「VRMMOをカネの力で無双する(3)」鰤/牙
あらすじ
桜子さんの正妻力が爆発!
ゲーム内に新規に実装された海エリアへ向かう【Iris Brand】の面々。
しかしそこで待っていたのは一朗にゾッコンでアイリスにライバル心を燃やす美人デザイナー・ネムだった。
ギルドのことを一朗に任されていたキルシュヴァッサー(桜子)は一朗不在の中、アイリスを守るためにネムの企みを阻止しようとするが――
乙女心がぶつかり合い燃え上がる、水着満載の第三巻!!
アイリス完全とばっちりでプライド傷つけられまくりすぎだろ頑張れ
どう動いていくかと思いきや、存外に面白いなこのシリーズ。
そして今回も、前巻から引き続き一朗絡みでアイリスのデザイナーとしてのプライドが傷つけられまくる巻。
そんでもってメイドの桜子さん(キルシュヴァッサー)の忠臣プレイが炸裂する巻。
アイリスはどう見ても完全にとばっちりだよね!?
一朗から武具制作を頼まれたせいで、エドワードに引き続き今度はリアルでも実力のあるデザイナーでもあるネムからもケンカふっかけられるって完全にとばっちり……。ご愁傷様です……。
前回はデザインvs利便性という戦いだったけれど、今回はどちらもデザインでの殴り合い。しかもアイリスは知らないもののネムの中身はアイリスが尊敬するデザイナー。こんなん勝てるか。
圧倒的なデザイン力でアイリスのデザインをねじふせるネム、なんというか……大人気ねえっつか……なんつーか……。
アイリスは一朗に出会ったことで、パトロンを見つけたけどそれ以上の厄介事を背負っちゃったんだねと同情してしまう。
アイリス本人がかなり明るいし前向きな性格だからなんとかなってるけど、一般人だったらべっこべこだぞ。
そしてもうひとりの今回のメインは桜子さんことキルシュヴァッサー。
彼女(彼?)の活躍やポジションがすごく面白かった。
自らを忠臣と定義づけている彼女の、普段のメイドとしての仕事っぷりめっちゃ良いね良いね!
仕事は全てこなした上でのゲーム。ご飯はいつも一朗から一緒に食べようと誘ってくれるものの、彼が一声かけない限りは同じテーブルにはつかない。ゲームにめっちゃ夢中でも、晩御飯の支度があるならログアウト。
そんな彼女が、今回は仕事があってゲームにログイン出来ない一朗の代わりに動く。
超格好いい。
彼女のメイドとしての忠義心と、一朗に頼まれたのだから自分がアイリスを守らなければならないというキルシュヴァッサーとしての忠義心両方がうまく出ていて、彼女がすごく好きになった。
ところで桜子さん正妻なんですか!? 今あらすじ見て知ったんですけど!? 忠臣では!?
キルシュヴァッサーロールプレイといえば、今回はロールプレイしているキャラクターが多くて面白かった。
今まではロールプレイしているのは主にキルシュヴァッサーばかり。それ以外の一朗やアイリス、フェリシアたちは本人としてのプレイだ。ほぼ演技はしていない。それがちょっと読んでて寂しかった。キリヒツ? ちょっとあれはよくわかりませんね……。
個人的にネトゲの自分とリアルの自分が違うっていうパターンが大好きなんだよね。そしてリアルバレするという流れがめっちゃ好き。具体的には花とゆめの箱庭ロワイヤルがすごいツボ。
そして、今回の巻ではロールプレイしているキャラが複数人出てくる。
あからさまな悪人プレイのマツナガは見ていていっそ清々しい。ここまでキャラメイクして演じきっている人なんて最高だな。
名前的には本人は松永久秀からとってるのかなーと思ったが、それにしては付き従う織田信長がいなかった。
わざわざ悪人プレイというのが良いなー。善人プレイより憎まれる悪人プレイのが楽しいよね。elonaだって核の花を咲かせてからが本編だ。
他にも姫プレイのあめしょーたちなど全体的にキャラが濃い。
そんで! 今回の! 一朗のカネの使い方!
1巻はすごかったものの、2巻はアイリスの武具制作レベル上げと若干地味なところで収まっていたので、爆発したのが面白い。ゲーム内部で使うカネではなく外側というのがまたなんとも。こういうのありがちだけど良いよね。
面白かったので続刊も読むよ。