
あらすじ
並外れた容姿と自信家な性格のせいで友達が少ない天舞は、家の事情でド田舎の高校に転校することに。ある日、同級生の文に、かっこわるい瞬間を目撃されてしまう。笑うどころか“ふたりだけの秘密”にしてくれた素朴で優しい文に、天舞は急激に惹かれていく。
「いつの間にか、君が僕の特別になった」
そのままの自分を受け入れてくれる文への愛が重すぎる天舞に、ピュアすぎる文は…
「好きだから、ひとりじめしたい」♡都会育ちの完璧美少年×のんびりピュア男子のほのぼのきゅんラブ!
いやー、これは良かった。めちゃくちゃ可愛い話だった!
大きな事件が起こるわけじゃないんだけど、とにかくキャラクター、特に自己肯定感MAXなのに愛嬌の塊な攻めが最高すぎて、ずっとニヤニヤしちゃった。こういうのでいいんだよ、こういうので。
昨日感想あげた勘違いだよね?瀬尾くんと同じレーベルなんだけど、2連続で攻めが可愛い話にあたってしまった。可愛い。なんだこいつ。
都会のイケメン、田舎で恋に落ちる(王道)
都会で読モとかやってる超絶イケメンが、親の都合でど田舎に引っ越してきて、そこで出会った純朴な受けと恋に落ちる……っていう、王道といえば王道な話だった。大きな事件があるわけでもなければ、村を揺るがす陰謀と戦うわけでもない。ただ、とにかく攻めのキャラの可愛さでぶん殴ってくる話だった。
もうね、とにかく攻めが可愛い。これに尽きる。
この世界に、僕よりも美しい人間っているんだろうか。
これはうぬぼれでもなんでもなく、純粋な疑問だ。
こんなんを地の文でキメてくるぐらいに自覚と自信がすごいんだけど、それが全然嫌味じゃないんだよね。むしろ清々しい。実際周囲からもイケメン扱いされているし、彼はイケメンなんだろう。
でもそれが嫌味じゃなく愛嬌になるのって、この攻めは自分の知らないこととか、自分にできないことができる人へのリスペクトがちゃんとあるから。
自転車に乗れない自分を恥じつつも、乗れる周りのみんなを全員、サーカス生まれの可能性があるとか言い出すの、面白すぎる。その発想はなかったわ。お前がおもしれー男です。そこらにいるおもしれー女よりよっぽどおもしれーぞ、この男。
そんでもって自己肯定感はエベレスト級なのに、他者を下げない。むしろ「自分はすごい、だからこれができる君たちはもっとすごい」みたいな思考回路になってるのが、もう愛嬌の塊としか言えない。
ついでに好きな子が家に来るからって、そわそわして冬休みの宿題を前日に全部終わらせちゃうとか、小学生かよ! 可愛すぎるだろうが! それ以外にも、本人は結構メンタル方面は努力家だというのに、自覚は全くないところも可愛い。雪かきを全力でやりまくったりとやってることはものすごく良い子なんだよ、こいつ。だから場合によっては腹が立つかもしれないナルシストに近い自己肯定感の高さも可愛さにしかならない。
そんなものすごく自己肯定感高い攻めが、ちょっとずつ受けを「可愛い」「世界一可愛い」みたいに言い出すのが読んでててとにかく微笑ましい。
そして、最初は田舎としか思ってなかった新天地も、これはこれで良い場所じゃないかと順応していく姿が可愛い。
というように、もうとにかく攻めの愛嬌でグイグイ読ませてくる話だった。このネジが少しぶっ飛んだやつが次は何をしでかすのか、次は何を考えてるのかを読むのが楽しい。
優しい世界と、等身大の恋愛
受けの子も、素朴で天然でのほほんとしてて可愛い。いわゆる美形×平凡なんだけど、攻めが常に「僕は世界一格好いい。そして文(受け)は世界一可愛い」って本気で思ってるから、読んでるこっちも「そっか、文は世界一可愛いのか…」って洗脳されてくる。うん、受けは世界一可愛い。
受けが純朴でのほほんとしていて天然だからこそよくある平凡受けの卑屈さみたいなのがほとんどなくて、ストレスフリーで読めるのが良い。
周りのみんなが二人のことをニコニコ見守ってるのも、まあBLに都合のいい世界と言われればそれまでなんだけど、この二人ならそうなるよな〜って謎の説得力があるんだよね。
攻めの愛も、重すぎず軽すぎず、なんかこう……等身大でじたばたしてる感じがして、応援したくなる。こういうバランス感覚、好きだなあ。
あらすじでは愛がおもすぎるとか書いてあるんだけど、別にそんなことはないんだよね。すごい頑張ってじたばたしているせいもあって応援したくなる。重すぎたりはしない、すごく好きなんだなってのが伝わってきて、なんなら微笑ましさばかりが先に出るし、頑張れー!と応援したくなる。
というわけで、全体的にほのぼのしてて、ひたすらキャラクターの可愛さを堪能するお話だった!
大きな事件やドロドロした展開が苦手で、とにかく可愛い二人がイチャイチャしてるのを眺めて癒されたいって人には、めちゃくちゃおすすめ。普段は事件事故大好きなんだけど、この話は攻めの愛嬌がすごすぎてするする読まされた。
