「呪われた伯爵と月愛づる姫君 おとぎ話の魔女」平安姫君、異世界転移

★★★★☆

あらすじ

異国の姫が伯爵家に居候!? 言葉が通じない二人のじれ恋物語

入内の前日、待宵が目覚めるとそこは知らない世界だった――。
憧れの月に来られたと喜んだのも束の間、現れたのは金髪の鬼!! ……ではなく、バイロン伯爵。彼は言葉が通じない待宵に何かお願いがあるようで?

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こんな人におすすめ
  • 言葉が通じないが故のまどろっこしさを楽しみたい人

物語の作りがめちゃくちゃに面白い。

平安時代っぽい時間軸で、もうすぐ入内しなければならばい月の好きなお姫様が、ある夜月を見ていたところ木から落ちて異世界へ、というのが物語の始まり。
ついた世界は言葉の通じない場所で、何を話しても言葉は通じない。けれども片言のやり取りでどうやら現在地を憧れの月だと認識した彼女は、西洋風のその世界で生きていこうとする。

 

主人公の少女がかなり前向きというか、したくもない入内をしなくて良くなり、一度死んだような状態なんだから好きに生きるとばかりに頑張って生きてくのが読んでてすっごく良い。
月の世界の言葉を覚える!と張り切って意思疎通のための言葉を覚えようとしていくのもかわいい。
本当に何も言葉が通じないせいで意思疎通に失敗して頓珍漢なやり取りが発生する(「かわいい」が「小さい」と勘違いされる)などもあるんだけれども、それを含めてもうとにかくかわいい。恋愛あるあるのすれ違いじれったさを、言葉が通じないからこそで発生させてるのがたまんない。

対して、彼女を拾った青年は、策略があって彼女を保護した。
この国では黒髪黒目は魔女として奉られている。そして現在青年は魔女の呪いを受けたからと国の中枢から遠ざけられている。
なので拾った日本人っぽい外見の黒髪黒目の少女を利用し、彼女を権力者にプレゼントすることで自らの立場を取り戻そうとする。

言葉が通じないからこそ利用しようとしているのが完全にバレるわけではないが、同時に言葉も常識もわからない少女を利用するのに罪悪感を持つ。伝えようにも伝えるための言葉が自分にも相手にもない――という状況、読んでてほんとにじわじわと楽しかった。

 

ところで物語は中盤から大きな展開が発生。
実は少女は異世界転移したわけではなく、積み荷として流れ着いたと明かされる。つまりは異国に流れ着いただけで別に異世界転生ではないと。彼女の戻るための国もちゃんとあり、戻ろうと思えば戻れると。
そこから始まる、戻りたくない、手放したくないのあれこれのじれったさがすごく良かった。
最後の最後の落ちもホント良かったー、伏線あったのに全然気付かなかった。

 

気になるのは、これだけ謎と伏線散りばめといて、単巻完結なのでそれがほっぽっとかれた状態になってるところ。ちゃんとまとめてくれー!
打ち切りなのか元々1巻完結なのに色気出して売れたら続刊しようと狙ってたのか知らないけど、すごくもやもやするんだよね。魔女の呪い関連が特に。そういうのをほっとくのほんとやだ。

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