「無自覚チートの箱入りお嬢様、青春ラブコメで全力の忖度をされる」実質BTTF、その題材カップルがめちゃくちゃ可愛い（ネタバレ語り多め）
あらすじ
君が青春できなきゃ世界が終わる! 林間学校で新たな事件発生?
無自覚に世界の因果をねじ曲げるほどの強運の持ち主、天津風撫子。一歩間違えればあっさりと世界が崩壊しかねない綱渡りのような状況の中、天津風の青春コンプを満たすためだけに設立された部活〈アオハルパーティ〉だったが、なんやかんやで琥太郎たちは騒がしい日常を楽しんでいた。
「泊まりがけの遠足! そんなもの、どう考えても素晴らしい青春の一ページじゃないですか!」
クラスでの林間学校を控えてテンションがブチあがる天津風。だがそこには新たな問題が待ち構えていて……? 今度は世話焼きママ委員長こと加賀美美玖が消滅の危機……ってどういうこと!?
1巻はこちら。
https://houchi.work/wordpress/4599/面白かった！！！なんなら1巻よりこちらのほうが好きかもしれない
1巻より面白いと思ったの、何をどうしたら目的達成で最悪の事態回避なのかがわかるがために、1巻のときはあった中だるみが無いからなのかも。あれはあれでハルヒっぽさのある日常系から一気に主人公の死へと物語が急展開するっていう面白さがあるけれども、今回は今回でこのゴールにたどり着きたいのにたどり着けない！の面白さがあった。
BTTFの題材のカプがめっちゃ可愛い（強烈なネタバレ）
今回はママ委員長加賀美の親である二人がこのままではくっつかないかもしれないのでどうにかくっつけるためのお話、もしくはBTTF風なアレ。
この二人がくっつかなければ世界が滅ぶし加賀美が消えちゃう！な二人である赤城と能美の関係性といいキャラといい、もう本当に最高に最高に最高で良かったーー！！
ギャルである能美とオタクである赤城のキャラがあまりにベタベタにベタなテンプレすぎるがゆえに二人も天津風みたいななにかあってこうしている子では？と思ったのだけれども、実際その通りでふたりともギャルとオタクを演じているっていうのがめっちゃ良かった。今どきチョベリバ的な発言するギャルも、◯◯氏！呼びするオタクもいないもんな。あまりに古典的なキャラ付けが故に、『自分の好きな子がそういう相手が好きだという話を耳にして、頑張ってギャル/オタクを演じていました』というのが素直に納得できたし、それだけもうめっちゃ好きなんじゃん……と最高だった。
人間、ベタなものに弱いんだよ。ベタベタすぎると文句言っちゃうこともあるけど、ベタな展開ってやっぱり好きなんだよ。能美のアレルギーを知っているから気を遣ってうまく周囲を誘導したり、能美の高所恐怖症を知っているから吊り橋気遣ったり、彼女のピンチに下の名前呼びで飛び込んできたりする赤城、もうベタベタなベタすぎるテンプレを重ねているというのにここまで来ると格好良すぎる。最高だった。
能美も能美で今までツンケンしているようなふりをしつつもとっさに赤城を下の名前+ちゃん付けで幼馴染力全開だよ……可愛すぎか……。彼女はギャル演技のときに扱いが悪すぎてまじで嫌いでは？と一瞬思うぐらいだったので、そこからのたすくちゃん呼びのギャップがデカかった。
この二人結局相思相愛なんだし、川下り体験で太もも触れたりなんだりかんだりのとき互いにめっちゃ意識してただろうし、能美は赤城にビッチだのなんだの言われたときに本心だと傷ついてたんだろうなー……。いやほんとにめちゃくちゃ好きじゃん……。
赤城は、加賀美に告白するぐらいに恋愛感情に近いものを持っていた（実際は父性と昔の能美に似ていたからだけど）けれども恋愛感情というものを明確には理解していなかった。そんな彼の能美への感情が気遣いから完全に恋愛感情に変化したのって、やっぱり吊り橋で助けたことなのかな。いやそんな、あまりに完全な吊り橋効果すぎる……。
天津風と琥太郎の穏やかな恋がすごく可愛かった
主人公とメインヒロインである二人の恋愛模様もものすごく可愛かった。物語としてはママ委員長こと加賀美がメインになってしまっているけれども、恋愛模様としては天津風がやっぱりヒロイン。
この二人に関しては、もう付き合うまでが秒読みの状態なのがいいよね。1巻の電話のシーンで互いの感情をほぼ理解しあい、琥太郎がずっと思い込んでいた『天津風は自分に惚れているのではなく雛の刷り込みではないか』という疑念も『琥太郎のその後の行動と性格で惚れた』と理解したからこそ、恋愛関連のじゃれ合いの会話をしたり、付き合う付き合わない、好きだなんだでぽんぽんとした掛け合いができるようになったのがかわいすぎる。
天津風としても琥太郎が自分を好きだろうと思えているし、親御さんも結婚するなと構えているので、この二人に関しては安牌。最高。穏やかカップル、可愛い。夫婦漫才して周囲からからかわれてくれ。
今回最終的に琥太郎（と赤城・能美カップルと加賀美）が救われたのも天津風の超絶最高運のおかげっていうのも、やっぱり琥太郎の女神でありメインヒロインは彼女だな！と思えて超良かった。
とはいえ、今回の出来事によって加賀美が自分の恋愛感情を自覚してしまい、更には琥太郎を奪えるのでは？と認識してしまったのが不穏。出ているフラグ的にあからさまに負けヒロインとはいえ、加賀美含めた誰かが琥太郎と天津風の恋によって傷つくのは見たくないなーと思ってしまった。