「負けヒロインが多すぎる!」

★★★☆☆

あらすじ

「え? マケインって誰のこと?」

クラスの背景である俺――温水和彦は、あるとき人気女子・八奈見杏菜が男子に振られるのを目撃する。

「私をお嫁さんにするって言ったのに、ひどくないかな?」
「それ、いくつの頃の話?」
「4、5歳だけど」

それはノーカンだろ。
これをきっかけに、陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花など、負け感あふれる女子たちが現れて――?

「温水君。女の子は2種類に分けられるの。幼馴染か、泥棒猫か」
「なるほど、大胆な分類だ」

負けてこそ輝く彼女たちに、幸いあれ。
負けヒロイン――マケインたちに絡まれる謎の青春が、ここに幕を開ける!

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様々な負けヒロインたちの様子が、あーーつら!となって多種多様に切ないカワイイ。
恋愛小説で成立するカップルが存在するならば、そのどちらかに片思いしている誰かは当然ながら失恋する。よくある当て馬キャラだってもしかしたらチャラいだけの邪魔なキャラじゃなくガチめの片思いをしていたかもしれない。成立する恋愛の横ではこんなん起きてるよな、というのが確かに~!と思えた。

ちなみにこの負けヒロインは主人公に対する負けヒロインではなく、それぞれ別に片思い相手がおり、別の女にかっさらわれている。

出てくる負けヒロインは、幼なじみだからこそその背中を押してしまったヒロイン、幼なじみで一番そばにいたと思っていたのに突然現れた女にかっさらわれたヒロイン、優しくしてくれた人を好きになったけれども幼なじみのほうが相思相愛だったヒロインなど、って幼なじみ多。
まあ突然出てきたぽっと出ヒロインより違いとして出しやすいだろうしな……。

個人的に好きな負けヒロインは、部長に片思いしていた文芸部の少女。なんでだろうなって考えてみたら、彼女だけ自分から行動して、ちゃんと好きだと自分の感情を伝えているんだよね。他のヒロインたちが事情はあるにせよ告白せずに諦めてしまっていた中、彼女だけは爆発して好きだと伝えている。引っ込み思案で台詞も……が多くて読みづらいんだけれども、彼女のその性格が好きだなと思えた。

最近告白しなかったことで逆に後悔するラノベを読んだからってのもあると思う。

「天使は炭酸しか飲まない」伏線やポイントが綺麗に回収される物語
すげー良かった。他人の恋愛成就のために奔走するちょっと不思議なちからを持つ少年と、惚れっぽすぎて片っ端から惚れてしまう自分の性格をどうにかしたい少女の物語。終盤彼女の惚れっぽさの理由が判明してから先、ぱたぱたとドミノ倒しのように小気味よく物語が駆け抜けていく爽快感がすごい。前半にあった『主人公が天使という名称を使っていろんな人の恋愛成就の手助けをしている』『ヒロインに片思いする少年からの恋愛相談を受けて彼女の好きな相手を見極めようとして近づいた』『天使の行動の対価は貰っていない』という要素など、今まで出てきた様々な情報が最後のイベントに全部まとまって行くのが楽しい! あああの出来事、…

最終的にはそんな彼女の一言で部長らカップルは成立してしまうんですけどね! 敵に塩を大量搬送だよ。

出てくるヒロインたちが皆それぞれにどっかしら性格が悪かったりふてぶてしかったりするのもいいな。いつまでも延々とうじうじしているのではなく、振られたら振られたで落ち込みつつ気持ちを切り替えられているから湿り気少なめだった。

終盤の主人公が最初の負けヒロインから距離取るあたりはベタ過ぎて雑か?となった。
けど、負けヒロインが片思いしていた男による罪悪感からの逃げだののあたりはめちゃ良かった。

彼が負けヒロインの恋を気にしていたのは、片思いされているのに気付いていながら気付かないふりをしていて、お断りという嫌なこともせずに相手が自分の感情を忖度して背中を押してくれたということへの罪悪感と、新しい恋が始まったというなら俺の分はふっきったんだな!良かった良かった!という罪悪感の昇華のためのものでしかなくて、すごく自己中心的だ。
それに対してしっかりとまだ好きだとようやく伝えられたのが良かった。

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