「Bの戦場 2 さいたま新都心ブライダル課の機略 (集英社オレンジ文庫)」ゆきた 志旗

★★★★☆,集英社オレンジ文庫お仕事,恋愛,現代

あらすじ

“絶世のブス"ながら、ウェディングプランナーとしてお客様の幸せのために頑張るわたし、北條香澄は、自称“意識の高いB専"久世課長に斜め上な求婚をされ困り果てていた。

そんな時、中途採用の年上新人、財前さんの教育係を任される。
美人で自尊心の高い財前さんと仕事のやり方で対立する中、二人で担当したお客様が「結婚式の費用が払えない」と言いだして…!?

シリーズ: Bの戦場

恋愛部分はノリきれないけれどもお仕事部分はアツいお仕事小説、Bの戦場2巻。

前の巻で主人公が仲を取り持った朝子さんらカップルの結婚式に、主人公が招待客として誘われるところから始まる今回の巻。
とはいえ、結婚式にハプニングはつきもの。当然無問題でとは行かない。
大ハプニングは発生してしまったけれど、それでも朝子さんのウェディングドレス姿や下河辺さんの優しさは本当に良かった……。1巻で自分なんてと言っていた朝子さんを覚えているからこそ、良かったね、本当に良かったね、良い結婚を迎えられてよかったねと思えてしまった。自分がこっ恥ずかしい目に遭うことになっても、二百人の前で公開プロポーズして断られたことと比べれば、と言い切れる下河辺さんもメンタルが強い。

そして、本題の「ご祝儀不足で払えません」問題。

さらっと読んでいてしまったんだけど、朝子さん下河辺さんカップルの結婚式の金額は、すごくさらっと六百万とかなんとか出てきてるんだよね。物語が物語だからすっかり忘れていたけれども結婚式ってものっすごくお金がかかるものだった。
そして、今回は組み合わせが悪かった。
ご祝儀などについてろくに知識がない新郎新婦(=友人もご祝儀についての認識がない)、売上を上げるためにオプションなどをつけて金額をあげようとする新人・財前さん。本当に組み合わせが悪かったとしか言いようがない。

財前さんのやり方は、多分もうちょっと相手を見ればすごく正しいんだと思う。
会社としてはお金が入るのが一番だ。少しでも売上を上げるためには上のプランを選んでもらいたい。彼女がこの仕事を一種の営業職として認識している以上、売上貢献のためにこういったおすすめをすることはある意味間違っていない。
だが、彼女は考えがなさすぎた。
ご祝儀は一般的には三万円です、と口でいうことは出来ても、実際いくらぐらいもらえるかなんて、その人の文化圏や金銭感覚で全然違ってくるんだよね。ましてや、今回のお客さんの招待客の中には15歳の少女もいるということで、そりゃあお金は賄えないわ……。

結婚式とはどういうものかの認識が出来ていなかった新郎新婦とその友人も問題だろうけれども、一生に一度しかない結婚式をデザインするプランナーとしては、そこは致命的だったと思う。

そして、それを知った財前さんにきっちりと話をつける主人公がめっちゃ格好良かった……。
課長と同じことを言ってしまうのは本当にむかつくから嫌なんだけど、主人公は内面が本当にうつくしいんだよ。本人がいくら自分の外見をブスブス言っててもめっちゃうつくしいんだよ。お客様のことを第一に考え、一生に一度の人生の主役の時をどう過ごせば幸せに感じてもらえるかと考えてくれる主人公は本当に良い人だ……。主人公みたいな人にウェディングプランナーしてほしい。

財前さん、この話だと嫌なキャラだなあという認識だけれども、この後の話では徐々にやわらかく……なった? やわらかくはなってないかな? なんだけど不思議ととっつきやすくてなんとなく可愛く見えるキャラになっていって、あーこの人これから頑張って欲しいなあ! と思えた。

主人公の内面はめっちゃうつくしいので、(顔でドン引きされる描写はそこそこあるので実際作中ではそうなんだろう)外見では引こうとも付き合っていくうちに惚れていく人ってそれなり以上にきっといるんだろうな。
前巻の花屋の武内さんといい、今回のコータくんといい、付き合っていくと確かに顔はブスだろうが内面はめっちゃ良いし素敵だし性格最高だと気付く。きっと主人公が気付かないだけで今までにも彼女に惚れてきて、でも言い出せなかった人っていくらもいるんだろうなと読んでいて思った。

課長は徐々に主人公をかわいいと認識し始めていたし、主人公はそれが恋なんじゃないの!って思い始めてたけど、まじでこいつ人の心わかんないからやめたほうがいいよ。他人に「彼女はブスですか!」と強く問いかけてくる人はマジでやめたほうがいいよ。早めに録音して上に提出しな。

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