障害のための舞台装置じゃなくて、みんなそれぞれ自分の意思と思惑と願うものがあるからこそその行動をとったのだ、ってわかる作りなの、読んでてめーっちゃ楽しいなって思う。人として一面だけじゃなくて多面性があるっていうのかな。舞台装置じゃないっていうのがやっぱり一番しっくり来るかも。

例えば今回敵に回っているのか味方として動こうとしているのか分かりづらいハディスの兄のヴィッセル。ジルを認めていないからこそ彼女が竜妃として認められるような行動をしようとすると絶妙に邪魔をしてくるし、ラーデア占領をうまいこと利用しようとしている。敵か味方かわからないような行動をする理由としては、根底に不憫な弟であるハディスへの愛が確かにあった。

例えば今回ラーデアで指揮を取っていたサウス将軍。実際に登場するまでは皇帝に歯向かう面倒な人だろうなという印象があったけれども、実際ハディスが(パン屋として)顔を合わせてみればパン屋もまともに扱ってくれる良い人であり、前にラーデアで指揮を取っていたゲオルグに忠誠を誓っているからこそ、現在のラーヴェ一族が竜帝の一族ではないと認めてしまいたくなくて皇帝のもとへと下れない人だった。

誰もが行動のための理由と思惑があって、それによって動いているっていうのがちょー良かった。こういうのほんと好き。
ところで第2皇女のナターリエによるリステアードとエリンツィアの評価がボロクソで笑ってしまった。本当に全力でボロクソである。もうちょっと手心を……。

やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中3

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