日本一の高校生魔術師、異世界奴隷少女をもらう (HJ文庫) 藤春 都

★★★★☆

あらすじ

「つまりは──俺に、奴隷をくれると?」

ITと魔術を融合させ、最強の魔術師となった高校生・京介。
彼は日本と密かに国交を持つ異世界の商人から、貢ぎ物として奴隷の美少女・ノインを献上される。
その立場から懸命にご奉仕したがるノインに対し、京介は彼女に奴隷ではなく、普通の女の子らしく過ごして欲しいと四苦八苦。

そんな不器用な二人が、日本での生活を通して少しずつ、でも確かに、「お互いのことが大事」という気持ちを深めていく――

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こんな人におすすめ
  • 物静かな物語を読みたい人
  • 少しずつ人馴れしていく猫のような少女を読みたい人

徐々に他人に慣れていく子ってかわいい

現代世界で魔王の称号(他人より魔法がうまく使えるということで、ただの称号であり、別に魔法で日本を統べているわけではない)を持つ高校生である主人公の元へ、ある日異世界から貢物ということで送られたのは奴隷の少女。
異世界の奴隷としての行動が身に染み付いている彼女へ少しずつ現代日本の常識を教え、一緒にいて、互いが大事な人になっていくまでのお話。

王道って何度も繰り返されるから王道なんだけど、作りがうまいと最高に良いなあ!

現代日本には奴隷は存在しない、故に奴隷少女の奴隷作法(水くみをする、朝から洗濯、その他諸々家事雑事)もまったくもって必要ではない。
だが彼女は自分が奴隷であるとして生きてきて、今奴隷ではなくなるということは捨てられて居場所もなくすということだ、だから主人公は彼女に家の中でする仕事を与える、というのがうまいなと。
奴隷をしてほしいわけじゃないんだよね。ただ、ここにいても良いという安心を与えるだけなんだよ。
それにしても、朝に水くみしなきゃいけないと起きた彼女に、蛇口をひねれば水が出るのだとおしえる主人公、ちょっとシュールで面白かった。そうだよな。わざわざしなくていいもんな。

当然そういう子にいきなり「お前がしたいことをして良い」「何がしたい」と訊いても全く答えなんて出てこないわけで(そもそも想像したことすらないだろうからね)。
そんな立場の彼女が「主人公に死んでほしくない」という理由で飯を持ってくる流れのシーン、すごく好き。
自分の肉体で気を引けるという計算ができるところも含めて彼女は頭が良いよね。

キャラが良い

他人にあまり興味がないがいきなり奴隷少女なんて連れてこられた場合はちゃんと世話をする系主人公と、奴隷精神が染み付いてしまった少女。
そんな二人だけの生活だとちょっと気詰まりだったかもしれないが、この場にはもうひとり、主人公が魔法のAI(みたいなもん)で作り上げたホログラム的な存在がいる。

このホログラム的存在でありマスコットキャラ的存在な妖精さんが見ていてめちゃくちゃかわいいんだよなー!
きゃっきゃきゃっきゃしてて騒いで奴隷少女に声かけて主人公と言い合いをして。
下手すれば暗い空気になりそうな気もする物語で一気に明るくしてくれる。とてもかわいい。こういう雰囲気をやわらかくしてくれるキャラクターは良い清涼剤。

それに加えて物語の中程から登場する主人公の従姉妹も超元気で良い。
主人公の自称姉的存在、世話焼きで色々してくれて元気で奴隷少女のことも気にしてくれてと良いとこばっかでとても良い。

出てくるメインキャラクターに嫌味が無く、それでいて敵といえるポジションのキャラクターはぽっと出ではあるけれどもいきなりすぎる雰囲気もない。
物語の解決方法も今まで事前に出されていた情報から、ああ~~~~!!!と納得できる。

本当に面白い本だった。

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