「あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね」化け物には化け物をぶつけんだよ

★★★★☆

あらすじ

「好きな男の子の心拍に合わせてスマホが震えるの最高」

全国模試1位、高校生ながらその腕で荒稼ぎしている凄腕プログラマー。
けど人間嫌いで誰とも喋らない久城紅は、隣の席の宮代空也が大好きだった。初めての感情に戸惑う紅は、その高い技術で空也の情報を集めることが趣味になっていた。集めた情報をもとに十日に一回、空也に話しかけるせつない日々。
しかし空也は“人の感情が色で見える”という特殊能力の持ち主で、紅のひそかな好意に気づいており――!
気持ちが言えないハイスぺ女子×恋に不信な特殊能力男子のすれ違いラブコメ!

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面白かった!!!
相手の感情が色で見えてしまう体質の恋愛や愛情というものに臆病な少年と、ガチヤバストーカー少女の話。
少年視点の時はかなりシリアスめなストーリーで、なおかつ絵画というものに向かう人の感情、他人の感情を癒したり宥めたりするような絵画を描くが結構普通の少年の日常というかなんというかな物語。
彼がトラウマを克服するまでの物語として、シリアスで、なおかつ読み込ませてくる話ですごい面白かった。

と同時に出てくるストーカーの物語が強すぎてやばかった。
主人公の隣の席に座っている、外見上は美人で数学がめちゃくちゃできてフリーのプログラマーとしてなんか仕事もしてるっぽい少女。その実は主人公が大好きで、主人公のスマホにウイルス仕込んで検索結果も何もかも読み取り主人公に的確に情報を与え、主人公の体調を知るためにウイルスのようなプログラム仕込んだウェアラブルデバイスをタイミング合わせてメルカリ出品し――というクソやば有能ストーカー。
なんかもう、やってることが大半どこからどう見ても犯罪だし本人もこれは犯罪……って言いながら犯している。でもなんでだろうね、本人がこれは犯罪とわかってやってると謎の安心感がある。全然安心して良い状況じゃないんだけど。
主人公が「熱中症 対策」で検索しているならばGPSで現在地を察知して熱中症対策アイテムを持っていったりと、やってることは割とまともなんだけどストーカー行為があまりにあんまりなんだよなあ……。
基本的には抜き取ったデータで満足しちゃっているあたりも彼女のヤバさが際立ってる。主人公の心拍数と同じタイミングでスマホが震えるようにして「彼の心臓を握ってるみたい」で悦に浸るストーカー女、怖すぎない?

最初に読んでいたときはタイトルの『あなたのことなら何でも知ってる私』って彼女のことだと思ってたんだけど、読んでるうちに終盤で『あなたのことなら何でも知ってる私』が増えてきて震えてしまった。
地元の有名な武道家で、なおかつ優秀で人当たりも良くて知人も多い幼馴染キャラ。実は彼女は人脈を駆使して主人公がどこにいようともなにをしていようとも情報が自分のところに来るようにしている、それこそ『あなたのことなら何でも知ってる私』だった! という流れ、怖すぎるしタイトル回収としてうますぎるでしょ。
電子という方向で何でも知ってる同級生ストーカーvs人間監視カメラを使ってなんでも知ってる幼馴染ストーカー、完全に化け物には化け物をぶつけんだよ文脈すぎる。いや違うけど。この激ヤバストーカーが手を取り合って主人公の危機を救おうと動くのがめちゃくちゃすぎたけど超良かった。

ヤンデレというにも違う、幼馴染も同級生もどちらも努力の末で愛でストーカーをしているのが、……やっぱこええわ。

個人的には同級生クソやばストーカーが主人公に惚れた理由がかなり好きだった。
絵画というものへ掛ける情熱とその情熱を異様なものとは理解せずぶつける主人公、主人公へ向ける情熱を異様なものとは理解しつつぶつけずうちに秘め続けたヒロイン×2の対比としても面白かったし、クソやばストーカー物語と絵画にかける情熱物語が破綻することなく組み合わさっているのも面白かった。

コメント

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